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料理に興味が一切ない俺が、味覚が狂った異世界に転生した  作者: 弐屋 中二
ミチャンポ王国、漁師連合国の諍い

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48/200

作戦

そのまま俺たちは何故か屋敷に泊まることになった。

夕食をご馳走してくれるというので

ピグナとファイナが行くことになった。

俺たちは、宿泊室で待機である。


残った三人で作り置きを食べながら

テーブルを囲んでいると

「にゃ、にゃんか、大丈夫にゃのか?」

ペップが不安げに言ってくる。

「もう少し、様子を見ましょう」

「そうだな、何をピグナが企んでいるか

 まだわからないし」


雑談しながら待っていると

テカテカした顔のファイナと、ゲッソリしたピグナが

部屋へと戻ってきた。

「おいしかったですわ!熟した魚のさしみ!」

「いや、グロテスクな腐敗物の陳列だった……」

ピグナはそう言うとベッドに倒れ込む。


ファイナは嬉しそうに

「お風呂があるそうですわよ!」

とバムとペップを誘って出ていった。

ベッドからむくりと起き上がったファイナが

「で、私がした話なんだけど」

俺の方を見て言ってくる。


「バルナングス共和国の調査員を装って

 紛争をけしかけた」

「マジか……」

「で、たぶん、こっちとむこうのリーダーが対決するから

 どっちかに加勢したら、乗っ取るきっかけになるよ」


「……どっちかとか言ってるが、ペップは

 ミチャンポ王国側につくだろ?」

「うん、だからね、二手に別れたら面白いと思うんだ。

 ファイナはミチャンポ、あんたはこっち。

 そうすると、ファイナの恐ろしい魔法を容赦なく

 あんたに使うことが出来る」


「ああ……壮絶に戦うふりをしろと……」

「そういうこと、それで信頼を勝ち得て、両陣営に食い込んで

 上手い事コントロールできれば、両方を得ることも

 可能なわけ」

「あくどいことはやらないが、紛争解決になるなら

 それを試してみてもいいけどな」


ピグナは嬉しそうな顔をして

「やった!じゃあ、そういうことで!」

俺に抱きつこうとして、寸前でやめた。

「あぶないあぶない。悪魔が人に好意を抱いたらダメだ」

「……とりあえず、話しておいてくれ」

俺はベッドに横たわって寝ようとする。

ちょっと疲れた。

「うん。任せといて」

ピグナは微笑んだ。


翌日目を覚ますと、俺は何故か床で寝袋で寝ていた。

「あ、起きたにゃ。昨日は女子四人で色々濃い話したにゃよ」

テーブルに座って、漬物を齧っていたペップが声をかけてくる。

「そ、そう……」

とりあえず朝食にしようと、作り置きを食べていると

バム達が部屋に入ってきて、朝の挨拶を交わした後に

「ピグナさんから昨日聞きました。

 良い話だと思います」


「わたくしは反対したのですが……」

ファイナは俺を見て不満そうに言ってくる。

「ファイナちゃん、ゴルダブルと離れたくないにゃ」

ファイナは真っ赤になって俯く。

「まあ、でもこの話は、そこが核だからねー。

 あたしが説得しといたよ」


あとから入ってきたピグナが微笑む。

その後、全員で作戦を話合って

俺とピグナが漁師連合国について

ファイナとバムとペップはミチャンポ王国側と言うことになった。

というか、もうなっていた。俺は作戦を聞いただけである。

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