小学校高学年の頃は・・・
愛知県豊橋市から名古屋市に転居した。母の事業に拠る転居である。
私が小学四年生に進級する時であった。私は、転校先の小学校で、また新しい環境で、生活することになった。
廃墟のようなビルの4階が新しい環境であった。しかし意外にも、内部は綺麗で、生活しやすく、私はすぐに慣れた。
転校先の小学校では、私は転校生の例外なく、期待され、人気者になった。私は学業もスポーツも優秀であろうと努めた。だが私は不器用であった。しかし学業は優秀であった。
母の事業は順調に進んでいた。また、私の学校生活も順調であった。
部活はサッカー部に入っていた。黄昏のグラウンドで、同級生たちとサッカーをしていた。
私は知らなかったが、或る病院で、医師から
「この子は発達障害ですよ。」
と母が聞いていたようである。
今思えば、その医師は観る眼があったようである。
私は性に悩まされた。性の自覚が、私を甚だ困惑させた。
私は純粋と人から言われたことがあるが、罪悪が深いように思えてならなかった。
私は小学校で飼育委員であった。兎や烏骨鶏の世話を好んでしていた。対人関係よりも、動物の方が好きだったようである。
私は孤独にならないように必死であった。無理をして、明るく振る舞い、友達の輪に入っていった。しかし、私は孤独であった。
自然に、私は学校の図書室で、本を読むようになった。主に伝記である。ナポレオンや、ガリレオや、野口英世など、興味のあるものは片っ端から読んでいった。
書物は私にとって、永い苦悶の始まりであり、暗闇に入っていったように私には思われたのであった。
気づけば、私は小学校を卒業した。
多くの人々がそうであるように、私の思春期も暗い陰影が落としていた。
私は某私立中学の受験生であった。私は小学校6年生の時、勉強していた。そして落第した。私は泣いた。人生で初めての挫折であった。
私の思春期の始まりは、中学受験の失敗であった。