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25.連携不足の為に

来週の土曜を過ぎればいつも通りの投稿ペースに戻るはずです。申し訳ない……

 さて、タネは巻いた。この後はどう展開していこうかなっとぉ!?


「あっぶねぇぞ!誤射るな!」


「すまん!」


 周りの知らない奴が放った魔法が俺の横を通り過ぎる。南地区はさっきまで俺がいた東地区と違って少数精鋭って訳じゃない。大人数で何とか戦線を維持している感じだ。ウォーリアーの追加サービスがある以上そうじゃないと詰むのは理解出来るが……。


「連携が出来てない……」


 みんな動きがバラバラだ。元々パーティーだったであろう人となら連携が出来ているが、それもまた他の人に邪魔されたりと、正直よく戦線維持が出来ていたなと思う。


「指示出しするにもまずこいつらをっと!」


 周りを見て隙が出来ていた俺に対して、アンデッドメイルが横薙ぎに大剣を振るう。俺は咄嗟にその場にしゃがむ。迫り来るアンデッドメイルの大剣が頭上を通過すると、さらにと言わんばかりの5本の大剣がしゃがみこんだ俺めがけて投擲される。


「ちょっ」


 1本、2本と地面を転がるように避ける。だが、3本目の大剣がすぐ目前に迫ってきており──


「──っぶねぇ!」


 俺に当たる直前、額の前で止まる。


「『聖華樹(せいかじゅ)』ってなぁ!」


 最初に大剣を振ってきたアンデッドメイルを取り込むように、大きな華を咲かせた樹が現れる。その樹から枝が伸び、目前へと迫っていた大剣を掴んでいる。そしてさらに投擲されていた残りの2本も枝がしっかりと掴んでいた。


「さってと、一時離脱!」


 聖華樹に大剣5本を飲み込ませてから離脱。聖華樹の枝が俺を追ってくるアンデッドメイルを妨害する。俺の離脱が完了すると、聖華樹対アンデッドメイル9体という構図が出来上がった。そのうち武器持ちは5体。


「ここの指揮官は誰だ!?」


 声を大にして叫ぶ。しかし、周りは応戦しているが声を上げない。


「まっ、いないのか!?」


 あんのエンヴィーとかいう副ギルド長!指揮官寄越さないとか何やってんだ!


「こちらカイト!サイサイ聞こえてるか!」


『聞こえてますよぉ〜』


 東地区を出る際に預かったチビ人形に話しかける。するとしっかりとサイサイの声が聞こえた。てかこれリアルタイム通信?すごいな……。


「今もうギルドにいるか?」


『えぇ、副ギルド長にも渡してありますぅ』


 おっけー!これでギルドとの連絡が可能だ!


「その副ギルド長を呼んでくれ。色々聞きたい」


『はいはいぃ〜少々お待ちいただければぁー』


 そして数秒ともしないうちにチビ人形から別の声が聞こえてきた。


『こちら副ギルド長、エンヴィーです。……これで声は届いているんですよね?』


「あぁ届いてるよ。カイトだ。サイサイから聞いてるだろうが東地区から南に移動してる」


『その声は……。なるほど。東地区についてはこちらも情報を得ています。待機していた数名を向かわせ、残党がいないか、再び取られないように警備に当たらせました』


 良い判断だ。俺たちも東地区ではアーチャーの残りを確認していない。それに折角倒して無事?取り返した場所をまた取られるのは癪に触る。


「ナイスだ。ただ、こっちは大問題だぞ。南地区に指揮官がいない。冒険者が各パーティーで抑えているが、全体の統率が取れてない。いつ押し切られるか分かんないぞ」


『指揮官不足は申し訳ないです。ですが、指揮官として回せる人員がいません。北がかなり危険な状態でそちらに人員を割いてしまっているんです』


 ちっ、北もマズイのか……。しかも人員を割かないといけない程ってのはヤバイ。


「カオリは?」


『西です。ただ、初代ギルド長1人で西を受け持ってもらってるので、他に回す場合西が壊滅します』


 1人で受け持つってか1人でどうにか出来てるのが凄いな……。流石、この状況を見越してただけの事はある。


「って事は……」


『そっちはその場にいる人でどうにかしていただきたいです』


「マジか……」


 偉そうな事考えてたりするが、俺も指揮経験はない。東地区でのアレも別に指揮って訳じゃないし。


「……待てよ?」


 周りを『簡易閲覧』を使いながら見回す。表示される能力値の一部分だけを見て、その場にいる全員と違うのをしっかりと確認する。


「いいぞ。こっちはこっちだけでどうにかする。こっちがどうにかする間に北側を終わらせといてくれ」


『それは現場の人達次第ではありますが……。頑張ってみましょう。健闘を祈ります』


「あぁ、また何かあったら連絡する」


 チビ人形をしまい『聖華樹』を見る。どうにかアンデッドメイルを抑えているが、もう保たないといった状態だった。だが、少し話す程度だ。まだいける。


「おっと…。アリー、話がある」


「っ、なんだ?」


 ちょうどアリーがウォーリアーに飛ばされて来た所をキャッチする。


「この場の指揮を頼みたい」


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