人間界到着!
来てしまった。神とおもちゃはどこにいるのだろうか。旅行とかいって、絶対仕事放棄に違いない。
だが、私には秘密兵器があるのだ!神をいつでも監視できるようにと先輩がくださった、『神追跡用GPS』!!神のポケットにこっそり忍ばせておいたから、作動するはず・・・。
いっぽう神たちは
「知ってるか。おもちゃ。人間界には『がくえん』とかゆーものがあるんだぞ!!」
「へ~神ちゃんものしり~」
神は満足気にうなずいて嬉しそうに続ける。
「だろう。だろう。行ってみたいと思わぬか?」
「え~いきたい!いきたい!」
「だが。問題はどこにあるかということだ。」
「神ちゃんも知らないことあるんだ・・・。」
神は機嫌を損ねたのかおもちゃを睨みつけた。
「へ!?まぁそうゆうこともあるよね~」
「まぁ、な。けど俺に力を持ってすればお茶の子さいさいだ!!いくぞ、おもちゃ。」
このGPSって結構探索に時間かかるし、そこらへんをブラブラしとこうかな。
「ちょっとどいていただけますか?」
何っ?!この世話役Aさまに何をっ・・・いけないいけない。ここは人間界。私はただの観光客。素直に聞き入れよう・・・。
「ごめんなさい。邪魔でしたね。」
「いえいえ、いいんですよ。あ、そうだ。今、私立上野学園で学園祭やってるんで、よかったらお越しくださいね。」
人なつっこい笑みを浮かべながら、チラシを押しつけてくる。・・・人間は凶暴だなぁ。
「分かったわ。お気づかいありがとう。」
もうこの小娘に付き合っている場合ではない!
「おもちゃ。なんだかあそこ騒がしくないか?」
「わぁ~なんだろぉ~」
「ここは近寄るが吉だ!!オレの勘を信じるのだ。」
神はおもちゃの返事も聞かずに走りだした。といっても浮いているのだが。
門の前で立ち止まり、神は一言。
「しりつうえのがくえ・・・がくえんさい?」
学園祭ねぇ。暇だし、行ってみるとしよう。
今回は、世話役Aの目線と、神とおもちゃを客観的目線を交互にしてみました。
このシリーズは、全般的に世話役Aの目点で書き進めていくつもりです!