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それからの一月は訓練、訓練、また訓練の毎日であった。

父リチャードを筆頭に領軍の猛者達を相手に、ひたすら『殺しあい』をしていた。


神子達から話を聞いたのか、忙しいだろうに各国の将軍達まで訓練の相手になるために、わざわざ来てくれた。

皆実践経験豊富な方々である。

ミーシャ達は毎日ずたぼろになりながら、それでも諦めずに粘り続けた。


周囲の支えもあり、なんとか一月耐えきることができた。






ーーーーーー


公開お説教から丁度一月後。

いよいよ『第1回チキチキ!伴侶の座を射止め!絶対死なない殺しあい大会』が開催される。


場所は王宮近くの闘技場で行われることになった。観客席は出場者関係者やただの見物客ですし詰め状態だった。


ミーシャ達は試合前に控え室で武器の点検や柔軟をしていた。

ロバートは試合には出ないが、手伝いとして、一緒に控え室にいた。彼は飲み物やタオルなどの準備をしていた。



「ミィ。ヒビはいってる肋骨大丈夫?」


「問題ないわ。動ける」


「マーシャルは?鎖骨のとこの」


「痛み止め飲んでるし、まぁなんとかなるよ」


「いざとなったら、ちゃんと棄権するんだよ。命あっての物種だからね」


「分かってるよ」


「勝てばいいのよ、勝てば」


「そうだけど、あんま無茶しないでね」


「分かった」



試合開始時間が迫っていることを伝えに来た者の後を追って、控え室を出た。


いよいよ本番が始まる。






ーーーーーー


ミーシャ達が控え室にいる頃、特別席には土の王と土の神子家族、他の神子達が勢揃いしていた。



「ミーシャちゃん達大丈夫かな?」



火の神子リーが心配そうに呟いた。



「大丈夫じゃないか?あれだけしごかれたんだから」


「ちょっと引くぐらい鍛えられてたからな」



風の神子フェリや水の神子マルクがのほほんとお茶を飲みながら、リーの呟きに応えた。



「うーん。そうかもしれないけど、怪我とかしなきゃいいなぁ」


「大丈夫だ。四竜もついている。即死さえしなければ俺がなんとかする」


「マルク、頼もしいね」


「一応、医者の端くれだからな」



マルクが照れたように微かに笑った。


もうすぐ試合が始まろうとしている。

リーは自分まで緊張してしまうのを感じながら、開始時間までずっと時計と闘技場との間を視線を行き来させていた。






ーーーーーー


試合開始時刻になり、選手が全員闘技場に整列した。

王から激昂の言葉があり、試合はいよいよ始まった。


皆、固唾を飲んで見守っている。


ミーシャとマーシャルは2人同時に、一度に5人の相手と戦う。時間制限はなく、相手を戦闘不能にするか、一段高くなっている闘技場中央から外に押し出せば勝利となる。



審判の開始の声と同時に、念のため張られていた闘技場を覆う結界が微かに震えた。そして一瞬の間に、2人に対して並んで構えていた5人が闘技場中央から吹き飛ばされた。



何が起きたのか分からなかった者も多くいただろう。それだけ、彼女達は早かった。



マーシャルが呆然としている審判に声をかけた。審判はハッとすると、高らかにサンガレア姉弟の勝利を宣言した。






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