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第一話「魔法」
「我を助けし者を作り出せ。神に授けし物を元に、彼女に命を!」
そう私は唱える。すると、置いていた人形は持ち上がり、きらきらと消えていった。でも、それ以上のことは何も起こらなかった。
「あーあ。また失敗かー・・・」
10回ほどやってみたこの魔法、見事にすべて失敗だった。
私が諦めて帰ろうとしたそのとき、魔法成功のにおいがした。あわてて私が振り向くと、さっきかけた魔法の場所に成功の証、魔方陣ができていた。
「よし、成功だ。」
私はつぶやき、息を吸う。そして呪文の続きを唱える。
「命あるものに、ここに来るよう命じる。我の声を彼女まで聞き届けよ。」
魔方陣がすさまじい光を放ち、私の助手となる人物を召喚する。そこには私の予想通りの女性が立っていた。