第14話 クエストを手伝ってもらう
今日も1日学校で頑張ってきましたよっと。
あー堅苦しい制服を脱ぎ捨てる快感はいつやっても飽きないな!
「さーて、ファンタジーなゲームを今日もやりましょう」
ヘルメット型ゲーム機を頭に被っていざゲームの世界に――Zzz。
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やってきましたゲームの世界。
じゃ、早速レガルライゼファーを受け取りに行きますか。
もう修理も終わってるだろうしね。
早く迎えに行ってあげないと。
きっとレガルライゼファーも寂しくしているに違いない。
そんなわけでおじいさんが営む鍛冶屋の前までやってきたのだ。
「こんにちは!レガルライゼファーを受け取りに来ました!」
勢いよくドアを開ける。
するとそこにはヒゲもじゃのおじいさんが――。
「あら、いらっしゃい」
あれ?
だれこの美人さん?
俺の記憶にあるおじいさんと乖離してる件について。
おじいさん整形でもした?
最近はプチ整形とか流行ってるからね。
おじいさんも整形すればこんな風に美人に……なるかよ!
だ、誰だよ一体この人は。
俺は人見知りするタイプなんだ。
いきなり知らない人と話すなんてできないよぉ……。
「えっと、あなたは誰ですか?」
「私はリリアーナ。ここで鍛冶屋をやってるおじいちゃん――セオドンの孫娘よ」
「あ、そうですか。俺はカイトって言います」
はい、俺嘘つきました。
別に人見知りじゃねえわ。
普通に話せるっての。
「機械騎士の修理は終わっているわ。持っていっていいわよ」
「やったぜ!じゃあお言葉に甘えて……」
そそくさと部屋の奥に置かれているレガルライゼファーを受け取る。
おじいさんは何か見覚えがあるようなトゲトゲとした機械騎士を修理してた。
レガルライゼファーを受け取った俺はリリアーナさんに挨拶してから外へ出た。
「さて、今日はまず投げ出していたクエストでも消化しますか」
そう言うと俺は町の外へ向けて歩き始めた。
△ ▼ △ ▼ △
「どっせい!」
俺は採掘マシーンだ!
採掘ポイントをひたすら掘るだけの機械だ!
「おっ、今回は鉄鉱石が2つも出た!」
ラッキーだぜ。
この調子で投げ出していたクエストを一気に終わらせるぞ。
「あの!すみません!」
「ん?」
つるはしを振り上げたその瞬間、後ろから声をかけられた。
穴掘りに集中してたから後ろに誰かいるなんて気が付かなかったぜ。
「俺に何か用?」
「えっと……昨日助けてくれた人ですよね?」
「昨日……ああ、あの時の」
思い出した。
昨日、トゲトゲ機械騎士に襲われていた着物&袴装備の女の子だ。
「ちゃんとお礼が言えていなかったので……町から追いかけてきたんです」
そりゃ律儀なことで。
「あの……昨日は助けてくれてありがとうございます!」
女の子は深く頭を下げた。
ふむ、悪い気はしないな。
そんないいってことよ、って感じで感謝の気持ちを受け取る。
「お礼に何か私にできることはないでしょうか?」
そんなお礼だなんて……。
俺はお礼欲しさに助けたわけじゃないんだけどなぁ……。
でも、せっかくのお心遣いだし貰っちゃおうかな。
それじゃあ、お礼はお金で――げふん、げふん。
お礼は体で払ってもらおうか。
「じゃあ、鉄鉱石を掘るのを手伝って」
そう言って女の子に予備のつるはしを渡す。
「分かりました!えっと――」
「そういえば名乗っていなかったな。俺の名前はカイトだよ。君の名前は?」
「あっ、私はワダエルコと言います」
「よしワダエルコ。一緒に頑張って鉄鉱石を掘ろう!」
「はい!」
2人でやったら作業量は2倍!
あっという間に鉄鉱石は集まって俺はクエストをクリアすることができました。
ありがとうワダエルコ!
君のことは忘れないよ!