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料理に興味が一切ない俺が、味覚が狂った異世界に転生した  作者: 弐屋 丑二
ワールド料理カップ

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97/200

三回戦開始

そんなこんなで色々とありつつ

それから試合までの数日は、クェルサマンも交えて

次の試合に向けての対策を立てることになった。

三回戦の相手の情報も交え、あーだこーだと五人で話し合って

最終的な答えは、ペップが俺の周辺で防御

ファイナが防御魔法陣を描きつつ、透明な魔法生物を大量に

召喚して妨害。


ちなみにこの考えはクェルサマンがもたらしてくれた。

「防御魔法陣のスペルの中に気付かれないように

 召喚スペルを描き込んで

 透明なレイシーの群れを召喚すれば良いのでは?」

と言ったクェルサマンの言葉に

ファイナは唖然として

「そ、そんなやり方があったとは……でも確かに

 その複合魔法陣はわたくしならできますわ」

早速公園で描く練習を始めた。


そしてさらにピグナは全体の防御状況を

見守りつつ、防御の補助に入る

クェルサマンは最初から姿を消していて

相手の妨害工作をする。

そして俺は一人でひたすら不味い料理を作る。

という布陣である。


ファイナの複合魔法陣の練習もすっかり済み

相手の情報も全員の頭に叩き込んだ末に

三回戦の試合当日がやってきた。

次戦の相手は、ホンダラ村の村長と村の子供二名だ。

村と言っても、バルナングス共和国から

完全な自治権を獲得している

異様に強い村人たちが住む

超小規模な国みたいなものとのことだ。

長年の嘆願活動が実って

今年初出場だそうだ。


クェルサマンによると

「一切神も悪魔も加護についていません。

 それでこの順位ですから、つまり相当に

 三人のメンバーは実力と、妨害を切り抜ける

 勘の良さをもっているということです」

かなり手ごわい相手だと言うことは分かった。


控室で全員で作戦を確認していると

ピグナがポツリと

「ねぇ、あたしたち頑張って妨害と防御

 の作戦に熱中してきたけど

 よく考えたら、今回の試合って

 正攻法で料理を作って戦った方がいいよね?」

と呟いて、全員に衝撃が走る。


「確かにそうですな……妨害前提で

 戦おうとすること自体が間違いかも知れません」

相手には、神も悪魔も加護がついていない。

それに今回は事前に陰湿な妨害もなかった。

「様子を見たらどうかにゃ?

 向こうの妨害が無ければ、こっちも無しと言うことでにゃ」

ペップが提案してきて、全員で頷く。


そして試合開始の時刻となり

試合開始前の審判員たちに囲まれての主将同士の握手が

いつものように催される。

何の変哲もない使い古された布の服を着た

白髪の痩せた老人が、俺に手を伸ばしてきて

その手を握り返すと

「……正々堂々とやりましょうぞ」

とニヤリと笑って極僅かに俺の手を捻ってきた。

気のせいかくらいの僅かさなので、

そのまま流して、老人に頷いて、俺たちは手を離す。


そして試合開始が宣言されて

俺は自分のチームが待つ料理窯と調理器具が設置されている

場所へと駆けて戻っていくが

何か身体の調子がおかしい。

仲間たちは相手の様子を伺っているので

いつものように、一人でテーブルに食材と

器具を並べて、料理を始めようとすると

いきなり身体が、グキッと折れ曲がって

その場に倒れ込んだ。


「ごっ、ゴルダブル!?」

仲間たちが駆け寄ってくるが俺は立てない。

ピグナは真っ青な顔をして慌てている。

「……な、何かおかしいぞ」

近くから透明になっているクェルサマンの声で

「……やられましたね。身体の気穴を捻じ曲げられています。

 握手の時に何かやられましたか?」

「ちょっと、ひねられたような感じがした」


「ああ、それですね。達人が強い気を送り込んで

 ゴルダブルさんの生態バランスを一時的に乱したのです。

 恐らくは制限時間中は動けないはずです」

「どっ、どうすればいいにゃ!?」

「我々で料理をするしかありません。

 ファイナさんは防御魔法陣をかいてください。

 ペップさんはピグナさんと共に料理を」

「う、うん……」

ピグナはアタフタしながらペップと調理を始めた。


透明になって見守っていたクェルサマンの

冷静な機転でどうにかなったが

先行き不安である。

相手がまた何か仕掛けてこなければいいが

俺はその場に横たわって、とりあえず

試合の行方を見守るしかない。

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