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魔法大会開始

その後、ホカホカで綺麗になって帰ってきたファイナは

食堂へと夕食を食べに向かい

同じく綺麗になって帰ってきたバムは

俺と共に長椅子に座り、室内で荷物から出した

おにぎりを食べる。


「お一人で大丈夫でしたか?」

「う、うん。それよりも魔法大会どうするんだよ」

「……ファイナさんの話が本当ならば

 恐らく、三回戦どころではないかもしれません」

「……バムは魔法は使えるの?」


バムは思いっきり首を横に振る。

つまり攻撃の方は、物理で何とかするつもりらしい。

「魔法大会って殴ってもいいのか?」

「はい。ルールでは禁止されていなかったはずです。

 普通は魔法で戦います。圧倒的に強いですし」


「そ、そう……俺、大丈夫かなぁ」

「私は信じてます」

バムは俺の肩を叩いて、寄り添ってきた。

おお……な、何か良い感じだ。

バムの肩に手を伸ばしかけると、いきなり部屋の扉が開いて


「あー微妙な味でしたわ。お二人のお料理が

 もう懐かしい」

ファイナが戻ってくる。

そして寄り添っている俺たちの間に

強引に入り込んで座り


「私を仲間外れにしたらダメでしょう!?」

何故か怒ってくる。邪魔はされたが

結果的に右半身にファイナの柔らかい

左半身が触れているので、もう満足である。

一日の疲れは癒された……。


その後ファイナの寝室に泊まることになる。

当然のごとく俺は床で寝袋で寝ることになり

寝て、目覚めるともう次の朝だった。

よほど疲れていたんだなと、寝袋から出て

部屋を見回すと、二人は居ない。


リビングへと出ると、ファイナとバムが

真剣に何かを話し合っている。

「どうしたの?朝から」

「戦略を練っていますの」

「ファイナさんが、上級攻撃魔法を

 使えるらしいので、詠唱が終わるまで

 どうやって耐えるか考えています」


驚いてファイナを見る。

まるっきり足を引っ張りまくる世間知らず

というわけでもなかったらしい。

まさか、魔法使いだったとは。


「やはり、この魔法遮断パンツを

 履いたゴルダブル様に、全ての呪文を

 受けて頂き、バムが攪乱して

 二十秒後に私のボ・グロズネル・マガを

 撃ち込むという作戦しかありませんね」

バムは頷いて、一枚の小さな黒いパンツを

俺に渡してくる。


「これを履けと?」

「はい。炎に焼かれたら服は黒焦げですから

 魔法を受ける役は、これだけを見につけるのが恒例です」

広げるが面積が少なくかなり際どい。女子が履くなら

興奮するが、男の俺が履いてもなぁ……。


嫌な顔をしていると、バムが悲しそうに

「やっぱり、私一人のために

 苦労するのは悪いですよね……」

「いやいやいやいやいや、履くよ!

 バムが居ないと俺は、何もできないだろ!?

 君がどうしても必要なんだ!」


バムはニッコリ笑って、俺に強く抱きついてきた。

よし、もうこの子のために、魔法に焼かれて死のう。

そう心に決める。

ファイナは隣で頬を膨らませていた。


昼過ぎには魔法大会が開かれている

昨日と同じコロシアムの控室に

緊張の面持ちの他チームと共に、俺たちは待っていた。

当然俺は、黒パンツを下に着用済みである。

恥ずかしいので、当然まだ上に服は着ている。


「今度こそ、優勝しますわ!」

派手なドレス姿のファイナがそう高らかに宣言する。

「いや……三回戦までじゃ……」

バムが小声で

「言わせておきましょう。やる気を削がない方が良いですよ」

と言ってきたので、頷いて黙っておく。


すぐに試合が開始されて、一回戦の対戦相手と

俺たちは、向かい合うことになった。

魔法大会は円状の広い舞台で

三人一組で相手チームと戦い

三分の制限時間経過後に

最後に立っていたチーム員の多い方が勝者である。


リングアウトは失格で残った数が同数など

制限時間内に決着がつかなかった場合は

延長戦がある。大量に試合が組まれているので

一回戦はこの試合時間の短さらしい。


俺は際どい黒パンツ一丁で、他には何もつけずに

後ろにファイナとバムを従え、大歓声の中

コロシアムの舞台の上へと立つ。かなり肌寒い。

一体何をしてるんだという気がしないでもないが

これもバムのためである。


いよいよ

試合開始の笛が審判員から

吹き鳴らされた。

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