表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/16

世話役A 苦労する

にゅ、入学・・・

「神、無理なこと言わないでください・・・もう私、疲れました。し・か・も!住民票ナシ、名前ナシ。第一、私たちは人間界に生まれても死んでもないんですよ?!」

「そぉだよ、神ちゃん!おもちゃもフカフカベッドでお休みしたいよぉ。」

「おもちゃ、おまえは何もしなくていいぞ。おまえはデリケートだもんな。」

おもちゃがこくこくと首を縦に振る。じゃぁ、誰が・・・はっ!!

神は私の方を見た。嫌な予感。

「世話役A。おまえは『世話役』だよな。だったら、なーんでもしてくれるよなっ!なっ!」


 ということで、私は働かされることに。やることはたんまり。

1 出生届の作成(いい名前を作る。プレッシャー・・・)

2 家探し

3 入学手続き

なんでも、人間界は魔力が弱い。神でさえヘトヘトになるのだから。

神とおもちゃは、長期滞在することになる高級ホテルで休んでいる。ああ、早く今日が終わんないかなぁ・・・


 まず、出生届。外見は大人なのに、「生まれました」とか言ったらもの凄く不自然である。このくらいだったら疲れないので、魔法を使う。しかも、名前は、さらっと出てきた。

神宮(じんぐう) はるみ」「王元(おうもと) ゆい」「世話野(せわの) みかん」(今日学園祭で食べたみかんがおいしくってさ)

完璧。


一方、神とおもちゃは。

「おい。おもちゃ。大丈夫か?」

おもちゃからの返事はない。当たり前だ。寝ているのだから。精巧なアンドロイドは寝るのだ。

神はため息をついた。神は、眠る必要がない。寝てる間に何かあったら、取り返しがつかないではないか。・・・という理由で、眠る機能がなくなった。神は、ダルそうに専用の機械を持ち出した。

「世話役Aが・・・サボりだサボりだってうるさいからな・・・。」

ウィィィィン

その機械は、静かに・・・起動した。


 次は家だ。重要なポイント。神もおもちゃも、「ボロかったら承知しねえぞ、コラァ!」と言っていた。(こんな風には言っていない)不動産屋へGo!

「いらっしゃいませ。どういった物件がよろしいですか?」

「そうですねぇ。お金は惜しみませんので、この辺の一番良いものを。庭付きね。」

「かしこまりました。えー、そうですねぇ。こちらはいかがですか?」

店員が見せたのは、100坪程度の庭付きの新築。白いコンクリの壁に、3階建て。ちょっと狭いが、人間界であれば上等だろう。

「では、お願いしますね。」

「ありがとうございます。お支払いはどうなさいますか?」

「あぁ、もちろん現金・・・」

わ、忘れてた・・・今手持ちにある金は150万円。この物件の金額は・・・

3500万円!?あれぇ・・・天界では魔法で造っちゃうし、土地もたっぷりだからタダに近い金額なのに。

どうしよう。足りない。

「お客様・・・外国の方ですか?」

「え?はい・・・」

外国人になりきっとけばなんとかなるかな。

「我が日本には、ローンというものがありまして・・・」

店員は「ローン」の魅力についてえんえんと語った。ローン・・・一応組んでおこう。

一件落着。住居問題も解決だ。


一方の神とおもちゃは、・・・と言っても、おもちゃは寝ているのだが。

神は、機械を素早く操作した。この機会の操作方法は、神族しか知らない。・・・だから代役が探しづらかったりするのだ。その結果。世話役Aがブツクサ言うことになるのだが。

神は、その機械を上野市周辺に合わせた。そこに書いてあったのは、明らかに神が書いてない言葉が。

《神・victoire 、世話役・aimable protezione、アンドロイドO・Mに会う》と淡々と書き加えられていた。

「くそ・・・やっぱりこうなるのか・・・。」神は、おもちゃを起こさないように、そっと機械を動かし続けた。


最後は、学園に入学手続き。

「えっと、この学園に入学したいんですけど。」

私立上野学園(略して「うえがく」というらしい)の事務室に行けばいいという神からの唯一の伝言だ。

「あれ?保護者の方は?」

「実は・・・この前亡くなって、親戚の家に来てるんです。」

「まぁ、お気の毒に・・・」

ハッハッハッ!親なんて最初からいませんよーだ。考えてたのさッ!

「じゃぁ、前はどこの中学校で?この辺り?」

「福岡県の〇設中学校です。」

「まぁ!名門じゃない。」

ハッハッハッ!中学なんて行くかッ!名門校くらい調べたよ!

「では、入学手続きをしますね。」

「親戚の子供と、里子も入学したいです。みんな中2です。」

「えッ。みんなその〇設中?」

「はい。証明証あります。」

ハッハッハッ!簡単に作れるのさ!まんまと騙されてる、この人間!

「では、また明日来てください。証明証はお預かりしておきますね。」

よし。終わった。また明日来れば、12月はゆっくり過ごせるな。


一方神とおもちゃは。・・・と言っても(以下略)

神は上野市周辺で、ある(・・)人間を探していた。その『人間』の所にくると、神はおもちゃが寝ているかどうか確かめ、ゆっくりと書き加えていった。

《神・victoire、世話役・aimable protezione、アンドロイドO・Mと親しくなる。》

そして、伝言板らしきところに、《代役へ、この文句は消さないように願う》と書き加えた。

ウィン・・・。神はその機械の電源を静かに切った。


やっほ~!!おもちゃだよ~。今回は名前のことについて話すよ~ん!

ちなみにAちゃんが作った人間名と天界での本名の二種類があるの。

人間名のは感じでわかるかもだけど、いろいろもじってるよ!!(わかる人はわかるよ~)。んで、天界名なんだけど、神ちゃんは『ヴィクトワール』で世話役Aは『プロテッツィオーネ』って読むの。え!?意味?・・・・。そ、そんなのおもちゃわかんなーい。

            byおもちゃ           

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ