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9.面倒なおっさん

前話を海斗視点ではない為.5話に変更したので、これが9話です。

「待ってくれ!そこのローブ!フードを取ってくれ!」


 はい、絶賛ピンチなうでございます。いや、別にあれだ、一緒に行動して〜ってのが失敗した訳じゃないんだ。女騎士と猫耳と一緒に沢山スケルトンを倒して他の人間を助けたり、協力して倒したりしてたんだ。ただ、その、ちょっと俺が怪し過ぎただけなんだ。身体全身をローブに包み、フードも目深に被って顔を見せず、やる事も手が見えたらやばいからと杖だけをローブから出しての『治癒魔法』、しかも杖は骨で出来ている。正直、これが怪しくないなんて言う奴いないと思う。だって俺がもう怪しいって思ってんだもん。まあそんな訳で少なくとも顔を見せろと言われているのですよ。


「あー、待ってくれないか。こいつは過去に色々あってな……。悪いがそういうのは勘弁してあげてくれないか」


 ここで役立つ女騎士ですよ!俺が何言った所でカラカラとしか鳴らないから咄嗟にフォローが入ってくる。ありがとうございます。


「……すまない。だが、見せてはもらえないだろうか?」


 クッソなんだこのおっさん!何?俺が美少女だとでも思ってんの?女騎士と猫耳が割と可愛いから俺もそうだとでも思ってんの?こちとら肉も付いてねぇ骨だわ!


「アリー、流石にもう難しいんじゃないかなー」


「コルナ……」


 ちょっ、おい猫耳!?何言ってんの!?女騎士も諦めるなよ!頑張れよ!


「……どんな見た目でも問題無いな?」


「あぁ、見た目で判断なんかしない。俺は助けてもらった礼を言いたいだけなんだ」


「……わかった。そういう訳だ、いいな?」


 いや、よくないよ?何言ってんの?これで敵対したらどうしてくれるの?


「あーもー!いいから取る!」


 あ、猫耳てめぇ!なんて事を!


 俺の頭からフードが取れる。必死に隠していた骨面が晒される。すぐにフードを被り直すが、おっさんは全てを見てしまっただろう。フードを直す時に手も出してしまった。


「……テイムしたスケルトン、か?」


「いや、テイムはしていないんだ。こいつは自らの意志で私達と一緒に戦ってくれている。あ、こいつはリッチじゃないぞ?」


「それは分かっている。リッチとスケルトンを見分けるのは簡単だからな。さて、スケルトンよ、礼を言う。先程はありがとう。助かったぞ」


 お?おお?なに?なんかめっちゃ良い方向に進んでない?スケルトン!?天誅!とかなると思ってたんですけど?え、ここの人間って意外と魔物に理解あったりするの?


「だが、この件はギルドに持ち帰らせてもらうぞ。このリッチ問題になんの関係もないなんて思えないのでな」


 ぐっ……。そうなりますよね…。いや、むしろこれで俺に害がないどころか益があると思われれば敵対されないで済むのでは?お願いします、ギルドとかいうとこのお偉いさん、僕悪いスケルトンじゃないです。


「それで、そのギルドの判断が出るまでこのスケルトンはどーするのー?」


 俺としては街に行ってみたいんだがなぁ。


「そうだな……。流石にこのダンジョンから出すのは無理だ。このスケルトンは今までどう過ごして来たんだ?」


「人助けばかりだ。『治癒魔法』が使えるからスケルトンを倒し、私達を癒したり、な。魔石を回収しては取り込んでいるが、今の所性格や行動に変化は見られない」


「なるほど……。ならば私がここにいよう。報告の方は君達がしてくれ。私には数日生活する準備がある」


「分かった。だが、いいのか?私達が嘘の報告をしたり、返事をでっち上げたりするかもしれないぞ?」


「もしそんな事をすれば困るのは君達だ。特に、ブラッド家から酷い仕打ちが向かうだろう?」


 なんか話がぽんぽん進んで俺が入る隙間がねぇ。いや、入ってもカラカラ言うだけなんだけども。にしてもブラッド家って何?確か女騎士の名前がアリー・ブラッドだったよな?え、女騎士っていいとこのお嬢さんなの?


「こっちの素性は把握済みか。なら、ちゃんと役目を果たして来よう。すまない、スケルトン。一度私とコルナは街に戻る」


 あ、うん、それは話の流れから分かってます。


「やーっとアリーと2人だよぉぉ〜。べーっだ!」


 こんのっ猫耳はああぁぁ!『ドレイン』すっぞ、『ドレイン』!泣いて謝るがいい!


「ぐぬぬ……。私はスケルトンなんかに負けないんだからねー!アリー!行こっ!」


「その、コルナが申し訳ない……」


 先に行ってしまった猫耳を追いかける女騎士に手を振って別れる。たった数時間だけの仲間だったがなかなか楽しかったよ。

 さて、美少女パーティーだったはずなのになんでいきなりおっさんと一緒に過ごさねばならないのか。俺はとても悲しいよ……。あの2人はなんだかんだで目の保養だったのに。あ、いや、女騎士は全然だわ。鎧着てるんだもん。ってか目の保養つっても性欲とかも無いんだけどな。


「私と一緒なら其方も襲われる事はないだろう。どうやら慈善事業が好きなようだからな。早速行動しよう」


 うーん、まあ安全ならいいかな?安全第一で行きましょうか。

第7回目はギルド。

ギルドは魔物討伐組合。冒険者の依頼斡旋所である。魔物の討伐から捕獲、採取に護衛、アリーの行った迷子探しなど仕事は多岐にわたる。ギルドに所属している者を冒険者と呼び、冒険者と依頼にランク制度を設ける事で死者数を減らしている。なお、このギルドのシステムを作成した初代ギルド長はまだ存命。また、魔のローブで説明した有名な魔導師とギルド長は同一人物。

ギルドに出される依頼は報酬さえ出せるのなら、誰にでも出す事が出来る。

ギルドに所属出来るのは成人になってからで、この世界では15歳が成人とされている。


今回はここまで。

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