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第32話 不可解な現象に遭遇した

「それで、機械騎士の改造費用を手に入れた、と」

「そういうことです」

「お前は男として恥ずかしくないのか?」

「レガルライゼファーのためなら俺は一肌でも二肌でも脱ぐ所存です!」

「……そうか、解った。もう何も言うな」

「俺の気持ちを理解してくれたんですね……嬉しいです!」

「……そういうことにしておいてくれ」


 どうやら鍛冶屋のおじいさんに俺の気持ちが伝わったようだ。

 じゃあ、早速レガルライゼファーの改造タイムだ!


「さて、どの能力を強化しようかなぁ……」


 俺は目の前に現れたパネルとにらめっこする。

 機械騎士の強化できる能力は出力、耐久力、機動力の3つだ。

 出力を強化すれば機械騎士は力持ちになる。

 耐久力を強化すれば機械騎士は頑丈になる。

 機動力を強化すれば機械騎士は俊足になる。

 どの項目も捨て難い。

 うーむ、悩ましいな。


「おじいさんはどの能力を強化したらいいと思いますか?」


 とりあえず、プロの意見を聞いてみる。

 参考にはなるでしょきっと。


「お前のやりたいようにやればいい」


 はい、何の役にも立たない意見出ましたわ。

 何が機械騎士専門の鍛冶屋だ。

 こういう時に張り切らなくていつ張り切るんだよ。

 もっとしっかりしてくれよおじいさーん。


「ん?よく見たら武器の強化もできるんだな……」


 武器かぁ。

 レガルライゼファーの強化も大事だけど武器も何か1つくらい欲しいよね。

 いつまでも素手ってわけにもいかないし。


「……あれ?うーん?どうなってるんだ?」


 パネルの表示が間違ってるのかな。

 レガルライゼファーはもう武器を持ってることになってるぞ。

 俺、一度も使ったことないんですけど。


「おじいさん。ちょっと聞きたいことがあるんですけど」

「なんじゃい」

「俺のレガルライゼファーが武器を持ってること知ってました?」

「ああ、知っとったぞ」


 おいおい、おじいさんや。

 知っとったぞ、じゃありませんよ。

 そういう大事なことは教えてくれないと駄目じゃないか。

 これはおじいさんに文句言わなくっちゃ。


「知っていたなら何で教えてくれなかったんですか?」


 どうせ「知ってると思ってた」とか言うんだろ!

 俺にはお見通しなんだからな!

 謝罪だ!

 謝罪を要求する!


「わしからは話すなと言われとったからな」


 ……え?

 どういうこと?

 思ってた内容の答えじゃなかったんですけど。

 口止めされていた?

 誰にだよ。


「おじいさん適当なこと言って誤魔化そうとしてるんじゃ……」

「わしはそんな真似せんわ!」

「じゃあ誰に口止めされてたっていうんです」


 まさか運営に口止めされてた、なんて言わないよね。


「□□□じゃ」

「へ?」

「だから□□□じゃ!」


 なんだろう。

 肝心の名前が聞き取れない件について。

 俺、耳栓でもしてたっけ?

 耳をほじほじ……。

 うん、耳栓なんてしてるわけないな。


「□□□じゃ!□□□じゃ!□□□じゃ!」


 え、ちょ、おじいさん?

 どうしたの?

 まさか……急にボケちゃった!?


「□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□」


 こ、これは何かやばい気がするぞ!?

 おじいさんバグってるのか!?


「おじいさん!!しっかりしろ!!」


 古人の言葉によればこういう時は機械を叩けば直る!

 許してくれおじいさん!

 これは老人虐待なんかじゃないんだからね!

 それ、修正してやるパーンチ!


「ぐはっ!いきなりなにすんじゃい!」

「よかった……元に戻った」

「元に戻ったじゃと?お前は一体何を言っとるんじゃ?」

「ああ、この感じ。完全に元に戻ったな。よかったよかった」

「……訳が分からんわ」


 ふぅ……とりあえず一件落着だな。

 運営には後でバグ報告しておこうっと。

 じゃあ、改めてレガルライゼファーの改造やっていくか。

 武器の確認は改造が終わってからでいいな。

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