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第22話 賞金欲しくてイベントに参加

 やってきましたイベント当日。

 この日のために色々準備をしてきましたよ。

 まず、装備を一新。

 初心者装備とはここでお別れしました。

 このイベントではレガルライゼファーが使えないからね。

 装備の更新は生死を分けるはずだ。

 次に、俺の引き撃ち戦法をより強固なものとすべくスキルを購入。

 習得したスキルは【ダッシュⅠ】だ。

 そして最後に、ステータスポイントを全部敏捷に注ぎ込んだ。

 これで俺の敏捷は3桁に突入した。

 今回のイベントは、レベルの上限が20までとなっているから、敏捷3桁の俺に追い付けるプレイヤーはそうはいないはずだ。

 これで俺は10位以内にランクインしてみせるぞ!


「お兄ちゃん気合入ってるね!私も気合が漲ってるんだよ!」

「そうみたいだな。ちょっと危ないから剣を振り回すのはやめようか」


 レイディールをブンブン振り回しているシオンは不審者だ。

 周りのプレイヤーが不審者を見る目でこっちを見てる……。


「シオンはやる気充分ね。私も気分が高揚してきたわ」

「そうみたいだな。ちょっと危ないから杖を振り回すのはやめようか」


 何でマリちゃんも不審者になってるんだよ。

 やだ、みんなこっち見てるぅ……。




『それでは、これより新人プレイヤー歓迎イベントを開催します!』




 おっ、頭の中にアナウンスが聞こえたぞ。

 どうやら、イベントの開始時間になったみたいだな。

 よかった……みんなこっち見るのをやめてくれた。




『ルールはとっても簡単です!プレイヤーの皆さんは段々狭くなる安全地帯で最後の1人になるまで戦い続けるだけ!制限時間は1時間です!上位10名には賞金が出ます!頑張ってください!』




 いや、ほんとに簡単なルールだな!?

 仮にも運営主催のイベントがこんな雑な感じでいいのか!?


「あっカウントダウンが始まったよ」

「今の内に準備しろってことでしょうね」


 さっきまではしゃいでいた2人が急に冷静になった。

 本気スイッチが入ったんだなきっと。


「お兄ちゃん」

「ん?なんだシオン」


 珍しくシオンが真剣な顔つきをしてる。

 なんだよ今から雪でも降るのかな?


「今回はお兄ちゃんとは敵同士になるんだよ」

「そういえばそうだな」

「戦場で出会ったらお互い容赦無しってことにしよう!」

「なんだよ。俺が上位にランクインするのが嫌なのか?」

「いや?全然大丈夫だよ?」

「じゃあ、なんで邪魔するんだよ。出会ったら共闘しようぜ」

「だって……邪魔した方が面白そうなんだもん!」

「えぇ……」


 笑顔でなんてこというんだよ。

 俺はこのイベントで賞金を手に入れないといけないんですけど。


「シオンがそうするなら私もカイトの邪魔をするわ」

「え?マリちゃんまでいきなり何言い出すの」

「ふふ……理由はシオンと同じよ。その方が面白そうだわ」


 なんてことだ。

 俺はこのイベントで孤立無援になってしまった。

 どうしてこうなった。

 俺の仲間がこんなに薄情だったなんて知らなかったぞ。


「そろそろ時間だよ!それじゃあ、お兄ちゃん戦場で会おう!なんだよ」

「私達に会うまで負けちゃ駄目よ」


 2人は俺に会う前に負ける可能性は考えないんですかね……?


「……お手柔らかに頼むぞ」


 そう言った瞬間、俺達は転移した。



△   ▼   △   ▼   △



 転移完了っと。

 さて、ここは一体どこだろうな?

 周りは木、木、木。

 木しかねえ!

 つまり森だここ!


「むっ、近くで落ち葉を踏みしめる音……そこだ!」


 俺はキーナイフを引き抜くと足音のした方へ向けて【かまいたち】を放った。


「うわっ」


 やったぜ。

 俺の【かまいたち】は近くにいた男性プレイヤーを斬った。

 真空の刃に斬られた男性プレイヤーは尻餅をつく。

 【かまいたち】は器用依存のスキルだ。

 なので俺の【かまいたち】は結構威力がある。


「この、やりやがったな!」


 男性プレイヤーはすぐさま立ち上がると反撃に移った。

 片手に剣を握り、俺を斬ろうと近付いてくる。


「まあ、近付くのは無理なんですけどね」


 俺は早速、新スキルの【ダッシュⅠ】を発動した。

 【ダッシュⅠ】は技力を消費して一定時間の間、走るスピードを速くする。

 元々敏捷3桁の俺はこのスキルを使うことで韋駄天となるのだ!


「あっ、くそ!あいつ、速すぎだろ!」


 男性プレイヤーの敏捷はそこまで高くはないようだ。

 装備の重量も足を引っ張り、走る速度は俺に遠く及ばない。


「別に倒す必要はないよな」


 【かまいたち】と【ダッシュⅠ】を発動する技力は限りがある。

 可能なら戦闘は避けるべきか。


「それじゃあ、さらばだー!」


 俺は男性プレイヤーの罵声を浴びながら森の奥へ逃げていった。

 この調子で上位を目指すぞ!





 ====================


 名前:カイト

 レベル:15

 体力:366

 魔力:39

 技力:160


 ステータス

 筋力:22(+5)

 防御:22(+10)

 魔力:19

 敏捷:90→105(+13)

 器用:78

 幸運:38

 ステータスポイント:15→0


 装備

 頭 【空欄】

 体 【レザージャケット(防御+7)】

 腕1 【キーナイフ:レガルライゼファー(筋力+5)】

 腕2 【キーナイフ:レガルライゼファー(筋力+5)】

 足 【丈夫なブーツ(防御+3 敏捷+3)】

 装飾品1 【風の指輪(敏捷+10)】

 装飾品2 【空欄】

 装飾品3 【空欄】

 装飾品4 【空欄】


 スキル

 【挑発】【強い者いじめ】【かまいたち】【ダッシュⅠ】


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