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選挙活動の行方(下)

《うえがくの新生徒会長は・・・》

どきどきどきどき・・・

「・・・おい、世話役A。」

「は、はい?!今いいとこなんですから・・・」

「ちょっと聞け。思わないか?ため過ぎだ、あの管理委員。」

そんなことかい。

「そうですね。これも楽しみの一つのですよ。」

「だけど、この様子じゃあもう私が生徒会長で決まりだよなあ。」

「も、もう、ちょっと黙っててください・・・」

カン。

乾いた音がした。何か、プラスチックが木に落ちたような・・・

「ちょっとあなた達!静かにしていただけないかしら?神聖なこの場が乱れますわ。」

五色院羅蘭が自前のピンヒール上靴(逆にかっこ悪い)をステージの床に打ち付けて怒鳴った。私の推測は正しかった!てか、「神聖」って・・・。

「おいおい、人に対してその口の聞き方は無いだろ?」

私たちは()ではないが。

「まあ、私を誰だとお思いで?」

「庶民。だよな、世話役A。」

「ちょ、大きな声でなに言ってんですか、はる、み?『世話役A』も『庶民』も禁句ですッ!(私も神のことはい)」

「Aちゃん、デジャブだね。」

ざわっ・・・。神の「庶民」という言葉に、体育館がざわめいた。

「ちょっとあなた。私は、五色院羅蘭よ!そんな生意気な態度を取って、どうなるかも知らないで!」

「そうだ!」「羅蘭様に向かって!」「あなたも庶民よ!」

「お前だって生意気だ。そんなヤツが生徒会長になっても、なあ?世話役A。」

「だから、私に振らないでください!」

「ねえ、神ちゃん。もう終わらせて、後にしよーよ。五色院羅蘭の声、痛いよぉ。」

《はい、みなさん静かにしてください。では、発表します。》

うわ、静かになるのがこんなに簡単だったとは。

《うえがくの新生徒会長は・・・》

「こんどこそ」という感じで、体育館はいっそう静まる。そして・・・、

《2年A組、神宮はるみさんです!盛大な拍手をお願いします!!》

「うおーーーっ!!」「はるみ様ぁ〜!」「最高だぁ〜!」「えーっ」「なんでだよぉ」

やややややっぱり。・・・でも、あんな高飛車野郎と一緒に活動はしたくないし、良かったか?。五色院羅蘭は、もう顔から生気を失っている。

「わぁー!神ちゃんすごーい!」

「おめでとうございます、神。」

「ま、当然だな。」

《では、新生徒会長の神宮さん、当選の言葉をお願いします。》

神にマイクが渡される。こういうのは慣れているのだろう。平静を保っている。

「えー。私立上野学園の皆さん。新生徒会長に選ばれた、神宮はるみだ。」

「いいぞーっ!」「はるみ様~!」体育館が湧く。

「私がやりたいことは、ただ一つ!」

は?

「この人間界を心行くまで楽しむこと!!」

あぁもう・・・。そりゃまあそうだけどね?お願いみんなスルーして!

「そのためには、みんなの協力が必要だ。よろしく頼む。」

「はるみ様ーっ!」「頑張れーー!」「何、あの人。意味不明!」「羅蘭様がいいわ!」

皮肉の混じった歓声で体育館が再度湧いた。

《神宮さん、ありがとうございました。では、新しく私立上野学園をリードしていく役員に、大きな拍手を・・・》


「いやぁ〜、良かった良かった。これで一件落着だ。」

こうして、神の意味深な言動により、選挙の開票は幕を閉じた。教室に帰るときもバカどもの熱はすごかった。さすがにおもちゃもプチッときたようで、「攻撃もぉーど!」と目の色を変えていた・・・が、すぐに制止した。

まだ入学したばかりなのに、こんなに神が馴染んじゃっているのは、やはり「神パワー」なのだろうか。

こーんにっちわっ!お久しぶりです。今回は私、世話役Aがあとがき担当させていただきます。

遂に選挙活動の(上・中・下)が完結!長らく神の奇行を見届けて頂いてありがとうございました。

いやそんな、終わるみたいな感じですが、まだまだ続きますわよ?

これからも私達をよろしくお願いいたします。


そうそう・・・。五色院羅蘭は未だに神のことを嫌っていました。

これからこの人たちがいろいろ関わってきたら嫌ですわ・・・。

     by 世話役A

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