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料理に興味が一切ない俺が、味覚が狂った異世界に転生した  作者: 弐屋 丑二
脱走~バルナングス共和国編

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いつもの爆発炎上

「ばっ、爆発だよな?」

「ですね……テロでしょうか……」

俺たちは焦って山道を降りて

街へと走り出す。

ミルバス近くの大きな広い道へと出ると


「まただろ?いい加減にして欲しいよな」

「あの爺さん、またやったんだってよ」

周りを歩く旅人たちが、口々に「また」と言いながら

嫌そうに街に向かっていっている。

近くを歩く人の好さそうな旅人の老人に何のことか尋ねると


「ああ、マクネルファーの料理研究所が

 爆発炎上したんじゃろ。いつものことじゃよ」

笑いながらそう言って、去って行った。

二人で道の端に立ち尽くす。

猛近くに見えてきた街の城壁の向こうからは

相変わらず派手に煙が、夕暮れの空へと上がって行っている。


「料理研究所とか言ってたよな」

「聞いたことはありませんね……とにかくテロでないなら

 街で宿を取らないと……」

バムは彼女の背中でぐっすり寝ているファイナをチラ見する。

俺たちは、暗くなって門が閉まる前にと

急いで、ミルバスの街の中へと入って行った。


少し、高めだが人けの無い宿の二階に部屋を取り

ファイナをベッドに寝かし、荷物を背中から降ろして

俺とバムはようやくホッとすることが出来た。

バムがトイレに行ったので

荷物の中から、作り置きを取り出して食べながら

窓から外を眺めていると


「こらー!わしは貴様ら狂人たちの味覚を

 治そうと日々努力しとるんじゃぞ!それを爆発如きで捕まえてどうするー!

 この、稀代の天才マクネルファーを大事にせぇ!」

ひび割れた眼鏡の、禿げた頭の両サイドにモジャモジャの

毛を雲のように生やした、白衣の老人が

衛兵に手錠の縄を引っ張られて

連行されていっているのが見えた。


そうか、あれが研究所を爆発させた本人かと思っていると

「ふむー面白そうですわね」

いつの間にか起きて、俺の横でそれを見ていたファイナにのけ反る。

「へ、変人だろ?なんか、自分の研究所爆発させたらしいよ」

「まあ……それは、楽しそうですわ」

目を輝かせているファイナに困っているとバムが戻ってきた。


今見た光景を話すと、バムも難しい顔で

「私もちょっと興味はあります。

 まだ料理大会まで、七日ほどありますし

 明日辺り、爆発した場所に行ってみますか?」

「ま、まあバムがそう言うなら……」

「ちょっとー?私の意見も尊重してくださいな?」


顔を近づけて覗き込んできたファイナにドキドキしていると

バムが俺たちを引き離して

「ファイナさん、お風呂に行きましょう」

「お風呂!行きますわ!」

俺も行きたいという提案は即座に却下されて

二人は部屋を出て行った。


仕方ないので俺は上着を脱いで

二つあるうちの一つのベッドに横になる。

作り置きも食べたので腹もいっぱいで

連日歩き続けた疲れも出て、俺は一気に眠ってしまった。


夜中に目覚める。

真っ暗部屋の中で、ろうそくの明かりで

本を読んでいるバムがすぐに分かった。

「何を読んでるの?」

「あ、起きられましたか。

 発酵食品についての本を街で買ってきたので、読んでみています」


数冊積まれている本を眺めながら

「何か、わかった?」

「うーん、色んなパターンがあるということですね。

 麹などを使ったり、藁に巻いたり

 お酒や牛乳はもちろんとして、野菜や魚などもあります」


「魚の発酵食品とかは、臭いが酷いって

 どっかで聞いたけど……」

「いい線いっているかもしれませんね。

 私たちが酷い臭いと感じるなら

 この世界の普通の人々は良い匂いかも知れませんし」

隣の椅子に座って、ちょっとバムの顔を見つめてみる。


「なっ、なんですか……」

照れたバムに

「いや、偉いなと思って。バムのお陰で

 無事に旅出来て感謝してるよ」

「ゴルダブル様……」

俺はバムの手を取ってみる。何と彼女は抵抗しない。


きたあああああああああああああああ!!!!!

いけるだろ!これはいけるはず!

よ、よし、まずはキスから……。

「んごおおおおおおおおお!!」

背後のベッドからいきなり響いてきたファイナの強烈な鼾に

俺たちは驚いて、我に返る。


「ね、寝てください。私、もう少し

 勉強したら、寝袋で寝ますから」

「い、いや、俺が寝袋で寝るよ」

俺は荷物の中から寝袋を引っ張り出し

中に入って、一時間くらい

悶々とした気持ちを抑えながらも、何とか眠りについた。

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