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第15話 戦い方を考える

 鍛冶屋のおじいさんのクエストをクリアしたら財布が温かくなった。

 やはり財布は熱々でずっしり重くないとな。


「さて、これから何をしようかなー」


 これからの予定は未定です。

 なので俺は町をぶらぶらすることにした。

 歩いていれば何かやることが思い浮かぶでしょきっと。


「いらっしゃいませー。スキルはいかがですかー」


 おや、NPCがお店の前で呼び込みしてる。

 このお店はプレイヤーが使うスキルの専門店みたいだな。


「スキルか……」


 そういえば、マリちゃんに生身での戦い方を考えろって宿題出されてたな。

 俺としてはレガルライゼファーで遊ぶことができればそれでいいんだけどね。

 でも新しい友達の言葉を蔑ろにするのは良くないよなぁ……。


「よし!決めた!」


 資金も潤沢にあることだし、ちょうどいいや。

 ここでスキルを覚えて生身でも戦えるようになろうっと。

 そういうわけで俺はスキル専門店の扉を叩いた。


「お邪魔しまーす」

「いらっしゃいませー」


 NPCの店員が出迎えてくれた。

 鍛冶屋のおじいさんみたいな強面の店員じゃなくてよかったぜ。

 あんな怖い人が出てきたら萎縮しちゃうからね。


「本日はどのようなスキルをお求めですか?」


 店員は俺にどんなスキルが欲しいか聞いてきた。


「……うーん?俺は何を求めているんだろうね?」


 思い付きでやってきたからノープランです。

 ファンタジーなゲームのプレイ歴2日の俺には何が良いのかさっぱりだぜ。

 一体どんなスキルを買えばいいんだろうか?


「もしかして、スキル選びにお困りでしょうか?」


 うーむ、ここはその道のプロである店員に聞いてみようか。

 餅は餅屋って言うし。


「そうなんですよ。何を買ったらいいのかさっぱりで……」

「お客様はスキルを使ってどんなことがしたいですか?」


 どんなことがしたいか。

 したいことは戦いだ。

 あ、でも戦うって言ってもなるべく相手には近寄りたくはないんだよね。

 この世界の凶悪なモンスター相手に正面から殴り合う自信なんて無いです。

 とするならば、俺がスキルでしたいことは……。


「えーっとそうですねぇ……敵に近付かずに自衛がしたいです」


 近寄ることなく敵をやっつける!

 これだ。

 これが俺のやりたい戦い方だ。


「お客様の武器は何でしょうか?」

「キーナイフです」

「そうですか……ふむ」


 あらら……店員考え込んじゃったよ。

 スキルはたくさんあるんだから1つくらい条件に合うのがあって欲しい。


「……でしたらこのスキルはどうでしょうか?」


 店員が近くの壁の巻物を引っぱり出して俺に見せてきた。

 巻物には【かまいたち】と書かれていた。


「これはどういうスキルなんですか?」

「【かまいたち】は技力を消費して発動するスキルです。遠距離にいる相手に真空の刃をぶつけることでダメージを与えることができます」


 ほう……このスキルがあればキーナイフでも遠距離攻撃ができるな。

 確かに注文した「敵に近付かずに自衛したい」という要望通りのスキルだ。


「……ん?待てよ。このスキルを使えば……」


 俺の脳味噌が良からぬことを考え始める。

 ふふふ、上手くはまってくれれば面白いことになりそうだ。

 あ、とりあえず【かまいたち】は買いまーす。



△   ▼   △   ▼   △



 準備ができたので実際に試してみよう。

 標的は草原に生息している狼だ。


「じゃあ、実験開始だ!」


 俺はキーナイフを構えると【かまいたち】を発動した。


「確か【かまいたち】は目標に向けて武器を振ればいいんだよな」


 物は試しだ。

 キーナイフを狼に向けて振ってみる。

 すると次の瞬間、真空の刃が狼を斬った。


「おお、ほんとに遠くの敵を斬れるんだな」


 感心していると狼が襲ってきた。

 攻撃されればそりゃ怒るよね。


「さーて、どっちが早いか競争だ!」


 これで俺の考えている戦法が通じるのかどうかが分かる!

 いざ、勝負!


「……よし!いけるぞ!」


 狼は俺を追いかけてくる。

 しかし、追い付けない。

 俺の方が狼よりも速いのだ。


「ははははは!ステータスポイントを全部、敏捷に振った甲斐があったな!」


 種明かししてしまえばなんてことはない。

 俺は貯めていたステータスポイントを全て敏捷に注ぎ込んだのだ。


「速い!俺は今、風になっている!」


 狼を振り切る勢いで走る俺。

 このまま駆け抜けてしまいたい……。

 が、ここはグッと気持ちを抑える。

 俺がしたいことは風になることじゃない。


「それ、もう一度ズバッと斬っちゃうぞ」


 俺は再使用できるようになった【かまいたち】を再び使う。

 真空の刃が狼の体力ゲージを削る。


「いいぞ!いいぞ!」


 こんな感じで狼が死ぬまで斬って走ってを繰り返すだけ。

 ね、簡単でしょ。

 そうだ、俺は狼に引き撃ちをしているのだ!


「おっ、倒せたな」


 何度目かの【かまいたち】で狼の体力ゲージは0になった。


「よっしゃ!引き撃ち戦法は使える!」


 思わずガッツポーズしちゃったよ。

 俺、生身でもちゃんと戦えるじゃないか。


「ん?シオンからメールだ」


 メールの内容は一緒に遊ぼうだって。

 ちょうどいいな。

 早速、俺の引き撃ち戦法を見せつけてやるぜ!





 ====================


 名前:カイト

 レベル:12

 体力:319

 魔力:38

 技力:132


 ステータス

 筋力:20(+5)

 防御:19(+2)

 魔力:17

 敏捷:30→85

 器用:64

 幸運:32

 ステータスポイント:55→0


 装備

 頭 【空欄】

 体 【初心者の服(防御+1)】

 腕1 【キーナイフ:レガルライゼファー(筋力+5)】

 腕2 【キーナイフ:レガルライゼファー(筋力+5)】

 足 【初心者の靴(防御+1)】

 装飾品1 【空欄】

 装飾品2 【空欄】

 装飾品3 【空欄】

 装飾品4 【空欄】


 スキル

 【挑発】【強い者いじめ】【かまいたち】


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