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料理に興味が一切ない俺が、味覚が狂った異世界に転生した  作者: 弐屋 中二
ミチャンポ王国、漁師連合国の諍い

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バムの悩み

食べ物を作って戻ってきたバムにピグナの

提案を話すと

「うーん……正直、他国に干渉するのは賛同できませんが……。

 ただ、紛争を解決できて、その結果……料理大会への参加が

 再び可能になるのなら……しかし……」

ピグナはじれったそうに


「バムちゃんって、皮パンと皮ブラだけで外出歩けるのに

 慎重すぎない?」

バムはいきなり真っ赤になって

「ち、ちが……これはうちの村の民族衣装で……」

「ほんとは、そろそろ、ちょっと恥ずかしいんでしょ?

 スカート履いてもいいのよ?ホレホレ」


バムはピグナの背中などを人差し指で突っついて

遊び始めた。バムはその手を振り払うと

「……と、とにかく慎重に事を見極めてくださいっ」

と言うと、耳まで真っ赤にして外へと走って行った。

ああ、バムはあれがずっと普通だったから気づかなかったが

確かに、殆どずっと水着姿みたいなもんだよな……。


やばい!そう思うと、ちょっと興奮してきた!

ピグナがニヤニヤしてきて

「すっごい、羞恥プレイだよねー」

と近づいてきて、我に返る。いかんいかん、悪魔に操られていたようだ……。

一度、咳払いをして

「そんなことはいいから、とにかく食べるぞ」

「はーい。あー面白かった」


その後、自分たちが食べ終わり、起こしたファイナ用に作った

不味い料理を彼女に食べさせつつ

バムが戻るのを待っていると、なんと洋服姿の彼女が

戻って来たではないか。

「あ、あの……似合ってますか?」

俺は無言で縦に何度も首を振る。かわいい。


「いーえ、野生児のバムさんは洋服など似合いません」

「そうだねー。やっぱり密かに芽生えてきた羞恥心に打ち震え続けよう」

女子二人は首を横に振って反対してくる。

「……」

バムが悲し気に俯いて部屋を出ようとしたとき


ガラっと宿泊室の窓が開いて

「ふぃーポリスは苦手だにゃ……」

いきなりペップが戻ってきた。そしてバムを見て

「……違うにゃ……そうじゃないにゃ……」

いきなりその洋服を脱がし始めた。そして再び

皮パン皮ブラのみの姿になったバムを


「服装、よし!」

と右足を上げて、両手で指さした謎のポーズをバムに向けると

「まあ、そんなことはいいんにゃ。拘置所から脱走してきたにゃ」

俺たちに向けていきなり言ってくる。

わざわざ戻ってきたようだ。


さっそくテーブルの上のに残された俺たち用の食べ物を食べて

満腹になったペップにピグナがニヤニヤしながら

先ほどの計画を話すと、嫌そうに首を横に振り

「王はあのゴリマッチョでいいにゃ……」

「ちょっと向上心足らないんじゃないのー?」

「そうですわ!我らの覇道のために王になるのです!」

洋服をはがされたバムはさっきから

俺の後ろに座って、隠れるように食べている。


「それよりも思いついたにゃ!漁師連合国を見にいかにゃいか?」


「危険じゃないのか?」

と俺が言うと、ペップは首を横に振り

「私は人間のふりをするにゃ。それであんたらは人間だから

 楽勝で見てまわれるはずだにゃ」

「ペップさん、わたくしはエルフですのよ?人間ではありません」

ペップは驚いた顔をして、ファイナの金髪を触って

その中に隠された上に尖った耳を見ると


「そうだったにゃ!?ま、まさかバムちゃんも!?」

といきなり俺の後ろに居るバムの、皮パンツの後部をまさぐり始めた。

「ちょ、ちょっとやめてください!」

怒ったバムに背後から羽交い絞めにされて

「ご、ごめんにゃ……あんまりワイルドだから

 実はハイキャッターの尻尾があるかと……」


衝撃を受けた顔のバムは羽交い絞めを力なく解くと

「……いいんです……どうせ、私は洋服の似合わないワイルドな野生児です……」

フラフラと部屋の外へと出ていった。

慌てて俺は追いかける。


宿屋の裏で膝を抱えているバムを見つけたので

「そ、そんなに気にすることはないよ。

 俺はバムの洋服、かわいいと思ったし……」

と声をかけると、バムはいきなり俺に抱きついてきた。

ドキドキしていると

「ゴルダブル様……私、どうしたらいいんでしょうか」


「……バムはどんな格好でもバムだし、大丈夫だよ」

「ゴルダブル様……」

やばい!きたああああああああああああああああ!

こ、これは来ただろ!さすがに今回ばかりはキスくらいは……。

とチラッと出てきた宿屋の裏口を見ると

しっかりと残り三人の女子の顔がのぞいていて

抱き合った俺たちを見つめている。

ファイナはちょっと膨れた怒り顔だ。


「……」

しばらく性欲と戦ったあげくに

「……バム、戻ろう……みんなも心配して来てくれてるよ」

と言うと、バムはニコッと笑って頷いた。

俺は心の中で血の涙を流しながら

平静を装って、裏口から出てきた三人と共に部屋まで

みんなで戻っていく。

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