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52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった  作者: よっしぃ@書籍化


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第49話:社交界デビュー

◆ 国王からの招待


数週間後――


グリーンヘイブン。


おっさんの家(仮住まい)。


王城からの使者が、訪ねてきた。


手紙を持っている。


おっさんが、手紙を開いた。


読む。


『康太郎殿、ゴードン殿


王城にて社交界を開催します。

新伯爵と新男爵のお披露目です。


夫人同伴でお越しください。


国王 エドワード三世』


おっさんは、ため息をついた。


「……社交界か……」


セシリアが、心配そうに言った。


「コウタロウさん、大丈夫ですか……?」


おっさんは、首を振った。


「……正直、苦手だ……」


「でも、国王陛下の招待だ……」


「断れない……」


セシリアは、さらに心配そう。


「……私も、行くんですよね……?」


おっさんは、頷いた。


「……ああ……」


「夫人同伴だから……」


セシリアは、俯いた。


「……私、社交界なんて……」


「元聖女とはいえ、貴族ではありませんし……」


「失礼があったら……」


おっさんは、セシリアを抱きしめた。


「大丈夫だ」


「お前は、素晴らしい」


「堂々としていればいい」



◆ リーナの助け


翌日――


リーナが、おっさんの家を訪れた。


「コータロー、聞いたわよ」


「社交界に出るんでしょ?」


おっさんは、頷いた。


「……ああ……」


リーナは、セシリアを見た。


「セシリア、ドレスは?」


セシリア、困った顔。


「……まだ、何も……」


リーナは、ニヤリと笑った。


「任せて」


「最高のドレスを、用意するわ」


セシリア「でも、高いんじゃ……」


リーナは、手を振った。


「気にしない」


「コータローには、散々世話になってるから」


「これくらい、させて」


おっさんは、頭を下げた。


「……ありがとう、リーナ……」



数日後――


リーナが、ドレスを持ってきた。


美しいドレス。


深い青色。


高級な布地。


繊細な刺繍。


宝石の装飾。


セシリアは、息を呑んだ。


「……綺麗……」


リーナは、微笑んだ。


「着てみて」


セシリアは、ドレスを着た。


リーナとマリア(メイド長)が、手伝う。


髪も、整える。


化粧も、施す。


全てが、完璧。


そして――


セシリアが、鏡を見た。


そこには――


美しい貴婦人がいた。


元聖女の気品。


生まれ持った美貌。


全てが、輝いている。


セシリアは、涙を流した。


「……私、こんなに……」


リーナは、微笑んだ。


「元々、美人だったのよ」


「ただ、引き出しただけ」


おっさんも、見とれている。


「……セシリア……」


「綺麗だ……」


セシリアは、顔を赤くした。


「……ありがとうございます……」



◆ 社交界の夜


数日後――


王都。


王城。


大広間。


社交界が開かれていた。


多くの貴族が、集まっている。


侯爵、伯爵、子爵、男爵。


みんな、立派な服。


華やかな雰囲気。


国王エドワード三世が、玉座に座っている。


横には、王女エリザベス。


宰相アルバート。


国王が、宣言した。


「本日は、新たな伯爵と男爵をお披露目する」


「グリーンヘイブン伯爵、康太郎殿」


「グリーンヘイブン男爵、ゴードン殿」


「どうぞ、お入りください」


扉が、開いた。


おっさんとセシリアが、入ってくる。


ゴードンと真理も、一緒。


四人が、前に進む。


貴族たちが、見つめる。


そして――


セシリアを見た瞬間。


広間が、静まり返った。


誰もが、言葉を失った。


セシリアの美しさに。


深い青のドレス。


元聖女の気品。


美貌。


全てが、完璧。


貴族たちは、ひれ伏した。


心の中で。


(……なんと、美しい……)


(……あれが、伯爵夫人……?)


(……まるで、女神のよう……)


貴族の婦人たちも、嫉妬と称賛の目。


(……負けた……)


(……あんな美人、見たことない……)


おっさんとセシリアは、国王の前に進んだ。


膝をつく。


「陛下」


国王は、微笑んだ。


「康太郎殿、セシリア殿、よく来てくれた」


「立ってください」


二人は、立ち上がった。


国王は、続けた。


「セシリア殿、初めてお会いしますね」


「噂は、聞いています」


「元聖女であり、伯爵夫人」


「素晴らしい方だと」


セシリアは、丁寧にお辞儀をした。


「ありがとうございます、陛下」


国王は、頷いた。


「これから、よろしくお願いします」



ゴードンと真理も、前に進んだ。


膝をつく。


「陛下」


国王は、微笑んだ。


「ゴードン殿、真理殿、よく来てくれた」


「立ってください」


二人は、立ち上がった。


国王は、続けた。


「ゴードン殿の功績は、素晴らしい」


「ゴーレムの開発、飛行船の開発」


「王国の発展に、大きく貢献している」


ゴードンは、頭を下げた。


「ありがとうございます、陛下」



◆ 侯爵の登場


その時――


一人の男が、前に出た。


50代くらい。


立派な服。


でも――


堅苦しくない。


おおらかな雰囲気。


侯爵の紋章。


国王が、紹介した。


「康太郎殿、この方はフィリップ侯爵です」


「余の学友であり、親友です」


フィリップ侯爵は、おおらかに笑った。


「はっはっは!」


「初めまして、康太郎殿!」


「噂は、たくさん聞いていますよ!」


おっさんは、頭を下げた。


「初めまして、侯爵様」


フィリップは、手を振った。


「堅苦しいのは、なしです!」


「私は、形式が嫌いでね!」


「気楽に、話しましょう!」


おっさんは、少し驚いた。


(……変わった侯爵だな……)


フィリップは、続けた。


「康太郎殿、あなたの功績は素晴らしい!」


「スラム……いや、魔境を開拓し」


「都市を築いた!」


「魔道具を開発し、多くの人を救った!」


「素晴らしい!」


おっさんは、照れくさそうに笑った。


「……ありがとうございます……」


フィリップは、真剣な顔で言った。


「康太郎殿、これから厳しい戦いになるでしょう」


「貴族派が、まだいます」


「彼らは、あなたを認めていない」


「でも、私は違う」


「私は、あなたを支持します」


おっさん、驚く。


「……本当ですか……?」


フィリップは、頷いた。


「ええ」


「私は、国王陛下の学友です」


「それに、功績ある者を評価すべきだと思っています」


「血統だけで、威張るのは嫌いです」


「だから、あなたを支持します」


「私が、あなたの後ろ盾になります」


おっさんは、深く頭を下げた。


「……ありがとうございます……」


「侯爵様……」


フィリップは、笑った。


「はっはっは!」


「これから、よろしくお願いしますよ!」



◆ 侯爵令嬢の登場


その時――


一人の少女が、フィリップの後ろから出てきた。


18歳くらい。


美しい。


金色の髪。


緑の瞳。


立派なドレス。


フィリップが、紹介した。


「こちらは、私の娘です」


「クラリッサといいます」


クラリッサは、丁寧にお辞儀をした。


「初めまして、康太郎様、セシリア様」


「クラリッサと申します」


セシリアも、お辞儀をした。


「初めまして、クラリッサ様」


クラリッサは、セシリアを見た。


そして――


目を輝かせた。


「……セシリア様……」


「お美しいですね……」


「まるで、女神のようです……」


セシリアは、顔を赤くした。


「……そんな……」


クラリッサは、続けた。


「セシリア様、お願いがあります」


セシリア「何でしょう?」


クラリッサは、真剣な顔で言った。


「私を、セシリア様の侍女にしてください」


セシリア、驚く。


「……え……?」


「侍女……?」


クラリッサは、頷いた。


「はい」


「私は、社会勉強がしたいんです」


「でも、父の屋敷では学べません」


「セシリア様のもとで、学びたいんです」


「お願いします」


セシリアは、困惑した。


「……でも、私は……」


「侯爵令嬢を、侍女に……?」


フィリップが、笑った。


「はっはっは!」


「いいじゃないですか!」


「娘が、そう望んでいるんです!」


「お願いします、セシリア殿!」


おっさんも、驚いている。


(……侯爵令嬢が、侍女……?)


(……すごい時代だな……)


セシリアは、少し考えた。


そして――


「……分かりました……」


「クラリッサ様、よろしくお願いします……」


クラリッサは、嬉しそうに微笑んだ。


「ありがとうございます!」


「これから、よろしくお願いします!」



◆ 舞踏会


社交界は、舞踏会に移った。


音楽が、流れる。


美しいワルツ。


貴族たちが、踊り始める。


おっさんは、セシリアの手を取った。


「……踊ろう……」


セシリアは、不安そう。


「……でも、私、踊ったことが……」


おっさんは、微笑んだ。


「……大丈夫……」


「俺も、初めてだ……」


「一緒に、頑張ろう……」


二人は、踊り始めた。


ぎこちない。


でも――


心が、通じている。


幸せそう。


周囲の貴族たちが、見ている。


羨ましそうに。


(……なんて、美しいカップル……)


(……まるで、物語のよう……)



ゴードンと真理も、踊っている。


こちらは、少し上手。


真理が、リードしている。


ゴードンは、照れくさそう。


「……真理、上手だな……」


真理は、微笑んだ。


「勇者の訓練で、習いました」


「ゴードンさんも、上手ですよ」


ゴードンは、顔を赤くした。


「……そうか……?」



王女エリザベスも、踊っていた。


相手は、若い貴族。


でも――


エリザベスは、おっさんたちを見ている。


微笑んでいる。


(……幸せそうね……)


(……良かった……)



◆ 貴族派の反発


でも――


全ての貴族が、歓迎しているわけではない。


広間の隅。


何人かの貴族が、集まっていた。


不満そうな顔。


「……平民が、伯爵だと……」


「許せない……」


「それに、あの夫人……」


「美しすぎる……」


「妬ましい……」


でも――


フィリップ侯爵が、そばにいる。


だから――


表立っては、何も言えない。


侯爵の影響力は、大きい。


貴族たちは、黙っているしかない。


悔しそうに。



◆ 国王の言葉


舞踏会の後――


国王が、挨拶をした。


「皆様、今日はお集まりいただき、ありがとうございます」


「新たな伯爵と男爵を、お披露目しました」


「康太郎殿とゴードン殿は、功績ある者です」


「彼らを、支持してください」


「これからの王国は、血統だけではなく」


「功績で、評価する時代です」


「皆様も、ご協力をお願いします」


貴族たちは、拍手をした。


でも――


不満そうな者もいる。


国王は、それを無視した。



◆ 帰路


社交界の後――


おっさんとセシリアは、馬車で帰った。


ゴードンと真理も、一緒。


クラリッサも、同行している。


侍女として。


馬車の中。


セシリアが、ため息をついた。


「……疲れました……」


おっさんは、セシリアの手を握った。


「……お疲れ様……」


「よく頑張った……」


セシリアは、微笑んだ。


「……でも、楽しかったです……」


「コウタロウさんと、踊れて……」


おっさんも、微笑む。


「……俺も、楽しかった……」



クラリッサが、セシリアに言った。


「セシリア様、これから勉強させてください」


「社交界のマナー、領地経営、全てを」


セシリアは、頷いた。


「……はい……」


「でも、私も勉強中ですから……」


「一緒に、学びましょう……」


クラリッサは、嬉しそうに微笑んだ。


「ありがとうございます!」



ゴードンと真理も、話している。


「真理、今日は楽しかったな」


真理は、頷いた。


「はい」


「ゴードンさんと、踊れて嬉しかったです」


ゴードンは、真理の手を握った。


「……これからも、よろしく頼む……」


真理は、涙を流した。


「……はい……」



グリーンヘイブンへの帰路。


星空が、綺麗。


馬車の中は、温かい。


幸せな夜。


新たな仲間も、増えた。


おっさんたちの物語は、続く。



(次回:第50話「伯爵の館」に続く)

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