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24.南地区では

1ヶ月もお待たせして申し訳ありません……。

厄介な風邪をひいたみたいでちょっと苦しんでました。

まだ鼻水が出まくったり咳が止まらなかったりで完治はしてないですけど書ける状態にはなったので、投稿再開します……

 俺が南地区に到着した時には、そこは既に戦場と化していた。


「アリー!コルナー!『治癒魔法』!」


 俺は姿が見えた女騎士と猫耳に声をかけ、『治癒魔法』をかける。その身がボロボロになっていたからだ。


「カイトか!」


「っ……」


「無事か!?」


「お陰様でな。だが、ジリ貧だ」


「あーもー!硬すぎるのよ!こいつらー!」


 周囲を見回してみれば、アンデッドメイルや鎧を着たスケルトンがたくさんいる。『簡易閲覧』で調べてみればスケルトン・ウォーリアーという名前で防御値が高い。


「アーチャーがいないなら遠距離から攻めればいいんじゃ?」


「最初はそうしてたんだがな。手段に限りはあるし、魔力も使う。ずっとそうはしていられなくてな」


「結局真正面から戦うしかないのー!」


 そうか。なんだかんだで自分の魔力が回復したり、相手の魔力が回復していたから忘れてたが、普通はそんなにすぐに回復しないんだ。


 ここで俺が遠距離攻撃役を務める事も出来ない訳じゃないが、それが最善とも思えない。


「二人は、それと周りの連中はアンデッドメイルを倒せるか?」


「コルナと協力して、奴と2対1の状況で長時間かけてもいいのなら勝機はあると思う」


 長時間が具体的にどれくらいか分からないし、奴だけに掛り切りになるのは得策とは言えないな。


「ならアンデッドメイルは俺がやる。二人は周りの連中と協力してウォーリアーの数を減らしてくれ」


「それがな、カイト。奴ら、倒しても倒しても出てくるんだ。多分、奴らの親玉が後方に隠れてるのだと思う」


「補充されるってか。出てくるウォーリアーに上限は?減らさなかったら数は増えるか?」


「いや、減らしたらその分補充される感じだ。数は増えていない」


「なら、倒さないように無力化をしてくれ」


 倒さなければ補充されないのなら、倒さなければいいだけの話だしな。


「コルナは『治癒魔法』をあとどれくらい使える?」


 コルナは体質なのか本人の『治癒魔法』以外の効き目が悪い。アリーがだいぶ回復しているのに対してまだボロボロだ。


「使えて、5回ね。でも攻撃にも使いたいから自分にはあと1回が最低限かなー」


「分かった。ならこれ使ってくれ」


 俺は『魔聖のスタッフ』をコルナに渡す。


「それは使い手の意志を汲んでくれる。任せた!」


「ちょっ、待ちなさいよ!」


『魔聖のスタッフ』を渡した俺は剣を持って走り出す。アンデッドメイルに剣は効かないがやりようはあるしな。コルナが何か言ってたが無視だ無視。


「あっちは遠距離、こっちは防御。地区での担当みたいなもんがいるのかなっと!」


 アンデッドメイルを『神盾縛』で拘束。剣では弾かれるだけで攻められないが、『神盾縛』は『神聖魔法』だ。アンデッドは触れるだけでその身体を傷つける。拘束を解かれるにしてもダメージは負う。やらない手はない。だが、拘束を簡単に解かせる程俺も甘くない。


「そんでもってぇぇぇ『聖網(せいもう)』」


『神聖魔法』を網状にして放射する。『神盾縛』で拘束されたアンデッドメイルはその網からは逃れられなず、簡単に捕まえられる。そして、後は網の手元を縛れば。


「これで封印完了っと」


 網にかかったアンデッドは簡単には抜け出せない。そこに拘束もあればアンデッドの身では抜け出す事は不可能に近い。拘束と網の二重捕縛だ。


 まずこれで1体。まだ他には見えるだけで10体はいる。アンデッドメイルも倒したら補充されるのか確認したいところだが、補充されたらされたで手間がかかる。封印安定だろうな。


「『神盾縛』ってあれ?」


 絡みついていく聖属性をアンデッドメイルが避け始めた。


「まさか一回だけでもう学習したってか!?」


 東地区では何度もやってようやく学習していた手前、ここでもそうだと思ったが違ったらしい。同じ手であと2体くらいは封印出来ると思ってたんだがな……。


「さてと……厳しくなってきたなぁ」


 同じ手が1回で通じなくなればあと10回分手を用意しないといけない訳だ。しかも剣で。 カオリに貰った剣だが、既製品のそれなりの剣だ。アンデッドメイルの持つ大剣と打ち合えば数合で剣がかけて折れるだろう。コルナに渡した手前、スタッフをすぐに返してもらうのは意地でもしたくない。


「まあ、なるようになれって事で!」


『神聖魔法』を光の球としてばら撒く。一つ一つを小さく、多方面に行き渡るようにした散弾だ。アンデッドメイルは鎧が本体。速く動こうがデカイ的には幾つか当たる。


「てぇぇぇぇぇぇい!」


 俺の目の前に光の柱が迸る。『神聖剣技・天聖』だ。『神聖魔法』と『剣技』の合わせ技。なおそういった項目は能力値にはない。俺が勝手に名付けた。


『天聖』は剣に『神聖魔法』を纏わせる。そして『剣技・天翔』を使う。『天翔』は剣から衝撃波を3連発する『剣技』だ。その衝撃波に神聖魔法が乗るのだ。その衝撃波はまさに光のビーム!剣からビームを出すのは基本中の基本だ。っと、『天聖』で1体倒れた。


「補充は……」


 待てども待てども数が増える事はない。まさか倒せるとは思ってなかったが、数も増えないのが判明したのは嬉しい誤算だ。これなら倒すだけで充分いける。

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