5.初進化
昨日と一昨日は更新出来ず申し訳ないです。少しリアルで重要な要件があったもので……。
小説読んでるから遅くなるんだよなぁ。
「にしても、魔石を取り込むなんてどうやるんだ?」
俺はあの2人が去ってから、魔石をどうすれば取り込めるのかを考えていた。
「取り込む、ってのだと真っ先に思い浮かぶのは食べる事、だよなぁ」
だがこの身は骨で出来たスカスカの身体だ。食べようとしてもそれが体内に留まるという事はなく、上から下に落ちて地面にコツンッと音を立てるだけだ。
「砕く、とか?」
試しに口骨で自前で手に入れていた魔石のカケラを砕く。カケラは砕けると、中から紫色の煙を出し、その煙が額にある魔石に吸い込まれていく。
「おっ、成功か」
体感的には変わった感覚はないが、それは多分取り込んだのがカケラで量が少ないからだろう。
「ここにはスケルトン集団から大量確保した魔石がある!さあレベルアップといこうか!」
じゃんじゃん砕いて魔石を取り込む。取り込むたびに内側から力が溢れて来る。そして、これは途中で気付いた事だが、砕くより魔石と魔石を触れ合わせた方が取り込む力が多かった。個人的な見解では砕いた時点で魔石内の力が少し空気中に溶け出してしまうからではと考えている。
それを続ける事10個ほど。ついに時が来た。
『対象スケルトンの魔素限界を確認。適した姿へ進化します』
いきなり頭の中にそんな言葉が響き、俺の意識が強制的にシャットアウトされた。
俺はカランッという音と身体に走る衝撃によって目を覚ました。
「うぉぉぉぉぉぉぉ!?」
目を覚ました俺を待っていたのは他のスケルトン共によるフルボッコであった。
「体力だけならあるから耐えれたけどこれ安全地帯じゃないと普通にやばい展開になるな」
とりあえずとして『治癒魔法』でスケルトンを殲滅しつつ、自分の初期位置、一番最初の行き止まり部屋へ戻る。あそこが今のところ唯一の個室だからな。
「さて、と。まずは何が変わったか、だが……」
目が覚めてからずっと右手に握られている骨を削って出来たであろう杖だ。いや、握られているというより右手の骨と杖の骨が結合している、と言った感じの方が正しいか。
とりあえず『簡易閲覧』だ。
『スケルトン・プリースト』
体力10万
魔力40+5
攻撃8+2
防御8
素早さ8
『治癒魔法』『簡易閲覧』『ドレイン』
『スケルトン・スタッフ』
『その杖は自らの骨である。骨とは全ての基礎である。この骨組みがどの様な姿を辿るかは使用者次第。』
意識を失う前に進化とか聞こえていたが、あれは間違いじゃなかったって訳だ。プリーストになってるな。それになんか増えてるし、杖の方にも『簡易閲覧』出来た。武器にも出来るとかなかなか便利だな。
にしても、『ドレイン』ねぇ?
『ドレイン』
対象の体力を自身の体力として吸収。
『簡易閲覧』に表示されているものにさらに『簡易閲覧』出来るのか。まあ出てくるのは簡易的なものだけど。
今回の進化でこの『ドレイン』を取得した俺は回復手段を手に入れたというわけだ。プリーストになれたのは『治癒魔法』をそれなりに使ったからだろうか。やっぱ進化には条件とかあるのかね?条件とかあるなら達成しときたいものだ。今回は自動的にプリーストにされたが、次回、次次回と進化先を自動選択だった場合は人間になるっていう目標の達成が厳しくなるんだが……。いったいどうなっているのか、確かめたいものだ。
はい、第4回目は進化について。
魔物の進化はその魔物の体内に貯蓄出来る魔素に限界が来たら訪れます。貯蓄するので、魔石によって魔力に変換される事はありません。任意で貯蓄している魔素を魔力に変換する事は出来ますが。
魔素貯蓄とはまあ所謂レベルです。レベルを魔力に変換可能って事です。レベルを代償にして限界以上の力を引き出せる感じです。魔力だけですけど。
進化先は条件達成で増え、進化先は自動選択というよりは本人が今望む形に近い進化先に進化します。一つしか進化先がない場合は自動的にその進化先に進化してしまいます。
また、進化は魔素貯蓄限界になると自動的に行われてしまうので、条件を満たす為に自ら魔素を魔力に変換する魔物もいます。知能をある程度持った魔物だけですが。
今回はここまで。
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