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prelude-プレリュード-

 この小説は悲しいくらいに文章力がない作品なので、予めご了承ください。尚、なにしろまるっきりの素人がかいておりますので、一応資料等参考にしていますが人間ですので知識に間違いがある場合が御座いましたら申し訳ありません。


 後、少々の性的描写がある場合も、もしかしたら人によってあり得るのでそれもまた御了承願いたいです。とはいっても、一般の少女漫画レベルですので…それでも苦手な方は読まないことをオススメします。全然大丈夫という心やさしい方は読んで頂けると嬉しいです。


 皆さんがこの小説を読んで、すこしでも楽しいひとときを過ごせますように。

いつもは時間に縛られ、人に縛られ…。今だけはそれを開放しましょう。別次元にトリップしちゃってください。いつだって人は自由に焦がれています。そう、今だけは心を解き放ち、心で私の物語や他の方の物語を読んで頂けると幸いです。


I pray for that I can spend time when reader is happy




 嗚呼、まただ――――。

 

 失敗。何度目だろうか。

少女のヴァイオリンが、女の金切り声を出す。


 その鼓膜を一瞬で突き抜ける衝撃のような音にも慣れてしまった。


 少女はふぅーっと何度目かわからない溜息を吐くと、ことんと音を立てて手に持っていたヴァイオリンをテーブルへ置いた。


 振り返ると、窓から入ってきた風がふわりと彼女の髪を(なび)かせた。

(こよみ)的には季節は立春。だがちっとも暖かくなる気配を見せず、春風は何処まで遠出してるのやら見当もつかないほどだ。


 少女は風の冷たさに思わず顔を(しか)めると、空気を入れ替えるために先ほど全開に開けっぴろげた窓を、ここぞとばかりに勢いよく閉めた。

若干やつあたりが含まれていたのは、言うまでもないだろう。


 「…おいおい満詠音(みよね)。窓、破壊する気か?」


 突如後ろからからかうような声が聞こえた。

むっとしながら振り返ると満詠音の兄である啻音(しおん)が意地悪く微笑みを浮かべていた。


 「…本当に壊すわけないでしょう?阿呆らしい。」


 冷たく突き放すように満詠音は返答した。

そしてそのまま啻音を押しのけて部屋を出る。馬鹿みたいに躍起になって練習をしていたせいか、僅かながら手首の骨が軋むのを感じた。少々肩こりも気になる。


 啻音は冷めた態度の妹に苦笑すると、満詠音が出しっぱなしにしたヴァイオリンを丁寧にしまってあげた。

きっちりとケースにしまわれたヴァイオリンは、表面に塗られたワニスの影響かきらりと光沢をもっている。啻音はぱたんとケースに蓋をすると、満詠音がこのヴァイオリンを上手に弾いている様を想像してぷっとひとりでに吹き出した。そして当分先だろうな、と苦笑しながら呟いた後で静かに部屋を後にした。


 無人になった部屋はとても寂しいもので、しんと静まりかえった室内はとても寒気がした。それはきっと、温度のせいだけではないだろう。

そこに家具にまぎれてぽつんと置かれたヴァイオリンケースもまた、何故だか寂しそうにみえた。それこそ、主人を待つ捨て猫のようにしょんぼりと。まあ、ヴァイオリンは生き物ではないが…物にはそれぞれ魂があるとは考えられている。人がそのことを忘れようとも、そこに魂があることは変わらない。植物もまた、同じだ。植物は生きているが、誰もそうは認識しない。自力で動き回るものだけが生き物であると、誰が決めただろうか。植物もまた生きている。そして、物も同じだ。人によって生み出されたものたち。作った人にもし、そういう想いがこめられているとしたら、ものに魂が宿ったとしてもなんら不思議はないはずだ。


――――季節は立春。始まりの季節。これはまだ、始まる前のほんの序章であり、前菜。

もしくはprelude(プレリュード) 切り開く道は泡沫の幻想であり、惑う悪夢。


 どこかできぃーっと再び下手くそな金切り声が聞こえた。










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