選挙活動の行方(上)
「生徒会長候補の神宮はるみに清き一票を〜!!」
「2年ふふふふ副生徒会長候補の世話野みかんに、ききききき清き一票を・・・」
「神ちゃん、おもちゃは高性能アンドロイドだかから寒いと壊れるよぉ・・・」
今は真冬の午前5時・・・。神と私達の入学早々の選挙活動の真っ最中。学園前の道は当然のことがらんとしていて、さみしい。当然のこと学園の人間はおらず、犬の散歩をしているおじさんに挨拶をしているも同然。
「神。こんな時間に活動したって全く意味ないですよ?もう私、やりませんからねっ!」
「『通行人にも礼儀あり』だぞ、世話役A。」
私とおもちゃは今朝の4時にベッドから叩き起こされ(これは少し過剰か)、10分で神特製ピーナッツバターを舐め、ダッシュで学園まで来たのだ。
「いや、まあご最もですが・・・とにかく寒いんですっ!!」
神の選挙活動は、午前5時~8時半の計3時間半も続いた。
これが1週間も続いたのだが、神は全くへこたれることは無かった。やっぱり違うなぁ。
そして、寒さがピークに達したある日。
《ピーンポーンパーンポーン♪今から選挙の開票を行いますので、生徒の皆さんは体育館に集まってください。立候補者は舞台裏に集まってください。》
あ、今日なんだ。全然気にしてなかった・・・。私、これでいいのか。
「じゃあ、神、おもちゃ、行きましょう。追われないうちに。」
「ああ、そうだな。」
そう。最近、いろんな生徒が私たちを追い回してくる。(あっちはキャーキャーと黄色い声をだしてついてきているだけ)特に男子生徒はしつこい。
「はるみ様、神々しい!(←そのままだ)」「ゆいちゃ~ん、お人形さんみた~い!(←本当にそのまま)」「みかん様、みかん分け合いっこしよ~よ~(←あれっ?)」
うえっ。気持ち悪い。だから、移動するときはいつも走らないといけない。
ただ・・・もし神が生徒会長になれば、そのバカどもの勢力(何それ)は倍増するだろう。できるだけ、神には生徒会長になって欲しくない。
「はるみ様~!」
出たぁっ!
「おもちゃ、世話役A、Bダッシュだ!!」
「あいつら・・・一発ロケットパンチを食らわせてやりたいよぉ。Aちゃん、許可出して。」
「神、なんですかそれ!おもちゃ、ロケットパンチはこらえてっ!」
私たちはBダッシュで体育館の舞台裏へ急いだ。途中で生活指導の先生に怒鳴られたが、「はるみ様のせいでは無いです!俺らのせいです!」とバカどもが庇ってくれた。フン、せいぜい私らのしもべになっとけ!
こんにちは。今回は、私、世話役Aが担当させていただきます!
今回、「いきなり選挙活動かよ!」と思った方もいるのでは?
・・・よくある話の流れですよ。
本当は、(上)も(中)も同じまとまりだったのですが、思った以上に長いぞ、と思いましたので、分けたのです。
ということで、(中)も(下)もよろしくお願いいたします!
by 世話役A