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第20話 名剣レイディール

 もう嫌になりますよー。

 硬い敵は面倒臭いだけじゃないですかー。

 運営はもうちょっと考えてモンスター作ってくれよなー。


「つ、疲れた……」

「お疲れなんだよー」

「お疲れさま」


 俺達は苦難苦闘の末にエンシェントゴーレムを倒すことができた。

 まあ、倒せたのは俺のレガルライゼファーの力があればこそなんだけどね。

 絶対ここのボスモンスター俺達のレベルじゃ倒せないって。


「あーあ、ボロボロだなぁ……」


 レガルライゼファーの体力ゲージは半分を切っていた。

 シオンとマリちゃんを守るために体を張ったのが原因だ。

 傷は男の子の勲章っていうけどさ。

 どうしようこれ……。

 鍛冶屋のおじいさんに修理のお値段聞くのが怖いんですけど……。


「お兄ちゃん!ゴーレムの心核あったよー!」


 そういえば、それを手に入れるために戦っていたんだっけ。

 とりあえず目標は達成だな。


「それじゃ、おじいさんの所に戻りますか」



△   ▼   △   ▼   △



「うむ。これは間違いなくエンシェントゴーレムの心核じゃな」


 そりゃそうでしょ。

 わざわざ獲ってきたんだから。

 ほら、そんなにまじまじと見る必要はないから早く剣を打ち直してよ。

 俺はイベントの先が気になってるんだからさ。


「おじいちゃん。カイト君が早く剣を直してくれって訴えているわ」


 リリアーナさんナイス!

 いいタイミングで言ってくれた!

 必死に目配りした甲斐があったってもんだ!


「む、そうじゃな。なら、剣を打ち直してくるから少し待っとれ」


 おじいさんはそう言うと部屋の奥にある工房へ向かった。

 これで俺とリリアーナさん2人だけの空間が完成だ。

 ……そう思うとなんだか、ドキドキしてきちゃったぞ。


「……それにしてもカイト君はすごいわね」

「へ?」


 いきなりすごいって言われちゃった。

 そうか、俺はすごいのか。

 そうじゃないかなって自分でも薄々感じていたんだよなぁ。

 ありがとうリリアーナさん。

 俺、自分に自信が持てそうだよ。


「だってカイト君は、あのエンシェントゴーレムを倒したんでしょう?」

「ええ、まあ」


 ……なんだ、すごいってあいつを倒したのがすごいって意味か。

 早とちりしちゃったよ。

 恥ずかしいじゃんか。


「あのゴーレムはカイト君みたいな駆け出しが相手をするには強すぎるわ」

「やっぱりそうですよね」

「カイト君は機械騎士乗りとして優れているのね」

「ふっ……そうでもあるかな」

「私、機械騎士を上手く操れる人って好きよ」

「えへへ。マジで?」


 あれ、これ咲いちゃう?

 俺の恋の花咲いちゃうの?

 こんなところで大人の階段を一歩登ることになるなんて思っていなかったぞ。


「うふふ。残念、今のは冗談よ」

「……マジで?」


 そんな……俺の恋の花、咲く前に枯れちゃったよ。

 くそ、純情な男の子の気持ちを弄ぶなんて!

 これが大人のやることかよぉ!


「がっかりさせちゃったかしら。ごめんなさいね」

「……いえ、そんなことはないですよ」


 こう言える俺は一歩大人に近付いたってことなんだろうか。

 うん、きっとそうだ。

 さらば子供時代。

 こんにちは大人時代。


「ほれ、打ち直ったぞ……何しとるんじゃい」

「いや、ちょっと大人時代に挨拶を……」


 おじいさんに変なところ見られちゃった。

 やだ、今回恥ずかしいことばっかりだ。


「おじいちゃん随分と念入りに打ってきたのね」

「……だから何だと言うんじゃ?」

「ふふ、カイト君は未来のお得意様だものね。つい、励んじゃったのよね」

「むう、おかしなことを言う孫じゃわい。適当な仕事はしたくないだけじゃ」

「そういうことにしておくわ」


 ……うーん。

 今のは何なんだ。

 おじいさんのツンデレとかいらないから。

 早く剣をくれ。


「ほれ、受け取れ」


 おじいさんから剣を返してもらった。

 ほう……こうして見ると結構立派な剣じゃないか。

 折れてた頃はみすぼらしい印象だったけど……。

 今見ると金細工とか施されてて、すごい高価な剣って感じ。


「じゃ、確かに受け取りました!」

「うふふ。また来てね」

「はーい!」


 元気よく返事をして俺は鍛冶屋を後にした。



△   ▼   △   ▼   △



「おーい!例の剣が直ったぞー!」


 俺は外で待ってもらっていたシオンとマリちゃんに出来上がった剣を見せた。


「高価そうな剣ね。この剣に名前あるの?」


 マリちゃんから質問をいただきました。

 質問にお答えします。


「名前?ちょっと待ってね……あー、あるよ。【名剣レイディール】だって」

「ふーん……」

「綺麗な剣なんだよ!」


 2人とも食い入るように剣――レイディールを見ている。

 苦労して手に入れたエンシェントゴーレムの心核で直した剣だもんね。

 気になって仕方ないのだろう。

 俺には解るぞ。


「……それで?イベントはどうなったの?」

「さあ?剣を直したからイベントは進行したはずだけど……」


 おかしいな。

 剣を直せば何か起きると思ったんだけどな。

 いや、気付いていないだけでもう起きてるのか?

 うーん?


「ちょっとどうなってるの?もしかして私達のやったことは無駄骨ってこと?」

「いやいや、無駄ってことはないよ!ほら、立派な剣は手元にあるわけだし」


 ……そうだ!

 剣を拾って打ち直すまでがイベントなんじゃないだろうか。

 イベントの報酬はこのレイディールなんだよ!


「分かったぞ!実はもうイベントは終了している!」

「な、なんだってー!」


 いいよシオン。

 そういうノリの良いところ好き。


「いきなり何言ってるのよ」


 よくないよマリちゃん。

 そういうノリの悪いところ嫌い。


「いいかいマリちゃん。イベントはすでに終わっていて、レイディールが報酬だと考えれば全ての辻褄がばっちり合うんだ」

「辻褄を必死に合わせようとしてるようにしか思えないんだけど?」


 うーん面倒臭い。

 シオンみたいに素直になってくれてもいいのよ?

 よし、こうなったら強硬策だ。


「……カイト?」

「辻褄合わせ完了!これで終了!終了でーす!」

「え?ちょっと」

「報酬のレイディールは素直なシオンにあげちゃいまーす!」

「やったー!ありがとうお兄ちゃん!」

「いや、カイト」

「さて、イベントも終わったことだし次は何しようかなー!」

「……はぁ。もういいわ」


 マリちゃんが納得したところで、イベントはちょっぴり謎を残して終わった。





 ====================


 名前:カイト

 レベル:15

 体力:366

 魔力:39

 技力:160


 ステータス

 筋力:22(+5)

 防御:22(+2)

 魔力:19

 敏捷:90

 器用:78

 幸運:38

 ステータスポイント:15


 装備

 頭 【空欄】

 体 【初心者の服(防御+1)】

 腕1 【キーナイフ:レガルライゼファー(筋力+5)】

 腕2 【キーナイフ:レガルライゼファー(筋力+5)】

 足 【初心者の靴(防御+1)】

 装飾品1 【空欄】

 装飾品2 【空欄】

 装飾品3 【空欄】

 装飾品4 【空欄】


 スキル

 【挑発】【強い者いじめ】【かまいたち】


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