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料理に興味が一切ない俺が、味覚が狂った異世界に転生した  作者: 弐屋 中二
ミチャンポ王国、漁師連合国の諍い

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虹色の竜

王の案内でミチャンポの街東にある森の広場へと

降り立ったという、竜の親子たちの場所へと

俺たちは歩いていく。

ペップは事あるごとに王に喧嘩を売ろうとするので

間にバムと俺が挟まる形で進んで行く。


森の奥の開けた場所に入ると

丸まって寝そべっている真っ青な竜とその竜の腹の辺りに

体長三メートルほどの子供の竜が共に横に伏せて眠っていた。

子竜を見た途端、全員が驚きの声を上げる。

その形状は親の竜にそっくりだが

全身の鱗が虹色なのだ。それが太陽の光に反射して

プリズムの様に輝いている。


ファイナが頬を紅潮させて歩み寄り

「あなた!私のものになりなさい!」

といきなり子竜に向かって頼むと、

目を瞑っていた親の方が気づいて、大きな両目で俺を見て

「ああ、来てくれたのか。良かった。

 この子に海の幸を食べさせてあげたいと思っててね」

いきなり頼みごとをしてきた。

前回のお礼は覚えているのか、いないのか

二の次の様である。


「さ、魚とかですか?」

俺が戸惑いながら答えると、親竜は目で頷き

「そうだ。この辺りのものはとても美味しいと記憶している。

 君たちになら、この子の満足するものを作って貰えるはずだ」

俺は少し考えてから、あることをふと思い付き

「近くの街の港まで、俺たちを乗せて言って貰えませんか?」


竜は子竜を優しく突いて起こす。

「坊や。行くよ。美味しい魚料理を食べよう」

虹色の子竜は嬉しそうに起きて、

親に身体を擦りつけて甘える。

ファイナがそれを悔しそうに見て

「んぐぐ……わたくしは、眼中にないのですね……」

バムに背中を叩かれて、慰められている。

「んむー虹竜がこんなとこで生まれていたのか……」

ピグナはずっとこんな調子で、考え込んでいた。


竜の背中に乗って、俺たち五人と

ミチャンポ王の六人で宙から漁師連合国の

マサカの街へと近づいていく。

その後ろには、虹色の子竜がかわいらしい表情で

翼を羽ばたかせてついていきている。


竜に戦を頼むつもりだったはずの

ミチャンポ王はずっと黙り込んでいる。

ペップも同じである。

あとは俺の目論見が上手く行ってくれると

助かるが。


瞬く間に俺たちが乗る青竜は

マサカの街上空へとたどり着いて

港にゆっくりと降りていく。

港の人々は、突如現れた竜に指さして

口々に驚いているのがよく見える。

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