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料理に興味が一切ない俺が、味覚が狂った異世界に転生した  作者: 弐屋 中二
ワールド料理カップへ向けて

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上手くいかない理由

今夜の泊まる場所がないので

宿を探す。バムには鉱石、他の仲間には軽い荷物をそれぞれ任して

俺が気絶しているマクネルファーを背負っていく。

重い。しかしよく考えれば

定期的に研究所を爆発炎上させていた爺さんなんだよな。

切羽詰まってこういう行動を起こすと

予想していなかった俺たちも悪かったかもしれない。

祭りに二週間もかまけて、マクネルファーを

酒浸りにさせていた。


ピグナが空いている宿を探し出してくれて

宿泊室を三つとって、それぞれ入る。

俺はマクネルファーと二人部屋だ。

ベッドに寝かせた爺さんを眺めながら

これからどうするか考えていると

ピグナとバムが部屋へと入ってきた。


「ピグナさんが言いたいことがあるそうです」

二人とも真剣な顔をしているので

これは聞かないといけないとそちらへと向くと

「ゴルダブル。ねぇ、バムちゃんにも話したんだけど

 あんたたちって、実は今まで一度も

 料理大会とかの、食王に関係することで

 上手くいったことないんじゃない?」


「……?どういうことだ?」

「ほら、ゴルダブル様、料理大会や

 マクネルファーさんの機械造りまで

 味覚に関わるようなことは、上手くいってませんよね?」

「でも、ミチャンポと漁師連合国の戦いは収めたぞ?」

「あれは根本的な解決にはなってないでしょ?」

ピグナが真面目な顔で言ってくる。

確かによく考えれば、争いが無くなっただけで

両国の味覚の違いははそのままだ。


「確かに……」

「つまり言いたいことは、前食王の使役する強力な悪魔か神が

 気づかれないように、邪魔をしてる可能性が

 あるんだけど……」

「……それ、やばくないか?」

最初から目を付けられていたということなのか。


バムが心配そうな顔で

「そ、それってつまり、存在が大きすぎて

 私たちが分からないくらいの……」

「その可能性が高いね……私なんか相手にされないレベルの

 存在が前食王を守っている気がする」

ピグナは悔しそうな顔で言う。


「ずっと見られていたのか?」

バムは俯いて、ピグナは頷いた。

本当だったら気味が悪い話だ。

よく分からないところから監視され続けていたことになる。

どことなく浮かないバムの表情もよく分かる。


だが、俺はこんなところで

へこたれるわけにはいかない。

この狂った世界の味覚を変えるために

食王になるのだ。マサカの街で毒のような

腐った魚を食べていた住人たちを見て心にそう決めた。


「……それでも、食王になりたい。

 どうしたらいいと思う?」

「ワールド料理カップの開催場所に行くしかないと思う」

ピグナが真面目な顔で提案してくる。

つまりは、もう無資格で大会に押しかけるということだ。


「出たとこ勝負になりますが……」

バムが、心配そうに尋ねてくるが

ピグナが久々にニヤリと笑い

「そうでもないよ。やりようはある」

と言ってハッとしまった!という感じの顔で背後を見た。

部屋の開いたドアの外ではペップが両耳をピクピクさせて

「やった!」と言った喜色満面な顔で両手を広げ

こちょぐる準備をしていた。

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