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料理に興味が一切ない俺が、味覚が狂った異世界に転生した  作者: 弐屋 中二
ミチャンポ王国、漁師連合国の諍い

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さらなる作戦

屋敷に戻り、広い食堂で歓待を受けている。

嬉しそうなヌーングサーから、物凄く不味そうな料理の数々を出されて

困惑していると、隣に座ったピグナが

「食べてるって幻覚、今から見せとくから心配しないで」

楽しそうに呟いた。


「うまいか!?」

嬉しそうに尋ねてくるヌーングサーに

「うまいっすね……」

何とかそう返すと、豪快に笑い返されて

「そうだろ!このマサカの街一番の料理だ!」

目の前に並んでいるのは、紫色とか緑のカビが生えた魚と

コップの中、冷たい水に浮かぶパン切れである。辛い。


「いや、しかし君……確かゴルダブルと言ったな。

 君は凄まじいな。その能力があればどこでも

 やっていけるだろうに、何故、ピグナ殿の従者を?」

すぐにピグナが耳元で

「ああ、こいつには、あたしがメインで全員従者って言う設定にしてるから」


「えっと、まあ色々あったんですよ」

「そうか……さすがじゃ。ピグナ殿もただ者ではないと思ったが

 従者の君もそうか……」

ヌーングサーは満足そうに頷いて

「踊り子を!」

食堂にゾロゾロと透けた服を着たセクシーな

お姉さんたちが入ってきて、妖し気に踊りだした。


ピグナが小声で

「バムちゃんも、ファイナも居ないから楽しんでいいのよ?」

悪魔のささやきをかましてくるが

俺は鉄の忍耐力で、踊り子たちを見ないように努めた。

一夜を共にしたバムを裏切れないというか。

いや、何もしてないけど……。彼女かすらあやふやだけど……。

とにかく見ないようにしたのだ。見たかったけどな!ちくしょう……。


ようやく踊り子たちが去ると、満足した顔のヌーングサーが

「しばらく、うちの街に雇われないか?」

と言い出して、俺が答える間も無くピグナが

「はいはーい、良いですよー。本国にもそう伝えておきますねー」

バルナングスの諜報員と言う設定上のことだろう。


何とか歓待を切り抜けて、宿泊室へと戻ると

ドッと疲れが出てきた。

「一緒にお風呂入らない?」

とピグナが誘ってくるが、断わって一人で入りに行く。

広い大理石の風呂場へと入り、身体を洗って湯船に浸かっていると


「ばあ!」

水の中からいきなりピグナが出てきた。

「……結局来たんだな」

「うん。ちょっと話さない?今後の計画について」

「計画を話すだけで頼む……」


「えっと、ミチャンポでもペップたちが

 信頼を得たので、あとはそれぞれの国を

 乗っ取るだけなんだけど、どうしたい?毒殺する?」

「いや、それはやめような」

「じゃあ、次の戦で両方の長には

 不慮の事故で大怪我を負ってもらうか」

「それも却下で」


「えっとじゃあ、次の紛争が始まった時に腹痛で動けずに

 代わりにゴルダブルたちが出て行って……」

「他に手は無いのかよ……」

ロクでもない方法ばかりである。それに俺は

紛争を解決して、料理大会にこの地域の代表として

出場したいだけで、国を乗っ取ろうとは思っていない。


ピグナはしばらく考えて

「あ、あった。悪魔センサーで今調べたら

 ヌーングサーの娘が、毒の許容量を超えてて

 余命僅かだわ。それを救って、長を譲ってもらおう」

「いや、長はいいから、料理大会の代表にな……」


「そのためには二か国の合併が必要だって。

 このままじゃ小国過ぎて、加盟しようにも国際料理連盟に相手にされないよ」

「……とにかく、娘さんは助けよう」

「そうだね。あ、ちょっと揉んでく?いいよ?」

胸を突き出してこようとしたピグナをサッと避けて

全速力で湯船から上がり、身体を拭いて脱衣場へと逃げていく。

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