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7.再開

「集まった、か……」


 あれから1日経った。スケルトンを集中的に狩り続け、得られた魔石は20個。少ないと思うか多いと思うかは人それぞれだろう。俺は安全を第一に考え行動した結果がこれだから割といいと思っている。


「足りない、か……」


 魔石20個全てを進化するつもりで取り込んだが、まだ進化には至らなかった。前回はこのくらいの量で進化していたはずなので、プリーストになったから必要数が増えたのか、はたまたあの女騎士に貰った魔石が良かったのか、それとも両方か。


「スケルトンっ!アリー!単体のスケルトンだよっ!チャンス!」


「っ!」


 油断したっ!人間の動きを見る限りではこの洞窟内の構造を把握しているだろうからこんな行き止まり部屋には来ないと思っていたし、魔石を取り込んで強くなる事に意識を割き過ぎて近づいて来る音の警戒を怠った…!

 どうする……。相手は人間。しかも今は1人だとはいえ、仲間がいるようだし。逃げ場は1つ。体力と『ドレイン』でどうにか粘って脱出を試みるか?いや、先に『簡易閲覧』か。


「単体は連携して来ない分、回避する。気をつけっ……。コルナ待てっ!」


「まさか……」


 今の声、聞き覚えがある。そして、追加でやって来た人間はやっぱりあの女騎士だった。


「スケルトン、お前はあの時のスケルトンでいいか?いいなら頷いてくれ」


 コクンッと頭を縦に振る。


「そう、か。よかった……。もし倒されていたらどうしようかと思ったぞ…」


 俺と女騎士のやりとりを見て、最初に来ていた人間がこっちを警戒しながら女騎士に問う。


「えっと、アリー?あれスケルトンでしょ?」


「あぁ、そうだ。だが、あのスケルトンは人間の味方だ。昨日の依頼があっただろう。あの時に助けてもらったのだ。まさかギルドが早期解決を図るべくこのダンジョンに乗り込むとは思わなかったが……」


「スケルトンが……?むー」


 じぃーっと女騎士の連れ、猫耳がこちらを見てくる。というか、俺も見てる。なんだ猫耳に猫尻尾って!ファンタジーな世界だとは思っていたが、まさかの猫耳!猫耳だ!


「それよりスケルトン、そのローブはどうしたんだ?」


 おおっと、俺は今女騎士と会った時とは違って装備品があるんだった。さて、どうやって説明するか……。俺はとりあえずローブを脱ぎ、地面に投げ捨て、それを拾って着るという事をした。


「拾った、ということか?」


 イエス、という事で頷く。


「そうか…。倒して奪い取ったとかでなくて良かった…。まあ、きっと元々は誰かのものだっただろうが、関係ないしな」


 よかった……。


「……ねぇアリー?まさかとは思うけど、持って来たあれって……」


「ん?ああ、そうだ。スケルトンに渡すつもりだった」


 女騎士はそう言って自分の荷物の中からローブと杖を取り出した。



『僧侶のローブ』

 僧侶が着る一番シンプルなローブ。


『僧侶の杖』

 僧侶が使う一番シンプルな杖。



 杖とローブ、とな……。


「スケルトン、お前は『治癒魔法』が使えただろう?ならそれの補助が出来る物があればいいと思ってな」


『簡易閲覧』じゃ全くわからないが、補助効果があるのか?でもなぁ……。俺は右手にある杖を見せる。そして僧侶のローブと今着ているローブの色をどうにかして伝える。


「えっと……?どういう意味だ?」


「私に聞かないでー!」


 むぅ。伝わらなかったか。


「あの子がいれば分かったのだろうが……。すまない、私はどうもあまり正確に理解出来なくてな……」


「あーもー!あなたいったいなんなの!?」


 さっきから女騎士とだけコミュニケーションを取っていたからか、猫耳が怒ってしまった。なんでわかるかって?猫耳と尻尾が逆立っているし。いやぁ、わかりやすい。骨、いります?


「いらない!」


 あっ、そう。でもちゃんと伝わってるんですね。


「『治癒魔法』」


 ちょっ、飛ばすなっ!危なっ、掠った、ローブ掠ったからっ!


「『ドレイン』『治癒魔法』」


 いきなり攻撃してくるな!『治癒魔法』は攻撃用じゃないけど!


「あれっ……力が抜けて…」


「コルナっ!スケルトンっ、すまない」


 どうも『ドレイン』の力が強すぎたらしい。なんでだ?この前から調整して威力の調整とかは出来るようにした筈なんだが……。それに『治癒魔法』も一緒に使ったのに効果が見られないな。どうしてだ?


「その、コルナはコルナ自身以外からの『治癒魔法』とかの効きが滅法弱くてな……。ついでに体力を減らされたりする系のものにかなり弱い。今さっきの現象は『ドレイン』だろう?」


 げっ……。猫耳にそんな弱点があったなんて……。悪かったな…。いや、でも、あっちが攻撃してきたわけだし……。


「あー、謝罪はいいんだ。今のはコルナが先にやった事だしな。ただ、次からは『ドレイン』は無しでお願いしたい」


 その、わかった。っていう感じで頭を下げる。


「コルナ、『治癒魔法』は使えるか?」


「うー……。出来る……」


 コルナの全身が光に包まれる。痛い!目が痛い!なんで!?視覚にもダメージ!?


「はぁ……。コルナ」


「アリーは私よりスケルトンを取るんだね!」


「今日はスケルトンに会いに来たんだ。本当はコルナを連れて来るつもりも無かった。それにこのスケルトンは子供の命の恩人だ。意思疎通も図れるし、敵対していい事なんてない」


 女騎士がそこまで考えているとは……。やっぱり良い事はしておくべきだな……。


「わーかーっーたー。わかりましたー。スケルトン、よろしく……」


 はい、よろしく。あ、これお近づきの印の骨です。


「いらない!」

第6回は僧侶の杖&ローブ。

魔のローブの僧侶版、と杖。僧侶は基本的にみんなこれを使う。色は白。目立つ。スケルトンがもし洞窟内で着てたら狙われる事必至。スケルトン倒せば金をかけずに手に入るからね、しょうがないね。そういう意味で言えば魔のローブを着ているスケルトンも狙われるでしょう。


今回はここまで。

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