第５話 ボスモンスター（鼠）
詩音がいきなり「私達まだフレンド登録してない！」と騒ぎ出した。
言われてみれば確かにしてない。
ならするか、と俺は詩音をフレンド登録した。
ついでにパーティ結成もした。
その時気付いたんだけど詩音のアバター名はシオンだったのな。
名前の付け方も一緒とは……これが双子の成せる技であろうか。
「ねえ、あそこに大きなネズミがいるよ！」
いきなり何を言い出すんだこの妹は……。
でかいネズミなんてどこにも――いたよ！
うわ、なにあれ大きい。
今まで倒してきたネズミの数倍はでかいじゃんか！
「あれがボスモンスターってやつなのかな？」
「お兄ちゃん！あのモンスターと戦ってみよう！」
妹が脳筋思考な件について。
困るなぁそんなホイホイとモンスターに戦いを挑んじゃ。
どんな能力を秘めてるのか分からないんだからここは慎重にだな……。
「よし！やるか！」
「おおー！」
忘れてたわ。
俺も結構、脳筋思考だったわ。
「うおおおおお！これでも食らえー！」
一番槍の名誉は俺がいただいた！
レガルライゼファーの飛び蹴りを食らえネズミ野郎！
「よし！命中！」
巨大ネズミはまるで蹴られたサッカーボールみたいに転がっていった。
「おー敵意剥き出しって感じだなぁ」
蹴られた巨大ネズミは俺を敵と認識したようだ。
その巨体を活かした体当たりを繰り出してきた。
しかし、直線的な動きは対処しやすい。
「レガルライゼファーの機動性なら躱せる！」
おっ、今のセリフなんかゲームのキャラクターっぽくてよかったな。
ロールプレイして遊ぶのも面白いかも。
なんてこと考えてたら巨大ネズミが目の前にいるじゃん！？
いやいや、躱せるって言ったんだから躱そうよ。
頑張れレガルライゼファー！
お前はやればできる子！
「おお！ギリギリで回避できたぞ！」
ほんとにスレスレだったぞ。
巨大ネズミの髭くらいは当たったかもしれん。
「危なかったなぁ……」
なんて言ってみたりする。
まあ、仮にぶつかってもレガルライゼファーなら無傷だろうけどさ。
ダメージは負わないに越したことはないからね。
安全第一だよ。
「うおっまた来た！」
巨大ネズミはもう一度体当たりをしてきた。
今度はジャンプして巨大ネズミの攻撃を避ける。
っていうかレガルライゼファー思ったより高く飛べるんだな。
これでまだ本気でジャンプしてないんだから恐ろしいぜ。
「おりゃー！」
やっと追い付いたシオンが巨大ネズミを斬った。
斬られた巨大ネズミは切り口から血がブシャー……っと噴き出さない。
全年齢対象のゲームでよかったわ。
スプラッターな光景はNGだからね。
「うひいい！噛まれるうう！」
巨大ネズミは標的をシオンに変更したようで前歯で齧ろうとしている。
シオンは情けない声を出しながら防御している。
「ふふふ。俺から目を離していいのかい？」
俺から目を離したことを後悔するがいい！
またレガルライゼファーの飛び蹴りを食らえ！
「おー。また盛大に転がっていったな」
レガルライゼファーの攻撃は巨大ネズミの頭を直撃した。
巨大ネズミは横たわりピクピクとしているだけで動かない。
巨大ネズミの頭上にある体力ゲージはかなり減少していた。
「あれ？これってひょっとして攻撃のチャンスなんじゃ？」
「おりゃー！さっき驚かせてくれたお礼だー！」
シオンが両手剣を引きずりながら走っていく。
シオンは攻撃のチャンスだと考えたようだ。
「……よし！俺も行くか！」
俺は巨大ネズミに近付くとレガルライゼファーでタコ殴りし始めた。
レガルライゼファーの拳がめり込む毎に巨大ネズミの体力ゲージが減っていく。
あと、シオンの剣で切り刻まれても体力ゲージは少しだけ減っていく。
「これで最後だー！」
レガルライゼファーの攻撃によって巨大ネズミの体力ゲージが０になった。
巨大ネズミは力なく横たわり、そのまま光となって消えた。
「よっしゃー！余裕だったぜー！」
「ああ……倒し損ねた……」
こうして巨大ネズミとの戦いは終わった。
ボスモンスターにしては楽な相手だったね。
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名前：カイト
レベル：９
体力：２６３
魔力：３２
技力：１００
ステータス
筋力：１７（＋５）
防御：１５（＋２）
魔力：１５
敏捷：２４
器用：５０
幸運：２８
ステータスポイント：４０
装備
頭 【空欄】
体 【初心者の服（防御＋１）】
腕１ 【キーナイフ：レガルライゼファー（筋力＋５）】
腕２ 【キーナイフ：レガルライゼファー（筋力＋５）】
足 【初心者の靴（防御＋１）】
装飾品１ 【空欄】
装飾品２ 【空欄】
装飾品３ 【空欄】
装飾品４ 【空欄】
スキル
なし
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