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料理に興味が一切ない俺が、味覚が狂った異世界に転生した  作者: 弐屋 中二
ワールド料理カップへ向けて

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89/200

事前準備開始

風呂に入って宿に帰ると

全員部屋に戻っていた。

「昨日まで酷かったね……」

ピグナがようやく弱音を吐く。

ペップは悟り切った目で

「ハイキャッター拳の極意を掴んだ気がするにゃ……」

などとわけのわからないことを言っている。

ファイナは黙ったままだ。


「とにかく、次の作戦に進む時が来たよ。

 参加権は手に入ったから

 今度は対戦相手の情報収集でしょ」

全員戸惑いながら頷く。

正直筋肉痛でそれどころではない。

数日休みたいのである。


ピグナは億劫そうに立ち上がると

「じゃ、じゃあ私が一人で……」

と言って出て行こうとして、全員から止められる。

「み、みんな……」

ここまで来たら一蓮托生である。

全員で覚悟を決めて、軽食を取ってから

宿を出ていく。


ピグナの指示でホテルの前で

出場チームのメンバーを出待ちしたり

本などを買って情報収集したり

さらにワールド料理カップのマニアたちの

集会に潜入したりなどして

三日ほど必死に情報収集した俺たちは

再び宿泊室で集まる。


「よし、次は作戦を立てよう。

 どんな相手が来てもいいようにね」

全員でアイデアを出し合って

勝つための作戦を立てていく。

ワールド料理カップは、巨大な競技場の中心で

チーム対チームで料理対決をするらしい。

その模様はなんと、カメラによって

帝都内各所の巨大映像スクリーンに

映し出されるようだ。


「古代技術の応用らしいよ」

ピグナはそう言って、要注意チームを幾つか挙げてくる。

それらの問題は、料理の腕よりも

守護している悪魔や天使や神が

強力すぎることらしい。


「気づかないうちに不運続きで負けることもあるくらい

 さりげなく手を出してくると思う」

「どうしたら防げますの?」

「ゴルダブルを使うしかないね」

「どういうことだ?」


「食王候補のゴルダブルには魔法が効かないのは

 知ってるでしょ?それは天使や悪魔の妨害魔法も

 同じなんだよ。だからつまり

 私たちは試合が始まったら、一切手を出さずに

 ゴルダブルが一人で造り続ければ、たぶん

 妨害は一切できないと思う」


「え、それじゃ……今回の大会は」

「うん。私たちは近くに居るだけだね。

 ゴルダブルが一人ですべてやる」

「もちろん料理のアイデアとかは出すんだにゃ?」

「それはいいけど、味見とかは止めた方が良いね」

「味見まで俺がするのか……」

つまり吐きそうな料理を作って、吐きそうな味を味見して

吐きそうになるということである。


「それしか手は無いのか?」

「残念ながら私の力は本当に強い神や悪魔には勝てない。

 だから中途半端に手を出さない方が良いと思う」

「私は物理で、ファイナちゃんは魔法が強いけど

 戦いじゃないにゃ」

「……分かった。じゃあ、せめて

 試合で造る料理レパートリーを練習したい」

皆が頷いたので、宿の調理場を借りて

不味い料理を作る猛特訓が始まった。


味見で何度吐きそうになって

トイレに駆け込んだかわからない。

しかし本番ではファイナを使えないのである。

やるしかない。と思いながら

四人で必死に考えた。

この世のものとは思えないヤバい料理の数々を

モノにしていく。

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