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オマケ

この話は、幼き頃の神と、世話役Aの出会いの物語である。

「あんたんだんと!!」

「なんですか?victoire(ヴィクトワール)様。」

アンタンダント(intendante)は幼き頃の神(victoire)の執事である。

「おもちゃがこわれた!!」

「すぐにゼンマイを巻きますね。」

アンタンダントは、神の目線に合わせるとおもちゃのゼンマイを巻き始めた。

キリキリキリ・・・。

《アンドロイドO・M再起動します ぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・》

カタン、カタン。

「おぉ!!すごいなっ!!あんたんだんと!!」

「いえ・・・。」

アンタンダントは目を伏せて、言いづらそうに切り出した。

「実は・・・・私、今日限りでここを辞めさして頂くことになりました。」

「なんでだよ!?」

「ヴィクトワール様。さようなら・・・。」

シュンッ・・・・・

アンタンダントはそう言い残すと消えてしまった・・・。

「あんたんだんとォ!!」

神の悲痛な叫びは、神のスイートルームにむなしく響いたのであった・・・。


神は後日知ることになったのだ・・・。

なぜアンタンダントがいなくなったのか・・・その理由を・・・。


次の日。

神は一通の手紙を部屋の中で見つけた。そこには、アンタンダントがいなくなった理由がつづられていた。

《intendanteへ

長い間、あなたにはお世話になったわね。

主人と話し合った結果、貴方とO・Mにしか心を開かないvictoireのために、同じ年頃の子に世話を してもらった方がいいと思うの。だから、あの子の執事を今月限りでやめてほしいの。

このことはあの子には言わないでちょうだい。  La deesse de la raison より》

読み終わって顔をあげると、そこには自分と同じぐらいの年の子と、お母さんが立っていた。

「ヴィクトワール。この子が新しくあなたの世話をしてくれる、aimableエマーブル protezioneプロテッツィオーネよ。なかよくしなさいよ。」

「はい・・・おかあさま。」

素直に答えた神の目には、母親への、憎悪が浮かんでいた。その感情に全く気づかないお母さんは、満足そうに微笑んで、部屋を後にした。

後に残されたエマーブルは、恥ずかしそうに話しかけた。

「あの、ヴィクトワールちゃんだよね?よろしく・・・。」

「あぁ。よろしくな。」

ヴィクトワールは、手紙の内容を思い出してか、虚ろな返事をした。

「うん。よろしく。エマーブル・プロテッツィオーネって言うんだ。」

「あぁ。しってる。」

自分にかまってほしくないというように、ヴィクトワールは邪険な顔をした。

「覚えにくいだろうから、エマって呼んでね。」

「エマ?あ、そうだ。おまえ、aからはじまるつづりだよな?」

「うん。読みはエだけどね。」

ヴィクトワールは考えこむと、嬉しそうに、喋った。

「じゃぁ、おまえは、せわやくAってよんでいいか?」

びっくりして、おろおろするエマーブルをよそに、ヴィクトワールは呟いた。

「あんたんだんては、つづりはiだったが、よみは『ア』だった・・・。」

かのようにして、世話役Aと呼ばれるようになり、2人の出会いは幕を閉じたのであった。


「神!なにボーっとしてるんですか?」

目を開いた先には、厳しい口調でしかる世話役Aの姿があった。

フッと口だけで笑うと、怪訝な顔をされたので

「いや、なんでもない・・・。」

と、笑いを押し殺して言った。

「・・・そんなことより、朝食が冷めますよ。ちゃっちゃと食べちゃってください。」

そう言って王宮料理を口に詰め込む世話役Aの姿を見つめて、聞こえないように呟いた。

「わかったよ、エマ。」




こんにちは。短いショートストーリー。いかがでしたか?

書くことに詰まったときは、たまにこんなことしますよ。

今回のオマケには、意味の分からない外国語が出てきますが・・・ちゃーんと調べてるんです。

例えば、Deesse de victoire デエエス・ドゥ・ヴィクトワールというのは、フランス語で女神という意味。この「victoire」をとってつけたのです。

世話役Aはaimable protezione。protezioneは、フランス語で『守護』。aimable

は・・・調べて!(めんどいw)

     by世話役A

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