第3話 妹と一緒に初戦闘
町の外は草原になってた。
遠くには森とか山とか見えてる。
町の近くにはプレイヤーがレベル上げに精を出してるね。
レベル上げしてるプレイヤーの中には機械騎士に乗ってる同士もいるぞ。
「お兄ちゃんの乗ってる機械騎士って他の人のと違うね」
「そういえば他のプレイヤーはずいぶん貧相な機械騎士に乗ってるな」
他のプレイヤーが乗っている機械騎士はまるでブリキの兵隊だ。
レガルライゼファーとは似ても似つかない見た目をしている。
「まあ、主人公補正ってやつでしょきっと」
俺はそう思うことにした。
こういうのは考えるだけ無駄なんだよ。
偉い人もこう言ってる。
考えるな、感じろってさ。
「あっ、お兄ちゃんスライムがいるよ!」
あーそうだね。
プルプルしたゼリー状のモンスターが目の前にいるね。
よく見れば周囲にはモンスターがあっちこっちにいるじゃないか。
レベル上げするにはうってつけの場所だな。
「じゃあこの辺でレベル上げするか」
「りょーかい!」
詩音を操縦席から降ろしていざレベル上げ。
とりあえず目の前のスライムは蹴ってみようか。
石ころを蹴るような感じで、こうバーッと。
「あれれ?」
レガルライゼファーの右足がスライムに当た……らなかった。
スライムのちょい上を掠める様に蹴っちゃった。
勢い余って転んでしまったよ。
失敗、失敗。
ははは。
「いてて……。これは練習しないと駄目だわ」
俺はレガルライゼファーを立ち上がらせると今度はスライムを踏みつけた。
これは当たるだろうと思ってたらスライムがピョンっと跳ねて躱しやがった。
どうして当たらないんですかねぇ……?
「お兄ちゃんなにやってるの……」
詩音は他のモンスターと戦いながら呆れてる。
やだ、そんな目でこっちを見ないで……。
「次こそ当てるぞ!」
もうなりふり構っていられねえ!
何としてもこのスライムを仕留めてやるぞ!
というわけでレガルライゼファーは四つん這いにして手で攻撃しましょうね。
「この、こいつめ。当たれ!当たれ!」
ベシベシと手で叩き潰そうとするんだけど全然当たらない。
おかしいなこのスライム動きが良すぎない?
こいつ普通のスライムだよね?
経験値がおいしい素早いスライムとかじゃないよね?
「そこだ!」
やった!
狙いすました渾身の一撃がスライムに決まったぞ!
「……やっと倒せたか」
スライムはレガルライゼファーの手の平で潰されて死んだ。
死んだモンスターは光の粒子になって消えていく。
ちょっと綺麗だとか思っちゃったのは内緒な。
「ふう、強敵だったわ。でも俺のレガルライゼファーの敵じゃなかったな」
さて、次の獲物はどいつだ?
この辺りのモンスターはみんなレガルライゼファーの餌食になってもらうぜ!
△ ▼ △ ▼ △
戦い始めて1時間くらい経ったかな。
レベル上げは順調に進んでいる。
俺も詩音もレベルは3になったよ。
「ほらほらどうしたー。そんな攻撃じゃレガルライゼファーは倒せないぞー」
俺は今何をしているのかというと蛇と戯れている。
ほら、動物園とかでやってるでしょ。
蛇を体に巻き付けてもらえるサービス。
あれみたいなもんだよ。
……蛇が巻き付いてるのはレガルライゼファーだけど。
「はい、時間切れー」
レガルライゼファーの体に巻き付いていた蛇とはここでお別れです。
この辺のモンスターはレガルライゼファーの攻撃なら瞬殺できるから楽だ。
「さて、次の相手はどこかな……ん?」
詩音が丘の上からこっちに手を振ってる。
こっちも手を振り返しておこう。
……うん、違うらしい。
こっちに来いって意味だったわ。
何のようですかねっと。
「どうしたんだ?」
「お兄ちゃんあそこ見て」
詩音が指差す方には木の柵で覆われた集落があった。
「あれがどうかしたのか?」
「あそこはゴブリンの集落なんだよ」
「へえーそうなんだ」
よく見てみれば確かに緑色の小さな人がちらほらと見えるな。
「あの集落を襲っちゃおう!経験値稼ぎにはちょうどいいんだよ!」
なんて過激なこと言い出すんだよこの妹は。
すごく楽しそうじゃないか。
よし、やろう!
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名前:カイト
レベル:3
体力:132
魔力:23
技力:38
ステータス
筋力:12(+5)
防御:12(+2)
魔力:11
敏捷:14
器用:22
幸運:14
ステータスポイント:10
装備
頭 【空欄】
体 【初心者の服(防御+1)】
腕1 【キーナイフ:レガルライゼファー(筋力+5)】
腕2 【キーナイフ:レガルライゼファー(筋力+5)】
足 【初心者の靴(防御+1)】
装飾品1 【空欄】
装飾品2 【空欄】
装飾品3 【空欄】
装飾品4 【空欄】
スキル
なし
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