第47話:新たな仲間
◆ 人材の必要性
数日後――
グリーンヘイブン。
おっさんの家(仮住まい)。
おっさん、ゴードン、真理、リーナが集まっていた。
会議。
伯爵の館建設について。
ゴードンが、設計図を広げる。
「これが、最終案だ」
立派な屋敷。
会議室、執務室、謁見の間。
居住スペース。
庭園。
全てが揃っている。
おっさんは、頷いた。
「……いいな……」
「でも、問題がある……」
リーナ「何?」
おっさんは、ため息をついた。
「……人材だ……」
「こんな大きな屋敷を、管理できる人材がいない……」
真理「確かに……」
「執事、メイド、領地経営の専門家……」
「たくさん、必要ですね……」
ゴードン「今から、育てるか?」
おっさんは、首を振った。
「……時間がかかりすぎる……」
「経験者が、欲しい……」
リーナは、少し考えた。
そして――
「コータロー、私に任せて」
おっさん「え?」
リーナは、微笑んだ。
「私の商会に、人脈がある」
「優秀な人材を、紹介できるわ」
おっさんは、驚いた。
「……本当か……?」
リーナ「ええ」
「それに、国にも頼んでみましょう」
「失脚した貴族の元家臣たち」
「有能な人材が、たくさんいるはずよ」
◆ 国からの斡旋
数日後――
宰相アルバートが、グリーンヘイブンを訪れた。
おっさんが、出迎える。
「アルバート殿、ようこそ」
アルバートは、微笑んだ。
「康太郎殿、お久しぶりです」
「実は、お話があります」
おっさん「何でしょう?」
アルバート「人材の斡旋です」
おっさん、驚く。
「……人材の……?」
アルバートは、頷いた。
「はい」
「バーソロミュー子爵らが失脚しました」
「彼らの元家臣たちが、職を失っています」
「その中には、有能な人材もいます」
「無実の罪で不遇な扱いを受けていた者もいます」
おっさんは、少し考えた。
「……でも、元は敵の家臣ですよね……?」
「信用できるんでしょうか……?」
アルバートは、真剣な顔で言った。
「調査済みです」
「子爵に忠誠を誓っていた者は、除外しました」
「残っているのは、ただ生活のために仕えていた者」
「あるいは、不当な扱いを受けていた者だけです」
「彼らは、むしろ子爵を憎んでいます」
おっさんは、頷いた。
「……分かりました……」
「会ってみます……」
◆ 最初の候補者
数日後――
王都。
おっさんは、候補者たちと面接していた。
最初の候補者。
老人。
60代くらい。
落ち着いた雰囲気。
背筋が、まっすぐ。
「初めまして、康太郎様」
「私は、セバスチャンと申します」
おっさんは、頷いた。
「よろしく」
「経歴を、教えてください」
セバスチャンは、丁寧に説明した。
「私は、30年以上執事として働いてきました」
「最初は、とある侯爵家に仕えていました」
「その後、バーソロミュー子爵家に移りました」
おっさん「なぜ、子爵家に?」
セバスチャン「侯爵家が、没落したためです」
「仕方なく、子爵家に仕えました」
「しかし、子爵は……」
セバスチャンは、少し顔をしかめた。
「暴君でした」
「使用人を、奴隷のように扱いました」
「私も、何度も理不尽な命令を受けました」
「でも、生活のために耐えました」
おっさんは、同情した。
「……大変でしたね……」
セバスチャン「はい」
「でも、子爵が失脚してくれて」
「正直、ほっとしました」
おっさんは、微笑んだ。
「……では、うちで働いてくれますか?……」
セバスチャンは、深く頭を下げた。
「ぜひ、お願いいたします」
「康太郎様のお話は、聞いています」
「平民から伯爵になった、素晴らしい方だと」
「ぜひ、お仕えしたいです」
おっさんは、頷いた。
「……では、執事として雇います……」
「よろしくお願いします……」
セバスチャンは、涙を流した。
「……ありがとうございます……」
◆ 領地経営の専門家
次の候補者。
中年の男性。
40代くらい。
真面目そうな顔。
「初めまして、康太郎様」
「私は、オスカーと申します」
おっさん「よろしく」
「経歴を、教えてください」
オスカーは、説明した。
「私は、領地経営の専門家です」
「税制、農業、商業、全てに精通しています」
「元々は、とある伯爵家で働いていました」
「その後、バーソロミュー子爵家に移りました」
おっさん「なぜ、子爵家に?」
オスカーは、苦い顔をした。
「伯爵家が、私を追放したんです」
「理由は……」
オスカーは、ため息をついた。
「私が、不正を指摘したからです」
「伯爵の息子が、領民から不当に税を取っていました」
「私が、それを指摘しました」
「すると、逆に私が追放されました」
おっさんは、怒りを感じた。
「……ひどい話ですね……」
オスカー「はい」
「その後、仕方なく子爵家に仕えました」
「でも、子爵も同じでした」
「不正だらけでした」
「私が何度指摘しても、聞いてくれませんでした」
おっさんは、頷いた。
「……では、うちで働いてくれますか?……」
「不正は、絶対に許しません……」
「領民を、大切にします……」
オスカーは、目を輝かせた。
「本当ですか!?」
おっさん「ああ」
「俺は、平民出身だ」
「領民の苦しみが、分かる」
「だから、絶対に搾取しない」
オスカーは、深く頭を下げた。
「……ありがとうございます……」
「ぜひ、お仕えさせてください……」
おっさんは、微笑んだ。
「……よろしく頼みます……」
◆ リーナからの紹介
数日後――
グリーンヘイブン。
リーナが、おっさんに人を紹介した。
若い女性。
25歳くらい。
しっかりした雰囲気。
「コータロー、紹介するわ」
「彼女は、マリア」
「優秀なメイド長よ」
マリアは、丁寧にお辞儀をした。
「初めまして、康太郎様」
「マリアと申します」
おっさんは、頷いた。
「よろしく」
「経歴を、教えてください」
マリアは、説明した。
「私は、王都の貴族の屋敷で働いていました」
「メイド長として、10人以上のメイドを統率していました」
おっさん「なぜ、辞めたんですか?」
マリアは、少し顔を曇らせた。
「……貴族の息子に、言い寄られました……」
「断ったら、濡れ衣を着せられて……」
「盗みの罪で、追放されました……」
おっさんは、怒りを感じた。
「……ひどい……」
リーナも、怒っている。
「本当にひどい話よ」
「マリアは、何も悪くないのに」
「でも、コータローなら信用できるでしょ?」
おっさんは、頷いた。
「……もちろん……」
「そんなことは、絶対にしない……」
マリアは、涙を流した。
「……ありがとうございます……」
おっさんは、微笑んだ。
「……では、メイド長として雇います……」
「よろしくお願いします……」
マリアは、深く頭を下げた。
「……ありがとうございます……」
「精一杯、働きます……」
◆ 自薦
数日後――
グリーンヘイブン。
おっさんの家に、一人の男が訪ねてきた。
30代くらい。
筋肉質。
騎士のような雰囲気。
「初めまして、康太郎様」
「私は、ダリウスと申します」
おっさん「何か、用ですか?」
ダリウスは、真剣な顔で言った。
「康太郎様の家臣に、なりたいです」
おっさん、驚く。
「……家臣……?」
ダリウスは、頷いた。
「はい」
「私は、元騎士です」
「バーソロミュー子爵の私兵でした」
おっさん、警戒する。
「……子爵の私兵……?」
「なぜ、俺の家臣に……?」
ダリウスは、説明した。
「子爵の命令で、私兵として働いていました」
「でも、子爵のやり方には、反対でした」
「特に、康太郎様への暗殺……」
「あれは、許せませんでした」
ダリウスは、深く頭を下げた。
「私は、裁判の時には参加しませんでした」
「王城襲撃にも、参加しませんでした」
「だから、逮捕されませんでした」
「でも、罪悪感があります」
「だから、康太郎様にお仕えして」
「償いたいんです」
おっさんは、少し考えた。
そして――
「……顔を上げてください……」
ダリウスは、顔を上げた。
おっさんは、真剣な顔で言った。
「あなたは、悪くない」
「命令に従っていただけだ」
「それに、暗殺や襲撃には参加しなかった」
「それだけで、十分だ」
ダリウスは、涙を流した。
「……ありがとうございます……」
おっさんは、微笑んだ。
「……でも、本当にいいんですか?……」
「俺は、元平民です……」
ダリウスは、頷いた。
「だから、お仕えしたいんです」
「康太郎様は、正義の人です」
「平民を大切にする人です」
「そんな方に、お仕えしたい」
おっさんは、ダリウスの手を握った。
「……では、よろしくお願いします……」
ダリウスは、深く頭を下げた。
「……ありがとうございます……」
◆ 無実の罪
数日後――
国王エドワード三世が、おっさんに手紙を送った。
『康太郎殿
バーソロミュー子爵の裁判後、
無実の罪で投獄されていた者たちを調査しました。
その中に、優秀な人材がいます。
紹介したいので、王城にお越しください。
国王 エドワード三世』
おっさんは、王城に向かった。
国王が、待っていた。
「康太郎殿、よく来てくれた」
おっさんは、頭を下げた。
「陛下」
国王は、一人の男を紹介した。
40代くらい。
痩せている。
長い投獄生活の影響か。
「この者は、フェリックスという」
「元は、バーソロミュー子爵の会計士だった」
フェリックスは、深く頭を下げた。
「初めまして、康太郎様」
おっさん「よろしく」
国王は、説明した。
「フェリックスは、子爵の不正会計を発見した」
「それを指摘したところ、逆に横領の罪を着せられた」
「5年間、投獄されていた」
「今回の裁判で、無実が証明された」
おっさんは、驚愕した。
「……5年も……?」
フェリックスは、頷いた。
「……はい……」
「長い時間でした……」
「でも、今は自由です……」
国王は、おっさんに言った。
「康太郎殿、彼を雇ってくれないか?」
「優秀な会計士だ」
「領地経営に、役立つはずだ」
おっさんは、フェリックスを見た。
「……うちで、働いてくれますか?……」
フェリックスは、涙を流した。
「……本当ですか……?」
「こんな私を……?」
おっさんは、微笑んだ。
「あなたは、無実だ」
「それに、正義のために戦った」
「そんな人を、俺は尊敬します」
フェリックスは、深く頭を下げた。
「……ありがとうございます……」
「精一杯、働きます……」
◆ 家臣団の結成
数週間後――
グリーンヘイブン。
おっさんの家(仮住まい)。
新しい家臣たちが、集まっていた。
セバスチャン(執事)
オスカー(領地経営専門家)
マリア(メイド長)
ダリウス(騎士)
フェリックス(会計士)
そして――
ゴードン(男爵)
おっさんが、前に立った。
「みんな、集まってくれてありがとう」
「今日から、正式に家臣団を結成する」
家臣たちは、深く頭を下げた。
おっさんは、続けた。
「俺は、平民出身だ」
「貴族のしきたりは、よく分からない」
「でも、一つだけ約束する」
「領民を、大切にする」
「不正は、絶対に許さない」
「みんなを、仲間として扱う」
家臣たちは、涙を流した。
セバスチャン「……ありがとうございます……」
オスカー「……素晴らしい方です……」
マリア「……お仕えできて、光栄です……」
ダリウス「……この命、捧げます……」
フェリックス「……恩に、報います……」
ゴードンは、微笑んだ。
「康太郎、いい仲間が集まったな」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
「これで、伯爵の館も管理できる……」
◆ 寄騎の宣誓
その後――
ゴードンが、正式に寄騎になった。
おっさんの前に、跪く。
「康太郎様」
「私、グリーンヘイブン男爵ゴードンは」
「ここに誓います」
「あなたを、寄り親として仰ぎ」
「忠誠を尽くします」
おっさんは、ゴードンの肩に手を置いた。
「ゴードン」
「俺は、お前を寄騎として受け入れる」
「共に、グリーンヘイブンを発展させよう」
ゴードンは、涙を流した。
「……はい……」
二人は、握手した。
固い握手。
絆の証。
◆ セシリアとの夜
夜。
おっさんとセシリアが、部屋にいる。
赤ちゃん・希望が、眠っている。
セシリアが言った。
「コウタロウさん、良かったですね」
「たくさん、仲間ができて」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
「みんな、いい人たちだ……」
セシリアは、微笑んだ。
「これで、伯爵の館も安心ですね」
おっさんは、セシリアを抱きしめた。
「……ああ……」
「でも、一番大切なのは……」
「お前と、希望だ……」
セシリアは、涙を流した。
「……私も、です……」
「コウタロウさんが、一番大切です……」
おっさんは、セシリアの頭を撫でた。
「……それと……」
「もう一人……」
「お腹の子も……」
セシリアは、顔を赤くした。
「……はい……」
「まだ、確定ではありませんが……」
「でも、たぶん……」
おっさんは、微笑んだ。
「……楽しみだな……」
グリーンヘイブン。
新たな仲間が、集まった。
家臣団が、結成された。
おっさんの物語は、続く。
新たな時代へ。
(次回:第48話「飛行船の夢」に続く)




