ヒロの改革1
遅くなってすみませんm(._.)m
iPhone5の設定とメール&電話の使用方法を理解実行するのに3時間・・・。
そういえば、機械音痴だったΣ( ̄ロ ̄lll)
「ニア姉ちゃん、ハンバーグ(もどき)・ポトフ(もどき)・温野菜のサラダ(見た事ない野菜だったけど)御馳走様。」
「は~い。いっぱい食べてくれて良かった。そんじゃ片付けてくる。ダンさん、食器ってどこで洗うの?」
そう言うと小さな桶のような物に食器を入れてダンと2人で台所へ消えていくニアにを手を振り笑いながら見送ったヒロは扉が閉まるとすぐに思案顔になる。
どうやら村人たちは俺達がノーラの森の神の加護を得ていると思っているらしい。
なかなか鋭いところを突いているけど本当はこの世界の創造主のおっさんの加護なんだけどな。
まぁ、そう思われても何のリスクもないからいいけど、とりあえず、この村をニア姉ちゃんが暮らしやすい場所にしなきゃな。
ヒロは先ほど村長の家からダンの家へ走りながら見渡した村の様子を頭に思い浮かべる。
多くない家が所々に建ち、村の正面に門と言うのもおこがましい入り口があった。
だがその門周辺には塀もなければ掘もない。ただ鳥居のような門が建っているだけでその役割と言えば村への出入口を示しているに過ぎない。
幸い村の正面の一角以外は切り立った岩肌の山で囲まれている為、村への侵入は必然的に一か所となっていた。
こんな辺鄙な村を襲うような盗賊は居ないかもしれないが、逃亡中の犯罪者が身を潜めるには丁度いいかもしれない。
そこまで考えてヒロはまず村の防御態勢を整えようと決めた。
ダンが居間に戻ってくると早速相談を始める。
「ダンのおっさん。ちょっと聞きたいんだけど。」
「なんだ、急に。」
「当分の食住を頼みたいのと、今後の為に村に掘と塀を作りたいんだが許可はいるのか?」
「お前らの食住は最初から面倒見るつもりだったから何でもないが、いったい何をかんがえてるんだ?」
ヒロの言葉に最初は驚いたダンだが、作る事への根拠などを聞いているうちに納得し村長へ相談をすることを提案する。
「村長に話を通すのは筋だと思うからいいとして手伝いはいらない。村の人には日々の生活の為の仕事があるし、これは俺達の為でもあるから。」
「しかし大掛かりだし大変だぞ。1人でなんて・・・。」
「ダンのおっさん。俺の体力と力、知ってるよね?」
そう言われるとダンは沈黙する。凶暴な獣を一蹴り屠り100kg以上ある荷物を余裕で持って何キロも山道を歩くことが出来るのを一番近くで見て知っているのだから。
きっと他にも見せていない事があるのだろうしな。
不敵に笑うヒロに他の人が一緒だと無茶出来ないからだろうと正確に理解しそれ以上の追及をやめるダンであった。
「材料の木は近くの山から切り出して使っていいよね。ちょっと門の辺りの位置が変わるのも了承してもらって。斧や綱なんかは貸してもらったり用意してもらいたいんだけど。」
ヒロが言う要望を一つ一つ確認し質問をかえしながら計画は完成していく。
2人の意見が纏まり決まったころダンはニアに2階の奥の部屋を2人で好きに使ってくれと言うと早速、村長の所へ出掛けて行った。
ダンが出発するとすることのなくなったニアはヒロを連れて自分たちの荷物を持ち、さっきは覗くだけで済ませた部屋の扉を開ける。
そこには1人用のベットとタンス・長椅子が1つと小さな机があった。
使われている形跡はないものの掃除はまめにされているようで綺麗だった。
「ここってダンさんの家族の部屋だったのかなぁ?」
「きっとそうだね。あの掃除をまめにしそうでもないダンのおっさんが綺麗にしてるってことは大事な人だったんだろう。」
そう言うと2人はそれ以上深く追求することも無く中に入りと2人で使える様に部屋を片付け始めた。
まずベットは1つなので端に動かし隣にビニールシートを使って袋のような物を作るとその中に隣の小屋から失敬してきた干し草を入れ簡易ベットを作る。
掛布団はヒロのコートで野宿の時のように代用した。
そして部屋全体の家具を配置し直して次に自分たちの私物を整理し着の身着のままだった服を着替え終えたころ居間からダンの声が聞えた。
「村長に話を通してた。村長曰く、好きにやっていい。その代り、二日に一回の報告と無理な時や力が要る時はすぐに申し出るようにってさ。」
「そっか。えらくすんなり1人での作業を許可したってことは俺の力量を見るつもりなんだろうな。まぁ見られて困るもんでもないけど。」
「またお前はすぐそう小難しく考える。そんな人の裏とかばっか考えるな。頭が沸騰するぞ。あ、そうそう、村長が2人の食料に関しては村の備蓄から出すとも言ってた。足らない物はその備蓄の一部を村人に交換してもらえってさ。」
ダンはそう付け加えながらヒロの頭をグリグリかき混ぜ豪快に笑う。
ヒロは不貞腐れた顔をしていたがダンの行為に恥ずかしくなったのか少し頬が赤くなっていた。