表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/38

6.今の自分が出来る事

「ふぅ……」


 進化してから少し。自分の力を確認するのと場所把握の為に色々と動き回って分かった事がある。

 1つ。ここには自分と同じアンデッド系の魔物しか出ない。(確証は無い。今のところそうなだけ。)

 2つ。下に降りる階段があった為、複数階構造な事。そして、ここが普通の洞窟では無い事。

 3つ。アンデッドの中でもスケルトンの数が非常に多く、基本的に集団でいる事。

 4つ。アンデッド系の魔物は魔石を取らないと復活する。


 今のところはこの4つ。嵩張るだろうからって思って魔石を取らないでいたら、戻った時倒した魔物が全部復活してたのには流石に驚きを隠せなかった。


「スケルトンがそう復活するなら人工的にスケルトンを作り出す事も出来なくはないんじゃ?」


 そう思ったほどだ。やりはしないが。


 そして、変化と言えるのか分からないが、女騎士と子供と別れてから少しして、凄く強そうな奴らがぞろぞろと入って来ては階段で下に降りていった。


 その時俺がいたのはあの行き止まり部屋だっただけに入って来なくて助かったと心底思う。女騎士と接点が出来たとはいえ、こっちの言葉が通じないのだから他の人間には殺される可能性があるわけだからな。1人を隙を見て、どうにか『簡易閲覧』してみたが、何故か何も表示されなかった。『簡易閲覧』には何らかの条件か制限があるのかもしれない。




「『治癒魔法』」


 骨での動きにも慣れ、走りながら『治癒魔法』を()()()。なんと進化した時に付いてきた杖の先から『治癒魔法』を飛ばすことに成功したのだ。アンデッドだからという事でダメージを受けていた進化前とは違い、この方法はなんと自分にダメージが来ないのだ。と、いっても杖にダメージが入り、長時間使用で杖から結合している右手を伝って自分にダメージが来るが。


 で、誰に向かって『治癒魔法』を飛ばしているかといえば、姿を見た事もなければ、声を聞いた事もなく、名前も知らない人間に、だ。


 この前来た強そうな人間達を皮切りに、色んな人間がこの洞窟に入り込み、スケルトンと戦闘を繰り返しているのだ。そんな中、俺はスケルトンだとバレないように拾ったフード付きのローブに身を包み、人間が危なそうなら『治癒魔法』で回復だけしてその場からすぐに立ち去るという事をしているのだ。能力値が低い俺では敵を片付けてしまえば人間がお礼の為に追ってくる。そこでもしスケルトンだとバレれば殺されるかもしれない。だから、辻ヒールはしつつもそれだけ。手助けはしないようにしているのだ。



『魔のローブ』

 見習い魔術師が好んで着用するローブ。



 こんなローブらしい。特に効果が無いのは残念だが姿隠すだけなので不便という訳ではない。


 辻ヒールなんかを始めたが、正直早く進化したい欲が増えている。理由としては自分と同じ1回進化組であろうアーチャーやらウィッチやらが簡単に死んでいるからだ。スケルトンは明らかに弱いが、それでも進化系まで楽々と殺られていくのは流石に怖い。いつしか自分も、そう思ってしまうのだ。


(早く、強く……!)


 本当ならのんびりと確実に強くなりつつ人間を目指すつもりだった。だが、今は状況がそれを許してくれない。人間が、スケルトンの集団が、俺にとっては恐怖だ。だから、とりあえず人間が狙っているスケルトンを集団ではなく1体ずつ、確実に倒していく。俺が、生きる為に。

第5回は魔のローブ。

初心者の魔術師がとりあえず格好から入る為に着るローブ。とある有名な魔術師がローブを着ていた事から流行った風習。なお、お値段は安い。


この上のナンバリング、前回は5.5話だったから.5ってしたけど、別にしなくてよかったかも……


もし面白いと思って下されば、ブクマ、評価の程、お願いします。励みになりますので……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ