第17話 鍛冶屋に尋ねる
燃え盛るゴブリンの集落を背景に俺は手に入れた剣を2人に見せていた。
「何この剣?折れてるよ?」
「カイトはこんなゴミを拾ってきてどうする気なの?」
シオンもマリちゃんも俺が拾ってきた剣を不思議がってるな。
まあ、いきなりこんな物を見せられたらそんな反応しちゃうよね。
「この剣はイベントアイテムなんだけど、どうしたらいいのか分からないんだ」
だから3人でどうするか考えましょう。
「うーん?どうすればいいんだろうね?」
「そのくらい自分で考えたら?」
2人とも必死に頭を悩ませてくれている。
ああ、良き妹と友達を持ったなー。
俺は嬉しいよ。
「あっ分かった!きっとこの剣を直せばイベントが進むんじゃないかな!」
「おっ、冴えてるなシオン。きっとそれだ」
シオンがそれっぽいこと言ってくれた。
たぶんそれが正解だ。
たぶんね。
確証なんてないけど。
「よし!じゃあ剣を直してくれそうな人に見せてみよう!」
△ ▼ △ ▼ △
「わしは機械騎士専門の鍛冶屋だと言ったはずじゃが……」
「知り合いの鍛冶屋はあなただけなんです!どうかお願いします!」
俺は鍛冶屋のおじいさん――リリアーナさんはおじいさんのことをセオドンって言ってたけど俺はこのままおじいさんでいくぜ――に直談判していた。
「今後も贔屓にするんで、どうか見てください!」
「はぁ……分かった。さっさと見せてみろ」
「やった!」
いやーおねだりしてみるもんだな。
ここ以外の鍛冶屋にいくのは面倒だったし、見てもらえてよかったわー。
「どうぞ。これが例の剣です」
「ふむ……む、これはまた珍しい剣を持ってきたな」
「え?この剣って珍しいの?」
「この剣にはエンシェントゴーレムの心核が使われておる」
「へーそうなんだ」
「もしこの剣を打ち直すつもりならエンシェントゴーレムの心核が必要になる」
「ふーん」
「エンシェントゴーレムは山にあるダンジョンにいると聞いたことがあるぞ」
「なるほど……山ね。じゃ、行ってきます」
「む、待て!エンシェントゴーレムは駆け出しのお前に倒せる相手では――」
おじいさんが道を示してくれたぜ。
目指すは山にあるというダンジョンだ。
おじいさんが何か言いかけていた気がするが気にしたら負けだな!