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料理に興味が一切ない俺が、味覚が狂った異世界に転生した  作者: 弐屋 丑二
脱走~バルナングス共和国編

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ミルバス料理大会開始

一階の応接間で、低いテーブルを挟んで

俺たちは、黒い皮ジャケット姿の市からの調査員たちと向き合う。

その片方の黒ぶち眼鏡で七三分けの、痩せた男は

「で、君たちがどういう経緯で

 この建物を接収したのか、正直に話して貰いたい」


その隣の太った人の好さそうな中年の男は

「いや、大事にする気は無いんだ。

 魔法ギルドの連中が泣きついてきてね。

 我々も彼らの無法ぶりには手を焼いていたので

 壊滅してくれて、むしろ助かっているんだよ」


警戒している俺たちを宥めるように言ってくる。

俺は正直に、自分の仲間が誘拐されたので

逆に襲撃をして、取り返しにいったら

仲間が流れで、建物を取ってしまったと言う。

黒ぶち眼鏡の男は気難しい顔で


「正直、問題は多々あるが。良いだろう。

 市にはこの問題には関与しないようにと伝えておく。

 魔法ギルドの連中が、今後、再襲撃をしかけてくるかもしれないが

 その時も、市は助けはしない。それでいいなら不問に付そう」

マクネルファーと俺が、即座に同意すると

二人は、すばやく玄関から外へと出ていった。

「……何とかなったのう……」

「よかった……」

二人でホッと一息を吐く。


その後、数日後の料理大会当日まで

とくに揉め事も無く、俺たちは新マクネルファー研究所で

結構、気ままに過ごしていた。

ちなみに竜から恩返しの連絡もなかった。

大会へのエントリーは昨日済まして

事前情報も収集して、一応、作戦もたてた。


今回、メインで料理を作るのはなんとファイナである。

俺たちが補助をしつつ、ファイナに全力で

自分が美味いと思ったものを創ってもらう。

つまり絶対に、とてつもなく不味いものができあがるが

俺とバムは良心が痛まないということで

その作戦を採用した。ファイナはやる気満々である。


マクネルファーはまだ研究があるらしく

決勝まで進んだら、見に行くと言ってくれた。

俺たちは、大会初日の朝

勇んで、市内の競技場へと向かう。

コロシアムと言うか、陸上競技場のような

楕円形の競技場の中心部の舞台で

今回は料理をつくるらしい。


そうこうしているうちに初戦が始まって

さっそく、ファイナが料理を造り出した。

多数のグループが舞台で同時に料理を作っているので

持ち時間は一時間ほどある。


言われるままに焦げるまで焼いたり

水に浸したりしていると

見る間に、おぞましい灰色の何かが出来上がり

ファイナは、ドヤ顔で

「できましたわ!」


俺たちに試食を勧めてくるが

二人で丁重にお断りして、審査員たちの審査を待つ。

そして審査もあっさりと通り

俺たちは、二回戦進出となった。


さらに昼前の二回戦、午後の三回戦もあっさりと

ファイナの料理で突破していく。

次第に鼻高々になっていくファイナが

「私、お料理も才能あったのですね!」

と言ってくるが、二人で一応頷くだけにしておく。

幸いなことに、誘拐されたトラウマはないようだ。

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