第33話 武器の性能を確かめる
俺、シオン、ワダエルコは町から出て草原でモンスターを探している。
目的はレガルライゼファーに装備されていた武器――銃の試し撃ちだ。
「お兄ちゃーん。この辺のモンスターで試せばいいんじゃない?」
というシオンの提案を俺は受け入れることにした。
ここは人目も無いしちょうどいいや。
この辺のモンスターには的になってもらう。
悪く思うなよ。
恨むならここを射的場に選んだシオンを恨むんだな。
「じゃあやるか」
銃を呼び出す方法は機械騎士を呼び出すのと同じやり方らしい。
さあ、俺の銃よ来い来い……。
おっ、来た来た!
空中に出てきましたよ!
「これがレガルライゼファーの銃か!」
外見はごつい回転式拳銃といった感じ。
回転式弾倉には5発の弾が入るみたい。
ふーん、長めの銃身がかっこいいじゃないか。
色はレガルライゼファーと同じ深い青色だ。
「……ところでシオンよ」
こいつを見てほしい。
こいつを見てどう思う?
「どうって言われても……普通の鉄砲に見えるよ?」
うんまあ、その通りなんだけどね。
これはどう見ても鉄砲です。
でもさ、おかしなところ……あるよね?
「あっ!そうか!」
おっ分かってくれたか。
じゃあ、言い直してみよっか。
「すごく……大きいです……」
ピンポーン!
大正解!
そのセリフが欲しかったんだ!
「さっきからシオンさん1人で何言ってるんですか?」
「私は今、お兄ちゃんと会話してるんだよ!」
「え?でも喋ってたのシオンさんだけですよ?」
ふふふ……ワダエルコはまだこの領域には辿り着けていないようだな。
「私とお兄ちゃんはお互いの考えていることが丸分かりなんだよ!」
だから直接会話なんてする必要はないのだ!
「ふぇ!?ほ、本当ですか!?」
……まあ、嘘なんだけどね。そんなことできるわけないじゃん。
「……まあ、嘘なんだけどね。そんなことできるわけないじゃん」
何だかシオンと考えが被ったような気がするが気のせいだろう。
さて、悪ふざけもここまでにして拳銃の試射をしてみるか。
記念すべき的1号はスライムに決まりだ。
「狙って狙って……発射!」
俺はキーナイフに付いている引き金を引いた。
最近まで何のために付いているのかマジで分からなかった引き金がようやく仕事をした瞬間である。
拳銃から撃ち出された弾丸はスライムに直撃。
スライムは粉々に吹き飛んだ。
「まあ、知ってた」
5mの巨人が持つ銃で撃たれればスライムなんて粉微塵だよね。
オーバーキルですよ。
「はわわわ……すごい威力」
「あんなの食らったら私も粉々になるのかな……」
シオンとワダエルコは目の当たりにした拳銃の威力に驚いている。
ふふふ……もっと驚くがいいさ。
「よーし!もう少し拳銃の試し撃ちを続けるか!」
そう決めた俺はバカスカ拳銃を撃ち始めた。