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第9話 ボスモンスター(爺)

 おじいさん入りの機械騎士は強さが段違い……というわけでもない。

 動きが多少マシになったかな、程度だ。

 仮にもボスモンスターなんだからもう少し強くてもいいんじゃないの?

 立派なのは外見だけか。


「うわっ!」


 突然、レガルライゼファーが転んだ。

 足元に転がっていた機械騎士の腕を踏んでしまったからだ。

 おい、こんなところに機械騎士の腕を置いたのは誰だ!

 ちゃんと片付けないと駄目だろ!


「うひいい!」


 正面を見れば機械騎士の足裏があるじゃないか。

 こいつレガルライゼファーの頭を踏みつける気だ!

 緊急回避!

 転がって避ける!

 変な声が出てるけどそれは気にしたら負けだ!


「何しとるんじゃ!もっとしっかり戦わんか!」


 機械騎士に閉じ込められているおじいさんから熱い檄が飛ぶ。

 とりあえず、ありがとう。

 気が引き締まったからちょっと黙っていてね。


「それっ!反撃だ!」


 機械騎士が殴りつけてきたのでカウンターで蹴りを放つ。

 カウンターは上手い具合に決まった。

 蹴られた機械騎士は後ろによたよたと数歩下がる。


「今度はこっちの番だ!」


 レガルライゼファーは一瞬で彼我の距離を詰めた。

 機械騎士は防御を選択するがそれは悪手だと思うぞ。

 

「レガルライゼファーの特大拳骨を食らえ!」


 攻撃を受けた機械騎士はギシッと軋む。

 ふふふ、防御してもレガルライゼファーの攻撃は痛かろう……。

 そーれ、右、左、右、左。

 右腕と左腕で交互にパンチを繰り出せば相手は動けない。


「よし!やったぜ!」


 パンチを連打していると機械騎士の両腕が吹き飛んだ。

 たった数発殴られただけで体力ゲージが0になってしまうとは情けない。


「後はタコ殴りにするだけだな!」


 攻守の要である腕を失った機械騎士はもう脅威ではない。

 あとは好きに料理するだけだ。



△   ▼   △   ▼   △



「そらそら、もっと気合入れて逃げないと倒されちゃうぞー」


 現在の機械騎士は四肢が無くなった状態だ。

 もう動くことすら困難となっている。

 そんな機械騎士を俺は小突いて煽りまくる。




『スキル【挑発】【強い者いじめ】を取得しました』




 頭の中にアナウンスが流れる。

 なにこれスキル?

 ちょっと確認してみますか。

 

「ふむ【挑発】はモンスターの注意を俺に引き付けるスキルか」


 まあ、いいんじゃない?

 使い所さえ間違えなければ使えるスキルだ。


「【強い者いじめ】はレベルの高い相手と戦う時、ステータスにプラス補正っと」


 かなり有用なスキルだなこれ。

 スキルの名前はちょっと嫌いだけど。


「ありがとう名も無き機械騎士よ。君のおかげで俺は強くなることができた」


 だから、感謝の気持ちを持って葬ってあげるね!

 レガルライゼファーの踏み潰し攻撃!


「うはっ、盛大に潰しちゃった!おじいさん大丈夫かな?」


 俺が心配していると、機械騎士の中からおじいさんが出てきた。

 見た感じ潰れてはいないな。

 セーフだったわ。


「おじいさん怪我はない?」


 俺、心配してたんだよ?

 ……本当だよ?


「お、お前はもう少し優しく助けられんのか……」


 おじいさんは震える声でそう言った。


「いやーごめんごめん。次からは気を付けるから許してね」


 俺はレガルライゼファーでおじいさんを摘まみあげて立たせてあげた。


「ところでさ、もう機械球は5個集まったんだし帰らない?」


 俺はおじいさんの手を見ながらそう言った。

 その手には機械球があった。


「あ、う、うむ。そうじゃな。そうしよう」


 おじいさんは震える手で懐から転移の巻物を取り出すと広げた。

 するとここへ来た時と同じように俺達は魔法陣へ吸い込まれていった。



△   ▼   △   ▼   △



「……まあ、色々あったがお前には感謝しているよ」

「そうですか」

「お前がいてくれたおかげでわしは機械騎士の中から出ることができた」

「そうですか」

「これは感謝の気持ちだ。受け取ってくれ」

「いただきます」


 おお、結構重いぞ!

 やっぱりお礼ってのは現金に限りますねぇ!

 そーれジャラジャラ。


「お礼は確かにいただきました。じゃあ俺はこれで失礼しますね」

「……まあ、そう急いで出ていかんでもいいじゃろう」


 また引き留められちゃった。

 まだ何かあるのかな?


「お前なら信用できる。だからお前の仕事なら引き受けてやってもいい」


 ずいぶんと上から目線な言い方だな。

 お客様に対してはもっと腰を低くしてだね……。


「わしは機械騎士専門の鍛冶屋じゃ。お前が望むなら――」

「ぜひ、よろしくお願いします!」


 なんだよそれをもっと早く言ってくれよ。

 危うく帰るところだったじゃん。





 ====================


 名前:カイト

 レベル:12

 体力:319

 魔力:38

 技力:132


 ステータス

 筋力:20(+5)

 防御:19(+2)

 魔力:17

 敏捷:30

 器用:64

 幸運:32

 ステータスポイント:55


 装備

 頭 【空欄】

 体 【初心者の服(防御+1)】

 腕1 【キーナイフ:レガルライゼファー(筋力+5)】

 腕2 【キーナイフ:レガルライゼファー(筋力+5)】

 足 【初心者の靴(防御+1)】

 装飾品1 【空欄】

 装飾品2 【空欄】

 装飾品3 【空欄】

 装飾品4 【空欄】


 スキル

 【挑発】【強い者いじめ】


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