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最後の召喚  作者:
番外編
18/24

番外編その2 花開く時-北国編-第2話

ある日、マリエ様の私的なお茶会にジュリがお呼ばれした。


「マリエ様、そのお茶とお菓子は食べないでください!」


先日新しく入った侍女が用意したお茶とお菓子に伸ばそうとしたマリエ様の手をジュリは強引に掴んで止めた。

「このお茶とお菓子には毒が入っている」

ジュリの言葉にお茶を用意した侍女が持っていたポットを捨て逃げ出そうとした。

しかし、ジュリの言葉を聞いていた護衛がすぐさまその侍女を取り押さえた。

ジュリは侍女の傍らに跪くと冷たい声を出した。

「……まさか貴女がこんな真似をするとはね。私を側室殺しの犯人にしろって『神子』に唆された?言うことを聞けば男の傍に居させるとか言われた?」

今まで聞いた事がないジュリの冷たい声に周囲の温度が数度下った気がした。

「…………」

「ねえ、そんなに側妃様たちが羨ましい?」

「…………」

「兄弟や婚約者に裏切られ、『神子』へ忠誠の証として供物のように王に売られ、捨て置かれ外部との接触も制限されている彼女達が本当に羨ましい?」

ジュリの言葉に侍女は目を見開いた。

侍女の顎に手を添えて上向かせるジュリ。

前髪の隙間から見えたジュリの瞳には光はなく、暗い闇が宿っているようだった。

「せっかく逃がしてあげたのに……バカな子」

顎に添えていた手を離すとジュリは護衛騎士に侍女を連れて行くように指示していた。


場を騒がせたことを詫びるジュリはいつものジュリに戻っていた。

中庭で行われていた茶会は中止し、マリエ様の部屋に場所を移すことにした。


部屋に入るとジュリは素早く部屋に結界を張った。

透視も盗聴も遮断するという結界だという。

ジュリはマリエ様の足元に跪くと深々と頭を下げた。

「この度はマリエ様を巻き込み申し訳ありません」

そんなジュリにマリエ様は小さく微笑むとジュリを立たせ、向かいのソファに座らせた。

「ジュリ様、この度の茶番を私を城から出すために利用するつもりですね」

きっぱりと言い切るマリエ様にジュリは苦笑しながら頷いた。

「私を毒殺しても彼女が側妃になれるわけではないのに……」

小さくため息をつくマリエ様。

「彼女は……彼女もまた『神子』の被害者なのです」

俯くジュリにマリエ様はジュリの両手を握ると詳しく話すように促された。

「彼女は辺境伯の娘で、彼女の婚約者が『神子』信者になり、婚約を破棄されたと聞いています。ただそれだけならば彼女も諦めがついたでしょう。しかし、元婚約者は『神子』によって側妃にされた方達の元婚約者たちが『神子』の傍に最も近くにいるという話を聞き、彼女にも側妃になれと言われたそうです。しかし、後宮にはすでに国が定めた側妃の定員……5名の側妃を迎えている状態。これ以上は後宮に人を入れることは不可能。しかし、彼女が側妃にならなければ元婚約者は『神子』の近くに侍る事が出来ないと思っていた。そこで、元婚約者は彼女に今いる側妃を殺してでも側妃になれと言ったそうです。その話を聞いた私はバカなことをするなと彼女を諌め、辺境の地で平穏に暮らすように説得しました。しかし……無駄だったようですね」

今にも泣きそうなジュリの声にマリエ様はジュリを抱きしめた。

「ジュリ様はなぜ、ご自分に関係ない事にまで手を伸ばされるのです?」

「私は面倒事に巻き込まれるのは避けたいです。本当は関係ないと無視することもできます。だけど……」

ジュリの瞳から一筋の涙が零れ落ちた。


「同郷というだけであんな女と同じに見られたくないんです」


『あの女』とジュリが誰の事を指しているのかこの場にいる者は全員気付いたが何も言わない。

「人の幸せを平気で壊し、その上に胡坐をかくような人間だとは思われたくないんです。偽善だと言われようが……あの女に狂わされる彼女達を放っておけなかった」

俯き、必死に涙を止めようとしているジュリにマリエ様は微笑まれた。


「ジュリ様はあの女とは違います」


「え?」

「私にとっての『神子様』はジュリ様ただ一人。異世界の人間などどうなろうと捨て置けばいいのに親身になってくれるあなたこそ『神子様』だと私は思っています。昔、女学校で『神子』の事を習いました。『神子』は苦しむ民を救うために神より遣わされた『神の子』。決して、きれいな服を着て、おいしい料理を食べ、大勢の異性に囲まれているだけの人形は『神子』ではありませんわ」

「マリエ様……」

「さあ、ジュリ様。この毒殺未遂事件をうまく利用しましょう」

微笑まれているマリエ様の笑顔に若干黒いモノが混じって見えるのは気のせいだろうか。


少し時間を置き、落ち着いたジュリはすぐさま計画を立てた。

「今回用いられた毒は遅効性。即効性の毒ではなかったので後程倒れたとしても問題はありません」

「……今夜あたりに苦しみ出せばいいかしら?」

「いえ、明日の朝以降に。夜だと私が駆けつけられません」

「……ジュリ様、まだ魔獣討伐に?」

眉を顰めにマリエ様にジュリは苦笑しながら首を横に振った。

「今は討伐ではなく、魔獣達の住処を作っています」

「魔獣の住処?」

首を傾げるマリエ様と私にジュリは地図を取り出しとある森を指した。

「この森……通称『闇の森』はもともと魔獣の聖域だった。だが数年前、とある発掘師が道に迷い『闇の森』に迷い込んだ時に魔石を発見した。今迄の魔石の数倍の威力を持つ魔石に人々は目の色を変え、大挙して『闇の森』を荒らし魔獣の住処を破壊した。その結果が、魔獣の大量発生です」

「初耳です」

驚くマリエ様にジュリは小さな笑みを浮かべ、地図の一カ所を指した。

「魔獣は自分たちの聖域を荒らされたことを怒り、人間を襲っていたにすぎません。そこで、新たな『聖域』を作ることで魔獣との間に協定を結びました。もちろん非公式にですが」

「え?魔獣と協定?どうやって?」

「魔獣も上位魔獣になると人間の言葉が話せるのです。この事は神殿所蔵の『魔獣辞典』に書かれていました。今まで誰も書庫の書物に手を付けていなかったため知っている人がいなかったのでしょう。むしろなぜ手に取らなかったのかを私は知りたい。神殿に納められている書物には過去に起きた災害の対処法なども記載されているのに……」

ブツブツと文句(?)を言い出したジュリにマリエ様もうんうんと頷いている。

そういえば、マリエ様のイトコ様が神殿で神官見習いしていると話していたような……

「つまりは、神殿の人間が書庫に収められている書物に目を通していれば『神子召喚』もなかった?」

「極論で言えばそうですね」

苦笑いをするジュリにマリエ様は眉を顰めた。

「本来ならこの国の人間だけで対処できたということですね」

「それは分かりませんが……ここまで被害が拡大することはなかったかもしれません」

地図を眺めながらマリエ様は深い溜息を吐いた。

「それで、新しい『聖域』を作ることで魔獣たちは人間に危害を加えないと?」

「ええ、念のために新しい『聖域』に術を施すことにしました。人間が足を踏み入れても元の場所に戻る術です」

「……『聖域』に入ろうとしても入れないということ?」

「はい、魔獣たちは『聖域』内であれば自分たちで食料などを調達することは可能だという事なので人間さえ足を踏み入れなければよいと提示してきましたので」

ジュリから聞かされた話は到底信じられるようなことではなかったが、数年後、ジュリの話が本当であることが証明されることとなる。



「話がそれましたが、マリエ様には明日の朝以降に行動を起こして頂きたいです。しかし周囲の目を欺くためにも今夜から少し気怠いとか胸が痛むとか言って早めに寝室にお入りください。寝ていれば時期に収まるだろうから医師は不要とも」

「そして、翌朝の……そうね、朝食の時にでも倒れましょうか」

「わかりました。私もそれまでにはこちらに戻ってきます。ジュリエッタ」

「あ、はい」

呆然とジュリとマリエ様の会話を聞いていた私に声を掛けてきたジュリ。

「ジュリエッタ達には一芝居打ってもらう事になるけどいいかな?」

「え?」

その後、ジュリから聞かされた話に私をはじめ、侍女全員が協力することとなった。

ジュリはいつの間にかマリエ様付の侍女全員を味方に付けていた。

気位の高かった貴族のお嬢様だった侍女たちも今ではジュリの良き友人となっている。

恐るべし、天然人たらし。



結果から言えば、策は成功した。

まさか、マリエ様に仮死の術を掛けて死んだと見せかけて城から出すとは……

ジュリ曰く「過去にあった出来事を参考にしただけ」だとか。

そういえば、ジュリって歴史書を読破したとか言っていた気がする。

多分、歴史書以外の書物も読破していると思われる。

魔導士協会所有の書物はとっくに読破しているだろうな。

あとは神殿とか神殿とか神殿とか……


国王陛下は『神子』に夢中になり王妃や側妃達には無関心になっていたためにできた事だとジュリは言っていた。

宰相たちにはどう納得させたかと言えば

「『死』は穢れ。『神子』の近くに穢れはあってはならない。早く側妃の遺体を城から出さないと『神子』に影響が出るかも……」

と大げさに言ったら速攻城から棺に納めて出すように命令が出たという。

棺に付き添うのは側妃付の侍女数名と埋葬見届け人としてジュリが選ばれた。

ジュリに関しては『神子』代行らしい。

城から遠く離れた墓地(馬車で半日ほどの場所にある由緒正しき王家所有の教会)でジュリはマリエ様に掛けた術を解いた。

奇跡的に生き返った(・・・・・・・・・)マリエ様はそのまま教会で過ごされることとなった。

一度『死』の認定を受け、城を出た以上、たとえ生きていたとしても戻ることができないからである。


その後、マリエ様付の侍女だった半数が少しずつ時期をずらしてマリエ様のいる教会に身を寄せるようになった。

私は城の様子をマリエ様に伝えるという任務を与えられたため城に残ることとなった。



城に残った私は他の側妃様の間を行ったり来たりしながら過ごしていた。

他の側妃様方もマリエ様同様の立場だったとこの時やっと理解した。

側妃同士の交流が少なかったので。

王も『神子』信者と成り、全ての物事は『神子』中心になり、『お飾りの王妃』と陰口を言われるようになったと嘆いていた王妃様は側妃様に協力的だった。

(側妃と言っても一度も王のお渡りがあったわけではなく名前だけだったことも王妃が側妃側についた理由の一つだろうとジュリは言っていたが本当のところはわからない)

マリエ様が生き返ったことは教会内だけに留められている。

王妃様もほかの側妃様もマリエ様が生きていることは知らない。

その為、表向きはマリエ様は毒殺されたことになっている。

マリエ様が毒殺された事により側妃様方の間では次は誰が殺されるのかと恐怖が渦巻いていた。

ジュリはその恐怖を意図的に煽り、次々と側妃達を城の外に出そうと計画していた。


しかしその頃、国王陛下が王子に王位を譲渡するという話が出てきたのをきっかけに側妃達が『暇』を申し出たらそれほど混乱はなく側妃達は無事に全員城の外に出ることが出来た。

呆気ないほどに……



『神子』とジュリが北国に召喚されて6年。

次期国王には第一王子が決定し、その妃には『神子』が選ばれた。

その報告を受けた時、ルカジオ様は『この国は崩壊へのカウントダウンを始めたようなものだ』と呟いていた。

そのつぶやきを聞いたジュリは「だけど、それがこの国の選んだ未来。受け入れるしかないわよ」と平坦な声で呟いたとか。


王位譲渡の前日。

ジュリから元の世界に戻るという報告を受けた。

ルカジオ様が『帰還の術』を完成させたという。

ルカジオ様は昨年、魔導士協会の会長に就任された。

今迄は血統重視だった魔導士協会を数年かけて実力重視に変え、一番魔術に長けていたルカジオ様が会長職に就いたというわけである。

ルカジオ様はジュリにその地位に就いて欲しかったらしいがジュリから

「私はこの国に骨を埋めるつもりはない。『帰還の術』が完成次第元の世界に戻る」

と断られたそうだ。


そして、王位譲位の日。

ちょうど神の力がみなぎるという満月の日に帰ると。


『帰還の儀』は静まり返った神殿内で行われた。

(譲位式・戴冠式は城内の教会で行われるため神殿内は最低限の神官しかいない)

見送りは私とルカジオ様の二人。

他にも希望者がいたのだがジュリから大勢の人が神殿に集まったら『神子』に怪しまれる(バレる)からダメだと念押ししていた。


「ジュリエッタ、ルカジオ様。今までありがとう」

『帰還の術』が発動し始めるとジュリが笑みを浮かべた。

「それからごめんなさい」

そう呟いた瞬間、ジュリの姿が消えた。



『神子』が王妃になること自体は別に珍しい事ではなかった。

過去にも幾人かの『神子』が王家に嫁いでいる。

しかし、今回と過去の『神子』は徹底的に違うことがあった。


『神子』の功績である。


過去の『神子』の功績は常に書物に記されてきた。

しかし、今の『神子』の功績は記されていない。


後日発表された『神子』の功績が『神子』ではない人物が行っていたことを知っていた人々は王家・神殿に不信感を募らせ始めた。

その不信感は少しずつ少しずつじわじわと広がっていった。


そんな中、私は王妃付の侍女になる様、侍女長に懇願された。

貴族の行儀見習いのお嬢様方が誰も王妃付の侍女になりたがらないという。

私が平民出身だと訴えても侍女長は毎日のように私を説得させようとしていた。


マリエ様に相談したら王宮内の様子を探る為にもお願いしたいと頭を下げられた。

身分を理由に断ろうとしたら

「姉君、ジュリエッタが王妃付の侍女を辞退したとしても、僕と結婚して魔導士協会会長夫人、セルベラ男爵夫人として社交界に出るという手もありますよ?」

とルカジオ様に言われました。


はい?

今さらりと何か重要なことを言われたような……?


「まあ!それはそれで素敵ね!ジュリエッタが義妹になるのね!」

手を叩いて喜んでいるマリエ様。

あの……どうしてそのような話が……?


「ジュリエッタ。王妃付の侍女になるか、僕と結婚して堅苦しい社交界に出るか選んでください」

にっこりと……だけど真っ黒なオーラが漂うルカジオ様の様子に速攻で王妃付の侍女になることを選択した。

その答えを聞いたルカジオ様は小さく舌打ち居た後、さらに笑みを深めると

「わかりました。王妃付の侍女、頑張ってくださいね。協力できることはしますので……ああ、でも僕は諦めが悪いので覚悟しておいてくださいね」

と堂々(?)と宣言され現在に至る。



***


「……というわけで、ジュリ様と出会わなかったら王妃付になることもなかったのよね」

「なるほどね。平民出身のジュリエッタが王妃付の筆頭侍女になった理由は分かった。で?」

「ん?」

「セルベラ様からの求婚はどうするの?7年も粘るセルベラ様もセルベラ様だけど、返事を伸ばすあんたもあんたよ。とっくに適齢期は過ぎているのよ?もう25よ?わかっているの!?」

「!?」

「セルベラ様って男爵と爵位は低いけど魔導士協会の会長だし、御実家の領地は品種改良した農園や荘園で土地豊かだし、隣国との貿易も盛ん、領民からの信頼も篤い。資産は侯爵家並に潤っているという噂だけど……こんな優良物件に返事を曖昧にしているの?」

そう、ルカジオ様は魔導士協会の会長になってから社交界でも有名になった。


時々お茶をするけどそのたびに

「財産目当ての令嬢ばかりでウンザリする。ジュリエッタ、早く僕の所に嫁に来てください」

と言ってくるのだ。

またマリエ様も

「うちの弟じゃ不服?なにが不満なの?」

と黒い笑みで威圧……もとい、脅し……じゃない、ルカジオ様との仲を取り持とうとするのだ。

別にルカジオ様の事は嫌いじゃない。

マリエ様の件でいろいろとお話しするうちに心惹かれていったのは事実。

だけどやっぱり……


「まだ、身分にこだわっているんですか?」


「!?」

突然背後から声を掛けられびくっとなった私の両肩によく知る手が乗っかった。

後ろを振り向けない私の代わりに周りの席にいた仲間たちが生暖かい視線を送ってくる。

「僕も両親も身分など関係なくあなたを嫁に迎えたいと言っているのに……」

はぁと大きくため息をつく背後の人。

「あ、そうそう。ジュリからの手紙を預かってきました」

目の前に差し出された一通の手紙。

そこには懐かしい文字がつづられていた。

思わず後ろを振り返ると満面の笑みを浮かべているルカジオ様が立っていた。

「中央国でジュリが使っていた部屋にこの手紙が残されていたそうですよ」


ルカジオ様から受け取った手紙。

懐かしい文字に薄らと涙が浮かんでくる。

ジュリの手紙にはたった一文だけが掛かれていた。


『自分の気持ちを信じて突き進むのみ!』


たったこれだけである。

だが、この手紙が私の背を押してくれたのは事実。


そして、この国が生まれ変わる第一歩にもなった………………らしい。








数十年後

北国は今の王家を廃し、新しい王家を興した。

しかし、王に政の決定権・独断権を与えなかった。

政治は各領地の代表が中央で話し合うという議会制に移り変わっていったという。

初代議長には国一の資産家であり、魔導士協会の会長の子息でもある青年が就いたとか。

彼の手腕は両親の友人に似ていると言われていたが、誰一人としてその者の名を上げることはなかった。

ただ、その人が自分たちに残してくれた功績を胸に刻み、新たな国造りに尽力を注いだという。



特筆することではない事かもしれないが、この改革の中心にいたのが【奇跡的に死の国から舞い戻った側妃と『真の神子』に助けられた人々】であったと歴史書の一文に書かれることになる。









余談

え?『神子』と呼ばれていた王妃様ですか?

すみません。

結婚を機に侍女を退職したので詳しい事は知らないのです。

ただ、侍女仲間や後輩たちからもたらされた情報によりますと、散々『自分が神子よ』と騒ぐだけ騒いだ後、北国の中でも最北にある離宮にて夫(国王)や取り巻き達(偽物の『神子』だと判明しても侍っていた者達)と共に生涯暮らすことになったとか。

最北にある離宮って……周りには鬱蒼とした森しかなかったような。

そして、なにより魔獣の新しい『聖域』に近かったような気がします。

華やかな世界に住んでいた人が耐えられるのか不安ですが……周りが何とかするでしょう。


まあ、お気に入りの取り巻き達を連れて行ったので王妃様的には満足なんじゃないんですか?


あ、取り巻き様方は全員、一族から絶縁されたそうです


以上、いらぬ情報でした。



余談2

王妃様がジュリを執拗に殺そうとしていた理由をルカジオ様から聞いた時、

「ねえ、王妃様の食事に毒混ぜてもいい?いいよね?だって『神子』なら死なないよね?」

と真剣にルカジオ様に相談したのもいい思い出です。


だってね~

ジュリが北国いた時はお気に入りの騎士を自分の方に振り向かせるために、ジュリを酷使して肉体的にも精神的にも殺そうとしたり、暗殺者を仕向けていたとか。

中央国に現れたジュリに対しては自分の功績が他人のモノだと知られるのを防ぐためだとか。

もう国民のほとんどが公表された『神子の功績』が他人のモノ(ジュリの功績)である事は知っているのにね~

知らないのは脳内お花畑の『神子』の取り巻きだけなのに…………



食事に毒を混ぜることはルカジオ様とマリエ様に断固阻止されたので実行はしていませんよ?

お二人そろって「「あなたを犯罪者にするわけないでしょ!実際に殺る時は実行犯は取り巻き連中の中から厳選する」」と説教(?)されましたので……(苦笑)





うーん、なんか消化不良気味だな……


でもジュリエッタ視点ならこれが限度だし……

ルカジオ視点でも入れればよかったかな……

いや、それをやったら嬉々として暴走するからこれでいいんだよね。


と言った感じで北国編は終了です。


次は元の世界に戻ったジュリ(本名:翼)とクラスメートとのお話(予定)。

北国トリオが新たな生を受けて登場(予定)です。


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