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鎮魂歌 365詩集  作者: サボちゃん
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名前

人は私をこう呼びます

謙虚な人だと

いいえそれは違います

謙虚などではありません

ただ単に

自分に自信がないだけです

責任を取りたくないだけです

私はそうして生きてきました



人は俺をこう呼ぶ

傲慢な野郎だと

それは違うな

俺は自分に自信があるだけだ

それだけの努力もしてきた

どうして俺より努力してないやつの意見を聞かねばならない

俺はこれからも自分を信じていくだけだ



人は儂をこう呼ぶ

可哀想な人だと

それは違うわい

長年連れ添った妻に先立たれたときは確かに哀しかった

だが今は儂と妻の思い出を懐かしみながら過ごしている

息子夫婦や孫もいる

なにも可哀想ではないわい

むしろ幸せじゃ

婆さんや 見ているかい 

もう少しそちらに行くのは時間がかかりそうじゃよ



人は僕のことをこう呼びます

親切で優しい立派な子だと

ううんそれは違うよ

僕が親切にするとお父さんもお母さんも褒めてくれるからだよ

先生も褒めてくれるし近所の人も褒めてくれる

たくさん褒めてくれて評価も上がるんだ

だから親切にするんだよ

誰も見ていなかったらそんなこといちいちする訳ないじゃん

この世の中効率よく生きなきゃね



人は私をこう呼ぶの

親の愛情を知らない可哀想な子だって

こうも呼ばれます

君は自分をもっと愛しなさい

自虐的になるのはやめなさいって

そんなことないよ

お父さんが今どこにいるかお母さんは教えてくれないけど

でもお母さんはいつも家にいてくれている

ときどき夜になるとどっか行っちゃうけど

まわりの大人はお母さんのことをひどい人だって言うけど

みんなは知らないんだ

お母さんはときどきとっても優しく笑うんだ

その笑顔のためなら私はなんだって我慢できる

だから

ねえ

私から

お母さんを

奪わないで



人は僕をこう呼びます

残忍な人だと

それは違います

僕はそれが仕事だからです

ついこの間でしたか

貴女が虐待していた少女を保護しました

罵るならどうぞ それが親としての行いと思うなら

勝手に言っておけこのクソ野郎共

僕は虐待を許さない

残忍と呼ばれることで虐待されている子が救えるなら安いものだ

むしろもっと残忍になりたいくらいですよ



人は我をこう呼ぶ

冷酷な人だと

それがどうした

もはやこの腐り切った時代は生き抜くことさえ難しくなってしまった

他人に関わっている暇はない

我は我を保つので精一杯なのだ

他人の感傷で苦しむくらいなら

いっその事心をなくしてやろうか

その方が楽である

冷酷なのではない

ただ生きるのに必死なだけである



人は自分をこう呼びます

臆病者だと

確かにそうですね

自分は臆病者であります

何度も自分は馬鹿にされてきました

でも自分は臆病者でいいと思っています

今の世の中は危険で溢れています

道を歩けば車が

店にいけば強盗が

家にいれば泥棒が

通りを歩けば通り魔が

テレビを見れば殺人が

心を痛めると同時に恐ろしく怖いです

ネットを開けば死にたいと

高くから飛び降りたり

自分を傷つけて死んでしまいます

自分は死にたくありません

そんな勇気なら自分にはいらないです

僕はただ生きていたいだけ

僕はただの臆病者です



私達には決まった呼び名はありません

小さい頃から色々な呼び方をされてきました

小学生

中学生

高校生

オタク

フリーター

浪人生

大学生

精神障害

社会人

アルバイト

うつ病

政治家

政治犯

自殺志願者

不登校

いじめられっ子

いじめっ子

中卒

高卒

大卒

不良

世間知らず

礼儀知らず

最近の若者は

占い師

異端児

死にたがり

呼ばれ方をあげればきりがありません




人は言います

今の子達は恵まれた時代に生まれたと

確かに恵まれています

衣食住にも困らず

ネットという環境があり

少なくとも日本で戦争は起こっていません

日本という国はとても恵まれています

しかしよく考えると

物理的豊かさと精神的豊さは反比例していっているように思います

生きていくという中で日本という国は大変豊かです

しかし精神的豊かはないように思えます

むしろ昔に比べどんどん貧しくなっていっていると感じるのは私だけでしょうか



私たちにはたくさんの名前があります

時と場合によって変わったりします

時には悪意にみちた名前をつけられます

つけられた名前に一喜一憂します



ですが見失ってはいけません

貴方の名前は一つですよ

貴方が生まれたとき

初めてもらう大切な贈り物

様々な願いや思いが込められています

だから

他の人からどんな名前がつけられようと

自分を貫いてほしい

都合よく変わるような名前に負けないでほしい

貴方は貴方です

どうか貴方の行く末に幸多からんことを願っています


貴方の道は照らされている。

どんなに絶望が襲ってきても、灯火は貴方を導いてくれる

決して見失わないで

必ずそこにあるのだから

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