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料理に興味が一切ない俺が、味覚が狂った異世界に転生した  作者: 弐屋 中二
脱走~バルナングス共和国編

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再召喚

「いや、冥界に帰れ」

と即座に俺が言うと、ピグナは顔を横に向け。

「やーだね。あたしをコケにしてくれたから

 こうなったら、悪魔のありがたみが分かるまで

 付きまとってやることにした!」

犬歯を見せながら、顔を顰めて言ってくるピグナは

どうやら本気のようだ。


マクネルファーが苦笑いしながら

「契約があるんじゃろ?

 それが過ぎたら居られんのじゃないかね?」

ピグナはニヤニヤしながら

「ラスネルはもう支配下に置いたから

 寿命奪い放題だよ。それを依り代にして

 こっちの世界に存在してやる」


バムは冷静な顔で

「ファイナさん、今すぐ契約解除してください。

 できるはずです」

「そ、そうですわね。ピグナ!召喚者の私が命ずる

 冥界へと帰りなさい!」

立ちあがったファイナが両手で呪印を組みながら

ピグナをビシッと指さすが、まったく効いていない。


「ファイナ、あんた、そもそも私を

 曖昧な目的で呼び出したでしょ?

 だから、私も行動制限かかってなくてわりと融通効くわけ。

 次からは気を付けなよー?気軽に悪魔を呼び出すと

 こうなるよー?」

ピグナは思いっきり舌を出してくる。


マクネルファーがため息を吐きながら

「せめて、依り代をラスネルではなく

 別の何かに変えられんのかね?

 もっと生命力の強い……」

バムもファイナもマクネルファーと共に俺を見てくる。

「い、いや待て。待て待て待て待て。

 俺はダメでしょうよ。貧弱だぞ」


慌てて服の袖をまくって見せるが

ピグナは俺の近くににじり寄ってきて

「そっかあ。次期食王候補だから

 よく考えれば、あんた、私がいくら

 貪っても大丈夫かぁ。そうかぁ気づかなかったなぁ」

やばい。この展開はやばい。


バムに目で助けを求めると

「……本当に食王様ならば、問題ないのですか?」

ピグナは頷いて


「うん。こいつね、時間が止まってるんだよ。

 だから、そもそも減る生命力が無いの。

 依り代としては最適だね」


「じっ、時間が止まって何かいないんだが……」

確かに髪はずっと伸びていないような気がするが

息もしているし、腹も空く。味覚も痛みもある。

しかしバムは決意した顔で

「よし、今すぐゴルダブル様を依り代に

 再召喚されてください!ファイナさん!

 地下室へ行きますよ!」


気付いたら俺はバムに抱えられて

みんなと建物の地下室へと向かっていた。

「あのー。俺の意思は……」

「これが最善だと思います。ゴルダブル様なら

 悪魔の一匹程度、抱えられるはずです」

「いや、どうかと思うけどな……」


反論する暇もないままに

俺はファイナが数日前に床に描いたままの

魔法陣の上へと立たせられて、気づいたら

ファイナに近くから呪文を唱えられていた。

「目的は食王の支援で、期限は無期限で頼むよー」

ピグナはのん気に、言ってくる。


「よし、出来ましたわ!

 悪魔ピグナよ!一度冥界へと戻り、今再び

 地上へと現れなさい!」

ポンッという音と共に、ピグナが消えて

再び魔法陣の上というか、俺の隣に現れた。


何と今度は、全身が肌色で

髪の毛は銀髪である。

身体にはしっかり真っ赤なパンツブラを着用している。

ファイナは気にせずに

「ピグナよ!食王ゴルダブル様の力を依り代に

 永久にゴルダブル様のサポートをするように命ずる!」


ピグナはニヤリと笑って

「承りました。食王様、以後よろしく」

俺に手を出してくる。

仕方なくその手を握ると魔法陣の発光は消えて

すっかり色の変わったピグナが

「いいでしょ?身体も人間のと同じにした」


ずっと腕を組んで黙って見ていた

マクネルファーが歩み寄ってきて

「ちょっと、詳しく聞かせて貰えんかの?

 悪魔の生体に興味が出て来たんでな」

「いいよー。話せることは話すね」

二人は地下室を去って行く。


俺は呆然としながらバムとファイナに

「これで、良かったんだよな……?」

バムは無理をして強く頷いて、ファイナは

「良いに決まってますわ!我々は覇道を歩んでいるのです」

無理やり強がっていた。

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