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無メイの乖離  作者: いすた
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5-3  故郷からの文

会談の精神的疲労も落ち着いたところで、アズキと茶歩丸は今日の夕食の材料を買い集め、

この街に来たときから使わせてもらっているコテージへの帰路に着く。

会談の時以外の公的接触は禁じるとルールを定めており、一部の無作法者を除けば、グリースレリアでの生活は快適そのもの。

一人と一匹はもう通いなれた道を歩みながら。

茶歩丸は、道の両脇にひしめく行商人の露店の数にふと気になった。


「気のせいか?

 日に日に店の数が増えてる気がすんだけど」

「気のせいじゃないっすよ。

 シルナさんから聞いたんっすけど、ここ最近グリースレリアの人口がすごい勢いで増加してるっすから、それを聞き付けた商人達が、特需を狙って出稼ぎに集まってるらしいっす」

「人口の増加ぁ?他の街から流れてるってのかよ?」

「そうみたいっすよ、首都リングルスから、かなり来てるみたいっす」


リンクス連邦首都リングルスは、二ヶ月前の軍事クーデターで甚大な被害を負いはしたが、早期に鎮圧されたお陰で今では普通に暮らす分には全く問題はないと聞く。

復興したばかりの首都からどうして、街の規模としてはそれほど大きくないグリースレリアに集まっている?

それは、私的な見解だがとアズキが答える。


「人は強い人の庇護を受けていたい生き物っす。

 クーデターで荒らされたばかりのリングルスと、只今最強の傭兵が滞在中のグリースレリア。

 どっちが安心して暮らせるかと考えれば、っす」

「けど俺達がこの街にいるのはあと1ヶ月だぜ?何も引っ越す理由にはならねーだろ」

「それでもっすよ。まだ80年続いた大戦の不安は人々から拭いきれてない。

 それに、感傷的な理由だけじゃないっすよ。

 カイリがやって来てから、グリースレリアの経済はこれまでの倍近い成長をみせているらしいっす」

「急激な経済成長だぁ? なんだってまた?」

「カイリが居る所に人が集まって、その人数分だけの消費の増加。

 家屋の建設による生産、雇用の増加。

 さっき言った商人の特需も相まって、この2か月でグリースレリアの経済は、

 領土面積は倍は差があるリングルスを超えたっす。

 あとはまだ噂程度なんっすけど、リンクス連邦は遷都を考えているそうっすよ」

「遷都ぉ? まさか、ここを首都にするってぇのか?」


遷都、国の首都機能すべてを別の場所へと移動させるという、歴史に記される程の政策。

もちろんそう簡単にできる事ではなく、その後のデメリットを考えればよほどの理由でもない限り行わないはずだ。

そんな事を政治家連中がわかっていないはずがない、

つまり、デメリット考慮してもメリットがあると判断されたという事になる。


「リンクス連邦はこの特需を、カイリが居なくなってからも維持したいと考えてるっす。

 遷都する事で、混乱を招いた旧政権からの脱却をアピール。

 グリースレリアの首都化に伴って、さらに雇用と生産は拡大。

 老人連中の脚の引っ張り合いの内乱を機に、リンクス連邦は戦後最大の経済成長を狙ってるってとこっすか」

「これまで国を支えてきたジィさん達を否定することで、

 リンクスを大きくしようってか。

 改革派やら保守派の争いからそんな結果を生むとは、皮肉なもんだな」


それが時代の流動というものなのだろう。

これからリンクス連邦がどう変わっていくかは、まだわからない。

ただこの革命には、これまでの歴史と比べて大きな異常な点がある。


「状況がかみ合ったとはいえ、今回の改革に大きく影響を与えたのはカイリの奴なんだよな」

「そうっすね。もし数年後、リンクスが今まで以上に大きく栄えたのなら。

 カイリの世界への影響力は戦後になっても続いてる事を、何よりも証明するっす」


無メイの乖離の存在価値はもはや単純な武力の枠を超え、政治経済に大きな影響を及ぼしている。

まるで文明が未発達だった時代のシャーマニズムのように。

つくづくとんでもない男とこれからの道を歩むのかと、アズキと茶歩丸はお互いに難しい顔でうなっているが。

まだこの一人と一匹があずかり知らぬところでも、その影響は大きく働いている事には気が付いておらず。

それを思い知らされたのは、コテージまでの帰り道をもう少しだけ歩いた時の事だった。

グリースレリアの主要な施設である大きな港の近くをいつも通るのだが。

もうそろそろ日が暮れはじめている時間だというのに、なにやら遠くに見える港には多くの人がごった返し。

帰港したばかりのグリースレリアのエンブレムがついた軍艦から降ろされていく荷物に群がっているではないか。


「ありゃぁ、たしか二か月前にヴェイグのおっちゃんが乗っていった船じゃねぇか」

「という事は、ヴェイグさんが帰ってきたわけっすか。

 ―にしても、どこ行ってきたんっすかね?」


ダルマックを処刑した後すぐ、ヴェイグは「しばらくリンクスを離れます」と告げ、

軍艦に乗ってどこかへ旅立ったと聞いてはいたが、どこへ行ったかは聞いていなかった。

彼はあの英雄ハンクスの直系の子孫。

今回のリンクス内乱を鎮圧した功労者の一人として発表されており。

ハンクスの血筋はまたしても国を救ったのだと、無メイの乖離に比べれば劣るが、称賛された者の一人。

出迎えに大人気で大騒ぎなら納得。

―いや、違う。群衆の身なりは彼らが商人である事を示している。

運び出される荷物にへばりついては、我先に買い付けようと遠くからでも相当な気迫を感じさせ。

そこまでさせる荷物はいったい何なのかと気になって少し近づいてみると。

荷物の中にアズキは見慣れた物を発見した。


「あれ、反物たんもの?」


このあたりではお目にかかれない、アズキの故郷”倭本”特有の布生地。

また珍しいものを仕入れてきたなと思った隣で、茶歩丸も見知ったものを見つける。


「おいあれ、和箪笥じゃねぇか?」

「・・・ちょっとまって、じゃああの船、倭本に行ってたっすか!?」


いったいどういうことかと、アズキと茶歩丸は駆け足で船へと近づく。

ここまでくればもう見間違えようがない。

船から降ろされている荷は、倭本で作られた工芸品や芸術品、はたまた独特の反りが特徴の刀などの武器。

まさかこんな遠い異国の地で見かける事になるとは。

群がる商人達の目当ての品は、まさにこれらしい。


「おい! この・・・なんだ、この木の収納道具はウチで買い取るんだ! 触るんじゃねぇ!」

「3000、いや4000出す! 譲ってくれぇ!」


と、荷物に群がりながら怒声と撒き散らす商人達の頭上に。


「商人の皆さん!どうかお聞きください!」


大きく響く声が落ちてくる。

その声の主は、軍艦の甲板の上に立つヴェイグだった。


「申し訳ないが、今日はお引き取り願いたい。

 これらは貴方方商人達が事前に情報を入手した通り、倭本から持ち帰った品々ではありますが。

 政府のほうで預からせて頂く物であり、この荷はすべてリンクス連邦の管理下に置かれています。

 市場流通の予定はありません」


えー! と大きな不満の声と、続くブーイングが沸き上がるも。

それをヴェイグはわかっていたようで、先手を打ち。


「明後日、同行した交易商の船団が帰ってきます!

 あなた方がご所望の品も多数積み込んであるようです。

 しばしお待ちいただきたい!」


なるほど、国と商人達による情報戦から、このような大混乱が生じているらしいというのはわかった。

倭本の工芸品は確かに珍しく、高く売る事ができるだろう、それ故のこの大騒ぎかと。

アズキと茶歩丸がなるほどと納得しかけたところで。

群衆の商人達が気になる声をあげる。


「ちゃんとアズキ様縁の品でしょうね!?」

「え? あたし?」


群衆の商人がヴェイグに投げかけた質問に、なんで自分の名前が?

ヴェイグはその問いかけに、フッと不敵な笑みを浮かべ。


「あのお方は、倭本より参られた高貴なるお立場の姫君と判明した!

 商人達よ、アズキ姫の名に非礼なきよう心がけて頂きたい!」

「ぶはっ!」


ヴェイグは一体なにを言い出すのかと。

注意を促す言い方だったというのに、商人達の目の色はまったく正反対に輝きだして。


「なんだって!? 異国の姫君!?」

「こりゃいい! 高貴な方の縁となれば、お貴族様への需要もあがる!!」

「2万? いや3万も軽い!」


明後日到着するという倭本からの交易品、

なんとしても買い付けねばならない。

そのための下見と、降ろされる荷の前からいつまでたっても解散しない商人達。

彼らに気づかれぬよう、アズキと茶歩丸は気殺で船の背後に回り込み。

手早く飛び乗って甲板へとあがると。

帰らない商人達に呆れて苦笑しているヴェイグの元へと駆け寄り。


「ちょっとヴェイグさん!」

「おや、これはアズキ姫。ヴェイグ・ロン・アムニス。ただいま戻りました」

「あ、お帰りなさい・・・、じゃなくって!」


アズキを姫と呼び、恭しく一礼するヴェイグ。

これはいったいどういう事かと、アズキに比べてまだ冷静な茶歩丸が代わりに問いかける。


「ヴェイグのおっちゃん、倭本に行ってたのか?」

「はい、リンクスに潜り込みダルマック、ボラールの両名と接触していた疑いのあるスパイ。

 オボロなる者に関して、あちらの国に問いたださねばならない事がございましたので」


オボロ。二か月前の内乱でダルマックを唆した倭本の間者。

アズキはあの男を逃がしたと思っていたのだが。

あの後、ヴェイグ達おもてなし部隊が仕留め。

ズタズタに引き裂かれたオボロの遺体を本人確認してほしいと言われたとき、驚いたのは記憶に新しい。

あの男がアズキを始末するためだけに異国までやってきたわけではなく。

リンクス連邦にもなにかよからぬ事をしようとしていたとは聞いた。

この国からすれば重要な案件だろう。

だが、この目の前においてある倭本伝統の収納用具、行李はそれとは関係がない。


「じゃあ、その荷物は?」

「ええ、ついでにリンクスと倭本の交易の約束を取り付けさせて頂きました」


しれっと、気軽についでというヴェイグだったが、それはおかしいと茶歩丸は気づく。


「交易ぃ? ちょっと待てよ、倭本は帝の命令で他国との国交を断絶してるはずだぜ?

 いきなりホイといって、サッと取り付けれるもんじゃねぇだろ?」

「えぇ、鎖国という国政だったそうですが。

 天の御使いと称される帝といえ人の子。

 ”身内以外に知られるとよくない事”のひとつやふたつ、ありますから」


笑顔で、とんでもなく物騒な事を飄々と言ってのけるヴェイグ。

おそらくオボロから―あの男は死んでも口を割るような男ではないため、なんらかの方法で情報を抜き出し、倭本に脅迫でもかけたのだろう。

なんという男かと驚愕するアズキと茶歩丸に、いやいやと取り繕うように続けるヴェイグ。


「まぁ、倭本としても国交断絶に限界を感じていた頃合いだったそうです。

 アズキ姫が不安に思われる程、不平等な条約は結んでおりませんよ」

「平等とは言わないところがキナ臭いっすねぇ。

 で、そのアズキ”姫”っていうのは、なんっすか?」


何よりも一番気になるのはその呼称だ。

確かにアズキは倭本に居た頃はそう呼ばれていたが。

いきなり他国の者に姫と敬称をつけられるような社交的な立場ではなかったはずだ。

いや、その呼ばれ方をアズキは嫌っている。

それはヴェイグも表情から察しているはずなのだが、

申し訳ありませんと謝罪するだけで言い直しはせず。


「倭本の外交官殿の言葉を一言一句違わずお伝え致します。

 『無メイの乖離の傍に居る女忍者は、我が国の希少な血統故にこれまでその存在を公には出来なかった者。

 アズキ姫に違いありません』と」

「いけしゃあしゃあと、今更」

「『抜け忍への制裁行為も、オボロ含め一部の忍軍幹部の独断によるものであり、倭本としてはアズキ姫の無事を何よりも案じるものである。

 つきましては謝罪と釈明をさせて頂きたく、アズキ姫には無メイの乖離と共に、倭本へとお帰り頂きたい』だそうです」


倭本はアズキの生まれを利用して、無メイの乖離との関係を持とうという魂胆なのだろう。

見え透いた手口だ、もちろんアズキはそれに乗ってやるつもりはない。


「人違いっすね。あたしはアズキ姫なんて知らない。

 同姓同名の別人じゃないっすか?」


自分は倭本など知りませんと言い張れば、連中の腹積もりは崩れる。

そうアズキは思っていたのだが、残念ながらとヴェイグは首を横に振り。


「『天より授かりし力、宝刀・紫百合を鞘から引き抜ける者は、慈恵の血を受け継ぎしアズキ姫をおいて他にはおらず。

 またお付きに人語を語る動物があらば、その方をアズキ姫と疑う余地はない』

 貴女がその刀で我が国最強の騎士、ダルマックを退けられた事はすでに周知の事実です」

「こざかしいことしてくれちゃって・・・」


アズキが母の形見である宝刀を手放せない事を織り込み済みでそう表明したのだろう。

鎖国を解いた倭本は、無メイの乖離の妻の故郷である事を前面に押し出して外交を広げていくつもりか。

何とも言えない苛立ちを抱えるアズキに、ヴェイグは懐から二つの便箋を取り出して差し出し。


「倭本の忍軍頭首、ヒガン殿より預かって来ました。

 一通はアズキ姫に、もう一通はカイリ殿に」


聞きたくもない父親の名前が書かれた便箋。

いっそここで破り捨ててやろうかと思い手を伸ばすアズキだったのだが。

茶歩丸が割って入り、2通ともひったくるように奪い。


「カイリには俺から渡しとく。

 お前も読む気になったら言え、渡してやる」

「読みたくない、捨てて」

「・・・今のお前の立場を考えろ。

 不本意だろうがな、お前は倭本の姫にされちまってる。

 ここで下手に情報を蹴っちまうと、連中はおめぇの名前を利用して何しでかすかわからねぇぞ?

 そうだろ、ヴェイグのおっちゃん?」

「ええ、ここはしばらく、あちらの出方を伺うに留めたほうがよいかと」


ヴェイグがアズキの事を姫と呼ぶのもそれが理由だ。

倭本がアズキを立場ある者として表明した以上、外交取引を行うヴェイグは、彼女を一国の姫君として扱わざるおえない。

従者とお世話になってる相手のお説教に、不満そうな表情を隠そうともせずにアズキは。


「あんな辺境の島国、世界になんの影響力があるっていうんすか?

 ほっときゃいいんっすよ」

「アズキ姫。それを公の発言とされた場合、倭本は戦火に焼かれる事でしょう」

「ど、どういう意味っすか!?」


なんであの国が嫌いと言っただけでそうなるのか?

わけのわからない脅しだと突っぱねようとするアズキだったが、ヴェイグは一切の遊びが無い真剣な声で。



「いま貴女が会談されている外国の使者達は、アズキ姫、ひいてはカイリ殿との接点を持とうと躍起になっております。

 思い出してください。先日、このグリースレリアを襲おうとした狂信者達が現れた時。

 そして、あの方がリングルスへ向かっただけで、あれほどの兵力を出兵させた使者団達の思惑を」


全ては無メイの乖離への機嫌取り。

自分達は敵ではないと証を立て、あわよくば自国に招かんとする彼ら。

もし、無メイの乖離にとって明確な敵が世に現れたとすれば、彼らは何をする?


「私の敵を、自分達にとっても敵だとして、倭本に攻撃を仕掛ける・・・?」

「アズキ姫の敵となれば、カイリ殿にとってもそれは同じ。

 お二人の敵は我らにとっても敵であると証明できる絶好の機会。

 誰もが剣を手に、倭本は世界からの攻撃を受けるでしょう」


最強の傭兵と共にあるという事の意味を、嫌いな故郷という形で突きつけられて歯噛みするアズキ。

あの国は嫌いだ、いまさらなんの未練もない。

だが、だからといって、自分の感情だけで大勢の人間が死ぬ?

それを許容できるほどアズキは冷酷な人間ではない。

押し黙ってしまった少女に、ヴェイグは諭すような口調で。


「アズキ姫、カイリ殿と添い遂げられるという事は、

 貴女はもう政治と無関係ではいられない。

 それをわかっているから、各国の使者団との会談の場を設けられたのでしょう?」


わかっている、ヴェイグの言う通りだ。

カイリと共に居る以上、政治的な問題が生じてくるのは避けられない。

今の世の中、たった一人で戦争を終わらせた者、

無メイの乖離という概念自体が政治の中心となりつつある。

もしカイリがどこかの国を指定して『攻撃する』と宣告すれば、

ありとあらゆる国の兵力が結集し、対象を殲滅しよう。

アズキはもう無関係ではない、自らが望んで彼の傍にあろうとしているのだから。

わかっている、それでも、やりきれない感情だってあるけれど。


「・・・わかったっす。

 ただし! 倭本の連中が少しでもふざけた行動をとろうものなら、

 あたし自ら潰しにいくからって、今度そう伝えておいてくださいっす」

「かしこまりました。近々倭本からの使者が到着いたしますので、その際にお伝えしておきましょう」

「へー、じゃああたしも、いろいろとたーっぷり、聞いておかないといけないっすねぇ」


丁度いい機会だ、あの時オボロが使った鬼とやらの生物兵器を含めて、直接問いただしてやりたい事もいくつかある。

いっそ開き直って姫という立場を利用してやろうと悪い顔で笑うアズキ。

政に携わるならばそれぐらいのほうが良いとヴェイグは頷いてから、話題を次に移す。


「それと、倭本でいくつか私も調べを進め、アズキ姫にお話しと確認をさせて頂きたいのですが。

 申し訳ございませんが、これから早急に議会に帰還の報告をせねばなりません。

 後ほどコテージのほうへとお邪魔させて頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」

「あたしに話っすか?

 倭本の内情に関してはそんなに詳しくはないっすけど・・・」


倭本の事、確かにいろいろ気にはなるが、改めて聞く事がなにかあるのだろうか?

それにアズキとしても、忍軍の事以外はそれほど知らされていない立場だし。

つくづく祀り上げられただけの姫君だなぁ、などとぼんやりと自分の事を分析するアズキにヴェイグは。


「お話は倭本の事ともう一つ、天の滴についてです」

「・・・そりゃ、聞かないわけにはいかないっすね」

「それと失礼ながら、カイリ殿もアズキ姫も天の滴に関してはそれほどご理解がないと見受けられますので。

 これを機会に、お話をさせて頂こうかと」


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