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主役交代?(笑)  作者: 未満
13/53

ダンの決意

やっと書き上げた文章がエラーで消えてしまいました。

(_ _。)・・・しょんぼり・・

0時投稿を残念し、やっとあげることが出来ました。


 「ねぇねぇヒロ」


 「何?ニア姉ちゃん」


 先程までダンと悪意のないヒロの評論大会を楽しそうに開催していたニアが何かを思い出したように尋ねる。


 「今、どこに向かってるの?」


 「「えぇぇぇぇぇー!!」」


 ニアのあり得ない言葉にハモる2人。

 何で驚かれたのかさっぱり解らないニアは小首をかしげる。

 そのしぐさにヒロが可愛い殺られかけて役に立ちそうにないのでダンが答えた。


 「おぃニア、そりゃぁないだろ。さっきまでの会話でわからんのか?」


 「わからん!」


 ニアの断言にダンは開いた口がふさがらない。

 

 「だって、さっきまでヒロの実態暴露『俺そんな変な実態じゃないから(泣)』してただけだし。」


 確かにその話もしてたがなぁとダンはため息を吐く。

 あの話の流れでどうしてわからないんだ?ダンはこんなニアに四六時中付き合っているヒロに同情した。

 しかし当人は落ち込ませた原因を作ったニアに慰められてヤニ下がり顔が崩れまくっている。

 その様子に、こいつ(ヒロ)に同情するのは金輪際止めようと心に誓うダンだった。




 「ニア、村に土産をもってくんだろ?それを取りに行くんだ。」


 ダンは回りくどい説明や、村以外に今行く必要がある場所が他にどこにある?と言う厭きれを含む言葉も飲み込んだ。

 きっとそんなことを言ってもニアには全く意味がないと学習のだから・・・。



 


 3人がなんだかんだしながらも倒した獣の場所に着いた。

 ニア達が居た世界では一部の人や畜産の学校に通っている人・仕事として行っている人以外の殆どの一般人が一生涯経験することがないであろう動物の解体をダンに任せ見学する。

 流石は普段から猟をして生活をするだけあってダンの手際はよく大きな獣はあっと言う間に複数の部位に分けられた。


 「この獣はめったに奥地から出て来ないし大型で気性も荒い。狩るのも困難だから希少価値が高い。毛皮は王都で高値で取引されるし、爪や牙や骨は硬く丈夫だから加工して武器や防具・道具にも出来る。肉は臭味がなく旨い。どれをとっても土産に申し分ないが、さてどこを持って帰る?」


 一通りの説明をして2人に問いかける。

 使い道のない内臓等はすでにヒロによって土の中で成仏していた。


 「んと全部。」


 ニアが無邪気に答える。


 「おぃおぃ。そりゃあ全部持って帰りたいのは山々だが、村まで結構な距離もあるし重量もあるんだぞ。」


 「でも折角、ダンさんがきちんと解体してくれたのにもったいないもん。」


 その言葉にダンは気づく。ニアが惜しんでるのは物(高価な物品や利益)ではなくて俺の労力が報われないことなんだと。

 

 「ニア、お前って良い子だな。」


 ダンは嬉しくなってニアの頭をグリグリと撫で回す。

 するとヒロがニアの小脇を抱え反対側に移動させてダンから遠ざけた。

 

 「ニア姉ちゃんが良い子なのも可愛いのも当たり前。」


 敵愾心を隠さない子供っぽい行動にダンは初めてこの3人の中で一番年下だったんだとヒロを見た。

 力もあり頭も回るが結局はニアに対する独占欲を隠しもせず、姉の愛情を独り占めしたい子どもなのだと。

 今までは言動や行動・知恵知識や腕力に振り回され2人の今置かれている現状に気づいてやれなかった。気遣ってやれなかったんだとここにきて認識する。

 俺はこの2人より10年以上も多く生きているの大人なのになぁ。

 ダンは改めて2人の力になりたいと心に決めたのだった。




 「真面目な話、全部は無理だ。俺がこの7割を持てたとして後3割を大荷物をすでに持ってる2人に任せられん。」


 ダンの言葉にニアはしょんぼりと下を向く。


 「ダンのおっさん頼みがある。俺の荷物を持ってくれ。その解体した獣は俺が全部運ぶから。」


 「無理だ。全部で100kgを超すんだぞ!」


 止めるダンをしり目にヒロは自分の荷物の中から大きなシートを出すと獣を包みロープをかけていく。

 そしてそれをヒョイと持ち上げ背に担ぎ上げる。

 あまりにも軽い様子で担ぎ上げたのでダンは絶句した。


 「思ったより重くないし両手も空いたから自分の荷物も持てる。」


 背に大きな荷物を担ぎ上げたまま自分のカバンに手を伸ばそうとするとそれは横からさらわれる。

 ヒロが視線を向けるとニアがヒロのカバンを手に持ち、私が運ぶからと抱きしめていた。

 ニア姉ちゃんに持たせられない、私が持つとカバンを奪い合う2人にやっと復活したダンが、俺の仕事だと2人の間からカバンを取り上げるのだった。


 こうしてやっと今度こそ村へ向かった3人なのだった。





読んでいただきありがとうございました。

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