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第35話 ボスモンスター(蛇)

 初手はレガルライゼファーの射撃から始まった

 大蛇の頭に狙いを定めて発射だ!


「……流石にボスは一撃じゃ倒せないか」


 内心ではこの大蛇も一撃で倒せるんじゃないかと思ってたわ。

 世の中そこまで甘くはなかった。


「まあ、いいか。切り替えていこう!」


 俺は続けて引き金を引いた。


「あれ?」


 おかしいな、拳銃から弾が出ない。

 何度も引き金を引いてみるが、やっぱり弾は出ない。

 弾は勝手に装填されるから常に5発が弾倉に入ってるはずなんだが……。

 まさか……弾切れ?


「カイトさん何かトラブルですか?」


 レガルライゼファーの挙動がおかしいことに気付いたんだろう。

 ワダエルコが心配してくれた。


「どうやら拳銃の弾が無くなったみたいだ」

「景気良く撃ったのが裏目に出ましたか。弾が有限なら節約すべきでしたね」

「そうだな。やっちゃったぜ」

「どうします?戦闘は続けますか?」

「ああ、続行だ。レガルライゼファーにはまだこれがあるからな!」


 そう言ってワダエルコにレガルライゼファーの特大拳骨を見せた。


「あはは。なら問題ないですね」

「ああ、無問題だ!」


 いくぜ蛇野郎!

 弾丸の代わりにレガルライゼファーの鉄拳を食らうがいい!


「お兄ちゃんだけにいい格好はさせないんだよー!」


 俺の攻撃に合わせてシオンもレイディールで斬り始めた。


「私もいきますよ!」


 シオンに続いてワダエルコも刀を振るう。

 3人の攻撃によって大蛇の体力ゲージは大きく削れた。


「おっと標的は俺か」


 大蛇はゆっくりと俺の方へ振り向いた。

 狙いは俺のようだ。


「お兄ちゃん!蛇に狙われてるよ!

「大丈夫だ!強化したレガルライゼファーなら躱せる!」


 大蛇は口を大きく開くと俺に噛み付いてきた。

 その噛み付きは巨大な蛇のものとは思えない程速い。

 だが、俺のレガルライゼファーは機動力を大幅に強化している。

 見てから回避しても余裕で躱せますよっと。


「こうして頭を押さえてしまえば何もできまい!」


 レガルライゼファーが大蛇の頭を抱え込む。

 大蛇はジタバタ暴れるが、レガルライゼファーの拘束からは逃げられない。


「2人とも今の内に蛇をボコボコにするんだー!」

「りょーかいだよ!」

「分かりました!」


 シオンとワダエルコが大蛇をズバズバと斬っていく。

 後は大蛇の体力ゲージが0になるまでこの状態をキープするだけ――だったんだけど物事はそう簡単にはいかないようだ。


「無駄無駄!いくら口をパクパクしようと――」


 噛み付けないんだよって言おうとした瞬間。

 大蛇の口から勢いよく紫色の煙が吐き出された。

 紫色の煙はあっという間に俺達3人を包み込む。


「あばば、し、痺れ……」

「シ、シオンさん……!」


 シオンとワダエルコが倒れた。

 この毒ですと言ってるような煙を吸い込んだのが原因だなきっと。

 俺が無事なのはレガルライゼファーの気密が完璧だからかな。

 何にせよ、この毒煙で全滅することは免れたわけだけど……。


「2人とも大丈夫か!?」


 俺はシオンとワダエルコが心配で駆け寄ろうとした。

 これがいけなかった。

 2人に気を取られて大蛇の拘束が疎かになってしまったのだ。


「しまった!」


 気付いた時にはもう手遅れだ。

 レガルライゼファーの腕からするりと抜け出した大蛇は、倒れた2人に近付くと口を開いてパクリと食べてしまった。


「あーっ!お前何してんだよ!」


 早くペッしなさい!

 女の子を一気食いなんかしたら太るよ!


「吐き出せって言ってるだろー!」


 レガルライゼファーの拳が大蛇の腹――たぶんこの辺が腹だ――にめり込む。


「吐ーけ!吐ーけ!」


 大蛇を執拗に殴り続けるが、2人を吐き出す兆候は見られない。

 くそ、腹パンしたらゲロッて吐き出すかと思ったがそんなことはなかったぜ!


「くっ、しまった!右腕に噛み付かれたか!」


 調子に乗って大蛇の腹を殴ることに集中し過ぎたかな。

 怒った大蛇の牙がついにレガルライゼファーを捉えた。


「俺のレガルライゼファーを傷物にしやがったなこの野郎!」


 怒りの鉄拳パーンチ!

 こら、さっさと噛み付いた右腕を放すんだ!

 意地張って噛み付くのはよせ!

 ああ、レガルライゼファーの右腕がひしゃげていくぅ!

 やめるのだ蛇さん!

 これ以上のダメージは許容できないのだ!


「いい加減に……しやがれ!」


 レガルライゼファーの拳が大蛇の頭を穿った。

 すると大蛇はびくりと痙攣して動かなくなった。


「おっ、これはもしや……」


 大蛇の体力ゲージを確認する。


「体力ゲージが0になってる!やったぜ!」


 ちょっと予定と違ったけどこれで2人の救出は完了だ!

 そら、お腹の部分から2人が出てきて――!?


「あ……どうやら助かったっぽい」

「よかった……あのまま消化されちゃうのかと思っちゃいました」


 シオンとワダエルコは無事だった。

 無事だったんだが……。


「あー!私の防具が溶けてるー!」

「きゃああああ!わた、私の服がー!」


 なんということでしょう。

 大蛇のお腹の中は防具だけ溶かす都合の良い酸で満たされていたようだ。

 つまり、今の2人は防具無しの状態……。

 ぐへへ……下着が丸見えだぜ。


「カ、カイトさん!こっちを見ないでくださーい!」

「あーあ、私の装備はレイディール以外無くなっちゃったなぁ……」

「シオンさん何してるんですか!?早く隠さないと!」

「え?隠すって何を?」

「何ってそれは、その……い、色々ですよ!」

「見てるのお兄ちゃんだけだし別にいいんじゃない?」

「良くないですよー!」


 いやー眼福でありますな。

 こんなご褒美いいんですか。

 全年齢対象のファンタジーなゲームをやっててよかった!


「カイトさん!見ないでって言ってるじゃないですかー!」

「許せワダエルコ。これは男の抗えぬ本能なのだ」

「大丈夫だよワダエルコちゃん。お兄ちゃん大きい胸の人以外興味ないから」

「な、な、なんでそんなことシオンさんが知ってるんです!?」

「だってお兄ちゃんの部屋の引き出しにある――」

「ちょっと何言おうとしてるのおおおお!」


 対岸の火事だと余裕ぶってたら飛び火してきた。

 シオンは何であれの隠し場所知ってるの?

 まさか他にも色々知ってる?

 ちょっと怖いんですけど……。





 ====================


 名前:カイト

 レベル:18

 体力:417

 魔力:41

 技力:189


 ステータス

 筋力:25(+5)

 防御:24(+10)

 魔力:21

 敏捷:109(+13)

 器用:93

 幸運:44

 ステータスポイント:15


 装備

 頭 【空欄】

 体 【レザージャケット(防御+7)】

 腕1 【キーナイフ:レガルライゼファー(筋力+5)】

 腕2 【キーナイフ:レガルライゼファー(筋力+5)】

 足 【丈夫なブーツ(防御+3 敏捷+3)】

 装飾品1 【風の指輪(敏捷+10)】

 装飾品2 【空欄】

 装飾品3 【空欄】

 装飾品4 【空欄】


 スキル

 【挑発】【強い者いじめ】【かまいたち】【ダッシュⅠ】


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