2.うわっ…スケルトンっていう魔物、弱すぎ…?
とりあえず書いて上げるという形式上、文字数が少なくなる……。
頑張って文字数も多くします。
カランッという音がした。
「おっと……」
自分以外からの音が聞こえ、緩んでいた気を引き締める。自分は魔物のいる世界に転生したのだ。それならば当然、自分以外の魔物という存在を忘れてはならない。
「一番大事な現場状況ってのを把握してなかったが……マズイなぁ……」
現在、俺がいるであろう場所は洞窟か何かの空洞の行き止まりの部屋。出口は一つ。そして今もなおカランッという音が鳴り、次第に大きくなっている。
つまりは近づいて来ている事の証明であり、理不尽な現実を海斗に突きつけていた。
「出口は一つなのに、そっから音ってか?詰みゲーか何かかよ!」
カランッカランッと音を立て、ついにそいつが姿を現わす。
「はぁ……」
うん、予想は出来ていた。転生してから初のエンカウント、危機的状況その他諸々色々な考えもあって身構えていたのは事実。だがしかし、冷静に音を聞けば何が近付いて来ているのかなんて簡単に分かるのだ。そう、自分も先程同じ音を鳴らしていたのだから。
「初エンカがスケルトンって……」
そう、音の正体はスケルトンだった。自分の能力値を見て分かる溢れ出る雑魚臭。どう考えても初心者向けの魔物であるスケルトンだったのだ。
「うーむ、これはこれはっどわぁっ!?」
同じスケルトンだし仲良くしようと歩み寄ったら腕を振り下ろして来やがった!こいつら仲間意識とかないのかよ!
「俺のクソ雑魚攻撃力と防御力でどうにかなるのか?」
なんか知らんけどある『簡易閲覧』で奴を調べてみよう。
『スケルトン』
体力5
魔力1
攻撃2
防御1
素早さ2
『生への残滓』
あっ……。ごめんよスケルトン……。俺はまだ君達の事を見誤っていたようだ……。これ、ダメだ。ハズレもハズレの大ハズレ。救いようのないクソ雑魚じゃないか……。
素早さで優っている俺がスケルトンの背後に回り込んで背骨を押してみれば倒れるどころか折れて崩れさる始末。骨なのに紙装甲すぎて涙が出てくるぜ……。いや、涙流れないけどさ。
「っと、なんだこれ?」
スケルトンの崩れた骨の中に光る物を見つけ、拾い上げてみれば、紫色の小さなカケラのようなものがあった。
「察するにこれが魔石……のカケラ、でいいのか?」
流石に小さな粒程のものを石とは呼べずカケラ呼びだが、これが魔カケラでいいのだろうか?魔物には必ず魔石があるとじいさんが言っていたし、多分、合っているはずだ。
「そういや、俺にもその魔石とやらはあるのかね?」
自分の骨の身体を見回してもそれらしいものは一つも見当たらない。見えない所にあるのでは?と手で色々と触ってみれば、骨ではない感触の部分が一点だけ見つかった。
「……刺された場所、だよな?」
そこは丁度額の、俺が死ぬ原因となった刺殺を味わった箇所だった。
こちらでは本編で書かれないものを説明していきたいなと思っております。
第1回目はスケルトンについて。
海斗が転生した世界において、スケルトンという魔物は海斗の考える通りクソ雑魚です。クソ雑魚ナメクジって奴です。というのも、スケルトンは死者の骨が長い年月により魔物化したもので、その長い年月の間で骨が崩れやすくなっています。その為、防御が極端に低く、体力も低くなっています。また、特に装備等も持っていない場合攻撃手段が殴る蹴るしかなく、その場合スケルトンは攻撃に成功しても体力が削られます。骨が脆く、その骨を打ち付けているためです。素早さも魔物化した事でなんとか動けているという状態な為、かなり遅くなっています。そんな訳で、クソ雑魚な訳です。まあこれは普通のスケルトンの話です。スケルトンは種類があるので、それはまた後ほど。
第1回目はこんな感じですかね。
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