第45話:新たな功績
◆ 国王からの招待
数週間後――
グリーンヘイブン。
おっさんの家に、使者が来た。
王城からの使者。
手紙を持っている。
おっさんが、手紙を開いた。
読む。
『康太郎殿、ゴードン殿
王城にお越しください。
重要な話があります。
国王 エドワード三世』
おっさんは、ゴードンを見た。
「……ゴードンも、呼ばれているな」
ゴードン「何だろう?」
おっさんは、首を振った。
「分からない」
「でも、行くしかない」
数日後――
おっさんとゴードンは、王城に向かった。
真理も、一緒。
セシリアは、グリーンヘイブンに残った。
赤ちゃん・希望の世話がある。
馬車で、王都へ。
到着。
王城の大広間。
国王エドワード三世が、待っていた。
横には、宰相アルバート、王女エリザベス。
そして、多くの貴族たちも集まっている。
でも――
今回は、友好的な貴族たち。
おっさんを支持する貴族たち。
数は少ないが、確実にいる。
国王が、おっさんたちを迎えた。
「康太郎殿、ゴードン殿、よく来てくれた」
おっさんとゴードンは、頭を下げた。
「陛下」
国王は、微笑んだ。
「今日は、特別な日だ」
◆ ゴーレムの功績
国王は、宣言した。
「先日の裁判において」
「私兵による襲撃があった」
「100人以上の私兵が、王城を襲った」
「騎士団だけでは、防ぎきれなかった」
貴族たちが、頷く。
「その通りです」
「危機的状況でした」
国王は、続けた。
「しかし、ゴーレムが現れた」
「ゴードン殿のガーディアンが」
「わずか数分で、私兵を全員無力化した」
「誰も殺さず、拘束した」
「完璧な鎮圧だった」
貴族たちが、拍手する。
「素晴らしい!」
「まさに、奇跡だ!」
国王は、ゴードンを見た。
「ゴードン殿」
「これは、お前の功績だ」
「お前のゴーレムが、王城を救った」
「王国を、救った」
ゴードンは、首を振った。
「いえ、陛下」
「これは、康太郎の功績です」
「康太郎が、ゴーレムの開発を指示しました」
「私は、ただ作っただけです」
おっさんも、首を振った。
「いや、ゴードン」
「設計も、製作も、全てお前がやった」
「俺は、アイデアを出しただけだ」
ゴードン「でも……」
国王は、手を上げた。
「二人とも、謙遜しすぎだ」
「ゴードン殿、これはお前の手柄だ」
「お前が、ゴーレムを作った」
「お前が、事前に配置した」
「お前が、信号弾で出動させた」
「全て、お前の判断と行動だ」
ゴードンは、黙った。
国王は、続けた。
「康太郎殿も、もちろん功績はある」
「でも、今回の私兵鎮圧は」
「明確に、ゴードン殿の手柄だ」
貴族たちも、同意する。
「その通りです」
「ゴードン殿の功績です」
ゴードンは、困惑している。
真理が、ゴードンに言った。
「ゴードンさん、素直に受け取ってください」
「これは、あなたの手柄です」
ゴードンは、少し考えた。
そして――
「……分かりました」
「ありがとうございます、陛下」
◆ 爵位の授与
国王は、宣言した。
「ゴードン殿」
「お前の功績を、讃える」
「ゴーレムの開発」
「王城の防衛」
「王国への貢献」
「よって、余はお前に爵位を授ける」
ゴードン、驚愕する。
「……爵位……?」
国王「ああ」
「男爵の位を、授ける」
ゴードンは、戸惑った。
「いえ、陛下」
「私には、そのような……」
国王は、首を振った。
「謙遜するな」
「お前には、十分な功績がある」
「爵位に、値する」
おっさんも、ゴードンに言った。
「ゴードン、受けろ」
「お前は、それだけのことをした」
真理も、頷く。
「ゴードンさん、おめでとうございます」
ゴードンは、涙を流した。
「……ありがとうございます……」
「陛下……」
国王は、剣を取り出した。
ゴードンの肩に、剣を置く。
「ゴードン殿、余は汝の功績を認める」
「ゴーレムの開発」
「王城の防衛」
「全てを、評価する」
「よって、汝に男爵の位を授ける」
「グリーンヘイブン男爵、ゴードン」
ゴードンは、頭を下げた。
「……ありがとうございます……」
国王は、剣を戻した。
「立て、男爵」
ゴードンは、立ち上がった。
貴族たちは、拍手をする。
心からの拍手。
「おめでとう、ゴードン男爵!」
「素晴らしい!」
おっさんも、拍手している。
笑顔。
誇らしげ。
真理も、涙を流しながら拍手している。
◆ 祝宴
その夜――
王城で、祝宴が開かれた。
ゴードンの爵位授与を祝う宴。
多くの貴族が、集まっている。
おっさんを支持する貴族たち。
そして、平民派の代表たちも招かれた。
ゴードンは、主賓席に座っている。
まだ、戸惑っている。
おっさんが、隣に座った。
「ゴードン、おめでとう」
ゴードンは、微笑んだ。
「……ありがとう、康太郎」
「でも、まだ信じられない」
「俺が、男爵だなんて」
おっさんは、ゴードンの肩を叩いた。
「信じろ」
「お前は、それだけのことをした」
「誇っていい」
ゴードンは、頷いた。
「……ああ……」
真理が、ゴードンに近づいた。
「ゴードンさん、おめでとうございます」
ゴードンは、真理を見た。
「……ありがとう、真理」
真理は、顔を赤くした。
「……ゴードン男爵……」
「なんだか、かっこいいですね……」
ゴードンも、顔を赤くする。
「……そんなこと、ないよ……」
おっさんは、二人を見て微笑んだ。
(……いいコンビだな……)
王女エリザベスも、ゴードンに祝いの言葉を述べた。
「ゴードン男爵、おめでとうございます」
ゴードンは、深く頭を下げた。
「ありがとうございます、王女殿下」
エリザベスは、微笑んだ。
「あなたのゴーレムは、素晴らしい」
「王国の財産です」
「これからも、よろしくお願いします」
ゴードンは、頷いた。
「……はい……」
「精一杯、努力します……」
◆ おっさんとゴードンの会話
祝宴の後――
おっさんとゴードンは、バルコニーに出た。
夜空。
星が、輝いている。
二人は、しばらく黙っていた。
そして――
ゴードンが、口を開いた。
「康太郎、ありがとう」
おっさん「何が?」
「お前が、俺を引き上げてくれた」
「スラムから、ここまで」
「男爵にまで、なれた」
「全て、お前のおかげだ」
おっさんは、首を振った。
「いや」
「お前の努力だ」
「お前が、諦めずに頑張ったからだ」
「俺は、ただ機会を与えただけだ」
ゴードンは、涙を流した。
「……でも、感謝している……」
「本当に、ありがとう……」
おっさんは、ゴードンの肩を叩いた。
「……これからも、よろしく頼む」
「仲間として」
「友として」
ゴードンは、頷いた。
「……ああ……」
「これからも、一緒に頑張ろう……」
二人は、握手した。
固い握手。
友情の証。
◆ グリーンヘイブンへの帰還
数日後――
おっさん、ゴードン、真理は、グリーンヘイブンに帰った。
住民たちが、出迎えた。
「康太郎様!!」
「ゴードン様!!」
「お帰りなさい!!」
おっさんが、手を振る。
「ただいま」
ゴードンも、照れくさそうに手を振る。
住民の一人が、叫んだ。
「ゴードン様が、男爵になったって本当ですか!?」
ゴードンは、頷いた。
「……ああ……」
「本当だ……」
住民たちが、歓声を上げる。
「すごい!!」
「ゴードン様、おめでとうございます!!」
「俺たちの誇りだ!!」
ゴードンは、涙を流した。
「……ありがとう……」
「みんな……」
おっさんは、広場で演説した。
「みんな、聞いてくれ」
「ゴードンが、男爵になった」
「彼の功績が、認められた」
「これは、グリーンヘイブンの勝利だ」
「俺たちの、勝利だ」
住民たちが、拍手する。
大きな拍手。
おっさんは、続けた。
「でも、まだ終わりじゃない」
「これから、もっと頑張る」
「もっと、多くの人を救う」
「それが、俺たちの使命だ」
住民たちが、歓声を上げる。
「その通りだ!!」
「康太郎様!!」
「ゴードン様!!」
「俺たちも、協力します!!」
◆ 真理とゴードンの関係
夜。
真理とゴードンが、二人で歩いていた。
公園。
静か。
星空。
真理が、ゴードンに言った。
「ゴードンさん、男爵になりましたね」
ゴードンは、頷いた。
「……ああ……」
「まだ、実感がない……」
真理は、微笑んだ。
「でも、おめでとうございます」
「ゴードン男爵」
ゴードンは、照れくさそうに笑った。
「……やめてくれ……」
「まだ、慣れない……」
真理は、少し考えた。
そして――
「……ゴードンさん……」
「はい?」
真理は、顔を赤くした。
「……私、ゴードンさんのこと……」
「好きです……」
ゴードン、驚愕する。
「……え……?」
真理は、涙を流した。
「……ずっと、言えなかったんです……」
「でも、今日、決心しました……」
「ゴードンさんを、支えたいです……」
「一緒に、いたいです……」
ゴードンは、しばらく呆然としていた。
そして――
真理を、抱きしめた。
「……真理……」
「俺も、ずっとお前のことが好きだった……」
「でも、言えなかった……」
「俺なんかが、勇者のお前と……」
真理は、首を振った。
「……関係ありません……」
「私は、ゴードンさんが好きです……」
「男爵とか、勇者とか、関係ありません……」
ゴードンは、涙を流した。
「……ありがとう……」
「真理……」
二人は、静かに抱き合った。
星空の下で。
幸せそうに。
◆ セシリアとの夜
おっさんの家。
おっさんとセシリアが、部屋にいる。
赤ちゃん・希望が、眠っている。
セシリアが言った。
「コウタロウさん、ゴードンさん、良かったですね」
おっさんは、頷いた。
「……ああ……」
「あいつは、それだけのことをした……」
「誇りに思う……」
セシリアは、微笑んだ。
「コウタロウさんも、誇りに思っていいんですよ」
「ゴードンさんを、育てたのはコウタロウさんですから」
おっさんは、首を振った。
「いや、あいつが自分で成長した」
「俺は、何もしていない」
セシリアは、おっさんに抱きつく。
「……謙遜しすぎです……」
おっさんは、セシリアの頭を撫でた。
「……ありがとう……」
おっさんは、窓の外を見た。
グリーンヘイブン。
静かな街。
平和な街。
みんなが、幸せそう。
おっさんは、微笑んだ。
(……これが、俺の作った街だ……)
(仲間と一緒に、作った街だ……)
(これからも、守り続ける……)
◆ 新たな挑戦
翌日――
おっさんは、ゴードンと話していた。
工房。
「ゴードン、次の開発は?」
ゴードンは、設計図を見せた。
「飛行用ゴーレムだ」
おっさん、驚く。
「飛行……?」
「ああ」
「空を飛ぶゴーレム」
「偵察や、輸送に使える」
おっさんは、設計図を見た。
鳥のような形。
翼がある。
魔石を使った推進装置。
おっさんは、感心した。
「……すごいな……」
「これができたら、革命的だ……」
ゴードンは、微笑んだ。
「ああ」
「でも、難しい」
「まだ、実験段階だ」
おっさんは、頷いた。
「……頑張ってくれ……」
「期待してる……」
ゴードンは、決意した。
「……任せろ……」
グリーンヘイブン。
新たな挑戦が、始まる。
飛行用ゴーレム。
空を飛ぶゴーレム。
それが、実現すれば――
世界が、変わる。
おっさんたちの挑戦は、続く。
新たな時代へ。
(次回:第46話「空への挑戦」に続く)




