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プロローグ

はい、戻ってまいりました。

ただし、まだ学業が忙しいので、書いたら上げる形式です。

「おお、死んでしまうとは情けないのぉ」


 いきなりなんて失礼な奴なんだろうか…。


「目の前で女の子を見殺しにして生きるよりは死んだ方がマシだね」


 そう、俺は死んだ。それは分かってる。ナイフを持った男に頭を刺されたのだ。女の子を庇って。もしそれで生きてたら人間じゃないと思う。


「近頃の若者は威勢がいいのぉ」


 ふぉっふぉっふぉっとか言ってる変なじいさんと一対一。俺は今真っ白な空間にいる。明らかに現実じゃないこれはきっと夢とか精神世界とかそんなものなんだろう。


「お主に一つ、好きな物をやろう」


「別に何か貰ったとしても死んでるから意味ないんだけど?」


「そこはもちろん生き返らせるに決まっとるじゃろ。もともとこっちの手違いじゃ。でも、同じ世界には出来ん。日本ではもうお主は死んだ事になっておるからの」


 ここで俺はあぁ、そういう、と事のなりを把握した。いわゆる異世界転生ってものだと。


「そこはまあ理解した。で?好きな物ってなんでもいいのか?例えば永遠の命とか尽きない金とかでも?」


「そんなものでもいいが、他にも勇者の使命でも、美人な嫁さんだの、それこそ本当になんでも一つ好きな物をやれるのぉ。前にはエルフになりたいなんていう女子もおったしのぉ」


 自分の種族でいいのか?そんなものでさえも貰えるって訳か……。明言された訳じゃないけど、目の前のじいさん、神だろ絶対。


「なら、その権利を百回に増やしてくれ」


「それは無理じゃ。なんでもと言うたが、一つというルールは変えられん。まあ、例外として人間じゃなく、魔物になるなら二つやれるのじゃがな」


 魔物。一般的には人類の敵というか害獣というかそういう枠組みだと思うが、こっちではどうなんだろうか?


「魔物は敵って事でいいのか?」


「それであっとるぞ。魔物は人間を襲うし、魔物の一機関である魔石は様々な物へと使われておる。魔物として生きるのはなかなか大変だと思うのぉ」


 魔物、魔石、ね。なかなか興味深いがまだ決断出来る程じゃない。


「魔物は進化、変化、または別の何かに変身したりってのは出来たりするのか?」


「ふぅむ、出来る。進化は其々の魔物個々人によって違うし、変化、変身もそういうのを扱える魔物がおるだけじゃがな」


 第一懸念事項は大丈夫って事か。さて、次は…


「魔物は選べるのか?」


「それは無理じゃ。魔物になるという事は人間をやめ、その存在を変える事に他ならぬ。人間からエルフなどはベースが同じじゃから容易いが、魔物ともなるとな。じゃからどんな魔物になるかはその者の適性次第だの」


 第二懸念事項は問題有りか……。


「なら、どんな魔物になっても最終的に人間、またはそれに近しい存在になれるか?」


「やはりそれが目的なんじゃな。なれるとも。人型なら人に、獣なら獣人に、龍なら龍人に。少しばかり特別な魔物じゃとエルフなんかにもなる事もある。結局の所、知性を持って文化的に生活しておるのは皆進化の結果じゃ。地球でも人は元々猿じゃった。そこから進化を遂げて人間という種になった。じゃからこちらでもなれん通りはないのぉ」


 第三懸念事項は大丈夫。なら、覚悟を決めるだけか。


「魔物を選べばまず文化的な生活は到底出来んし、命の危険も多くなる。目的も達せられず死ぬ事になるかもしれん。それでもなるのであれば、二つ欲しいものを言うといい」


 どんな魔物になろうと、人間などからは狙われるだろう。もし食物連鎖の底辺にいる存在ならさらに敵は増える。人間になって生活したいなら初めから人間を選べばいいのかもしれない。だが、ここで貰える物が一つか二つかで人生が変わる。人間になったとしても死ぬ可能性が無いわけじゃない。なら、危険でも、未来への可能性に賭けて今、命を賭ける。


「『膨大な体力』と『治癒魔法』をくれ。魔物になる」


「わかったのじゃ。それでは、良き人生を、いや、魔物生を送るといい」


 じいさんのその言葉を最後に、俺、宮城 海斗の意識は暗転した。

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