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料理に興味が一切ない俺が、味覚が狂った異世界に転生した  作者: 弐屋 中二
新たなる支配者

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200/200

エンディング

五年後。


俺は、三十メートルほどに立派に成長した虹色の子竜に乗って

コロポックルのマーシャスとともに

青空に現れた大きな空間の裂け目へと向かっていた。

「やっと元の世界に帰れるだーよ」

楽天的なマーシャスはのん気に構えているが

俺はあの後、食王として、世界の様々なもめ事を

調停してきたので、甘くは考えていない。


バムや冥王によるとあの裂け目は

前の食王が毎回皮を得て、この世界に転生するときに

必ず半日ほど、出現していたもので

もしかすると、俺やマーシャスが元の世界へと

帰れる道かもしれないとのことだ。

四年前に説明されてから

ずっと侵入する機会を狙っていたのだ。


あの後、食王となった俺は

絶大なる知名度と、様々な能力で

世界と天界、そして冥界のの問題ごとや紛争を

現地に入って調停し周っていたのだが、

ようやくそれらも一段落したので

裂け目の出現を、半年間ずっと待っていたのだが

今日、その機会がようやく訪れたわけだ。


ちなみに世界の味覚は大きな混乱もなく

予定通り戻った。

殆どの一般の人々がなぜ昔は

あんな不味いものを食べていたんだろうと

不思議がっている話を、街などの道端で今ではよく聞く。


マーシャスとは調停の途中で再開して

それからずっと、行動を共にしている。

体は小さいが、様々な作戦を考えてくれて

頼りになる相棒である。


虹色の子竜は、親竜から託されたので

移動手段として、そして大切な仲間として

五年前からマーシャスと同じく、行動を共にしている。

今回も俺たちについてくると聞かなかったので

親の許可も取って、連れてきた。


仲間の皆にはここに向かう前に一応

挨拶をしてきた。

帝国の皇帝になったファイナは玉座で涙をこらえていて

その隣に居る守護天使のピグナは

俺に一言、「また帰ってきてよ」

と言って黙った。

必ず、またこっちに帰ってくると約束して

静かに宮殿を出る。


バルナングス共和国のミルバスの豪邸に

マリアンヌ先帝と住んでいる

マクネルファーに挨拶に行くと

沢山の孤児たちが、迎えに出てきて

中で、子供たちの料理や洗濯をしていたらしき

マクネルファーが子供たちに呼ばれて出てきて

俺から話を聞くと

「そうか……君が決めたんなら行くと良い。

 マリーにも伝えておくよ。買い物に行っててなぁ」

手を差し出されたので、握り返して

子供たちに囲まれて、屋敷を俺は出た。


ミチャンポ王国の宮殿の玉座で暇そうにしている

正式に王様になったペップに挨拶をして

事情を話すと

「……そうかにゃ。ゴルダブル、最高の仲間だったにゃ。

 失敗しても、骨は拾ってやるから、頑張ってくるにゃ」

と言われて、去り際に

「……エッチは究極的には赤ちゃんを作るためのものだにゃ。

 性欲の解消は大事だけど

 元々は手段であるエッチを目的にして

 それに浸るのは身体によくないにゃ。

 わかったかにゃ?」

と怖い目で言われて、焦って頷くと

ペップはニカッと笑った。


モルズピックへ挨拶に行くと

キクカの代わりに死神長が宝石をジャラジャラ

鳴らしながら出てきて

「あーごめんなぁ。キクカちゃん繊細な上に

 強情でなあ。別れは耐えられそうにないんや。

 だから、伝言だけ伝えるな。

 "帰ってこなかったら、呪い殺す"

 ……やっぱり言わんといた方がよかったかなぁ」

苦笑いしながら、死神長へ感謝を伝えて

そしてキクカが居るはずの塔へ向けて

ありがとう!と叫んで、俺は虹色の竜へと乗り込んだ。


冥界にも一応行って

悍ましい黒い宮殿に住む冥王夫妻と

集められた他の幹部たちにすばやく挨拶して回り

そして即座に戻ってきた。

冥界は空気が悪いから苦手である。

五年間で何度も、調停のために訪れたが

冥界の生き物たちは独特で、色々と大変だったなと

思い出しながら、空間移動した穴を閉じた。

バムに教えられたので、できるようになった技だ。


そんなことを考えていると

「あ、あの……帰ってもいいですかー!?」

あの後、俺や新たに仲間になったマーシャスと共に三人で

世界の危機の調停を幾度と行い

その功績で最近、大天使となったパシーが涙目で

虹色の鱗から顔を出してくる。

「ダメだーよ。あんたは僕たちが

 ちゃんと帰れるか見届ける役だって、バムさんから

 いわれてただ」

「な、何でー私だけー……せっかく大天使になれたのに……」

「旅は道ずれだーよ」

白髭を生やしたマーシャスは

のん気にスルメを懐から出して齧りだした。


空の裂け目へとたどり着くと

八枚の翼を羽ばたかせたバムが待っていて


「さあ、行きましょう!

 みんなと共に!」


と言うなり、虹色の竜の背中の上に幾つも

空間移動の穴を出現させ

その中から、しっかり旅装に着替えたファイナ

ピグナ、ペップ、マクネルファーそれにキクカが出てきた。

「え、いや、みんな……あれ?みんなの国は?」

マクネルファーが豪快に笑いながら

「マリーが院政を敷いて、

 帝国をしばらく面倒みると言っていたわ!

 騙されたなゴルダブル君!買い物は嘘じゃ!

 孤児たちも今頃、帝都の宮殿で遊びまわっておるわ!」

「先王が年金生活の上に、毎日惰眠をむさぼってたから

 不意打ちで代理王に任命してやったにゃ。スカッとしたにゃ」

「ノルノルに任せてきた。私もみんなと行きたい」

「バムさんたちだけには、ゴルダブル様を任せておけません!」

「そうだよ。あたしたち全員も居てこそのゴルダブルでしょ!

 異空間だろうが、異世界だろうがついていくよ!」

俺は嬉しいやら、戸惑っているやらでもう分けが分からない。

逃げようとしていたパシーの頭に

小さなマーシャスは飛び乗って

両手を振り上げると

「さ、いくだーよ。この裂け目の中に

 僕やゴルダブルさんの故郷へと続く道があるか、

 それとも全然関係のない、変なところに飛ばされるか

 分らないけど!どっちにしろ冒険の始まりだーよ!」

「年功序列だにゃ。マーシャスは我々を仕切ったらダメだにゃ」

「え……僕、もう五年もゴルダブルと居るだよ……。

 そ、それにそのネコミミ……あの、隠してくれないだか?

 ちょっと猫が苦手で……」

「ダメだにゃ。ハイキャッターの誇りは隠せないにゃ」

ペップに睨まれてマーシャスは震えあがる。

「とにかくーあたしたちの大事な人が旅の始まりは告げるべき」

「そうですわ。はい、掛け声はゴルダブル様が!」

マクネルファーとキクカも頷く。


「よし!みんな行こう!あの裂け目へと!

 バム!頼む!入るぞ!」


頷いたバムの先導で

俺たちが乗る虹色の竜は

青空に開いた、空間の裂け目へと突っ込んでいった。

































ここで、この話は終わりです。

五年間に具体的に何があったかや

裂け目に突入した後、彼らがどこにたどり着いたかは

読んでくださった方々の想像力にお任せします。


長文を読んでいただいて、本当にありがとうございます。

少しでも、笑えたり、楽しみにしていただいたりと

日々の助けになっていたら

文字書き冥利に尽きます。

言い訳になりますが

何分、技術の無いアマチュアでして

読みにくかったり、内容が分かりにくかったり

正確さを欠いていたり、不快な表現がありましたら

申し訳ありません。

では、ここまで読んでくださった方々の

幸運を祈って。

重ね重ね、感謝いたします。

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