05話 2人の巫女と神様
細い裏道を全力で走り、転けそうになるが餡子の手をしっかりつかみ走り抜ける。
「この先の角を曲がれば残りは、直線で神社に着く頑張って付いて来いよ餡子!」
餡子の顔を見ながら言う疲れを見せず笑顔で、はいと返事をした。
角を曲がり神社までの直線入ったが目の前に工事中と書かれた看板があった。
「間に合いそうに無いな」
残りの時間は、少ないく回り道をすると間に合わない事を悟り足を止める。
呆れたように餡子が、後ろから私に任せてくださいと言い龍桜をお姫様抱っこした。
「なにをするきなだ」
驚きと恥ずかしさに滑舌が上手く回らない
「ちゃんと掴まっててください、手を離すと落ちて死にますからね」
笑顔で脅してくる餡子は、足を踏みしめ地面を蹴った。
叫ぶ声も出ない龍桜は心で叫んでいた。
家の屋根より高く飛び餡子に抱かれている龍桜は気を失いかけているなか一瞬で神社の前にたどり着いた。
餡子に降ろされるとフラフラとした足取りで前に歩く、龍桜の前にルースとは違う巫女服姿の女の子が立っていた。
「遅いよお姉ちゃん何してたの」
怒る女の子に対して餡子は呑気な感じに返す。
「ごめん、ご主人様の質問攻めにあって全てに答えていたら時間がなくて急いできたんだけど」
餡子は、途中で喋るのをやめてまだフラフラしている龍桜の手を掴み慌てた様子で走り出す。
「時間がありません何も言わずについて来てください」
鳥居を潜りほっとした様子を見せたに龍桜は質問した。
「もう、大丈夫なの?」
「無事に時間内に鳥居を潜れたので大丈夫です」
時間に間に合い安心の様子を見せる。
「神のところに向かいますので私に、付いてきてくださいね」
もう1人の巫女服の女の子が言うと餡子が龍桜に耳打ちをする。
「あの子は、人見知りだからちょっと無愛想に見えるかもしれませんが本当はいい子だから安心してくださいね、ご主人様」
龍桜は、前を行く女の子を見ながら
「あの子の名前を聞いてもいいか?」
「あの子は師子王です」
獅子王まさに男らし名前に龍桜はまた質問をする。
「獅子王ってもしかしてあの子って男の娘?」
「はいそうです!でもあの子は、師子王と呼ばれるのを嫌っているので紫音と呼んであげてください」
紫音の話をしているのが聞こえていたのか前を歩く紫音が咳払いをした。
少し黙って歩くと前を歩いていた紫音が止り目の前には本堂が建っていた。
「中にお入りください神様が待っています」
紫音は扉を開けて龍桜を中に入れると扉を閉めた。
目の前には派手な和服姿の女性がそこにいた。
「待っていたぞ秋月龍桜、異世界に行く準備は出来てるな」
煙管を吸って龍桜の名前を言った。