第44話:裁きの時
◆ 裁判の開廷
数週間後――
王都。
王城の大広間。
裁判が開かれた。
国王エドワード三世が、裁判長。
宰相アルバート、騎士団長、そして多くの貴族が出席している。
おっさんも、出席していた。
セシリア、真理、ゴードンも一緒。
被告席には、バーソロミュー子爵と、10人以上の貴族。
全員、鎖で縛られている。
観客席は、満員。
平民たちが、見守っている。
歴史的な裁判。
貴族が、貴族を裁く。
国王が、宣言する。
「これより、バーソロミュー子爵ら被告の裁判を開始する」
「罪状は、殺人未遂、陰謀、反逆」
「証拠を、提示せよ」
宰相アルバートが、前に出た。
「証拠を、提示します」
「まず、暗殺者の自白です」
アルバートは、書類を読み上げた。
暗殺者の証言。
依頼主はバーソロミュー子爵。
報酬は金貨1000枚。
目的は康太郎の殺害。
共謀者の名前。
全てが、明らかになった。
観客席が、ざわつく。
「やはり、子爵が……」
「許せない……」
被告席の貴族たちは、顔面蒼白。
◆ 罪のなすりつけ
国王が、子爵に問う。
「バーソロミュー子爵、これは事実か?」
子爵は、叫んだ。
「違います!!」
「俺は、何もしていない!!」
「全て、誤解です!!」
アルバート「証拠があります」
「暗殺者の自白、金貨の支払い記録」
「全てが、あなたを示している」
子爵は、焦った。
「それは……」
「誰かが、俺を陥れようとしているんだ!!」
「康太郎だ!!」
「あいつが、全てを仕組んだんだ!!」
おっさんは、冷静に言った。
「根拠のない、言いがかりだ」
「俺が、自分を襲わせる理由がない」
子爵は、さらに叫ぶ。
「お前が、伯爵の地位を守るためだ!!」
「俺たちを、排除するために!!」
国王は、冷たい目で子爵を見た。
「黙れ」
「証拠もなく、他人を非難するな」
子爵は、黙った。
次に、他の貴族たちが弁明を始めた。
「私は、関係ありません!!」
「子爵に、騙されたんです!!」
「私は、知らなかった!!」
責任を、なすりつけ合う。
醜い光景。
ある伯爵が、子爵を指差した。
「全て、子爵が計画したんだ!!」
「私たちは、ただ従っただけだ!!」
子爵、激怒する。
「何だと!!」
「お前たちも、賛成しただろう!!」
「一緒に、やったんだ!!」
伯爵「いや、私は反対していた!!」
「でも、脅されて……」
子爵「嘘をつくな!!」
貴族たちが、言い争い始める。
「お前が悪い!!」
「いや、お前だ!!」
「俺は、知らない!!」
国王は、机を叩いた。
「静まれ!!」
声が、響く。
貴族たちは、黙った。
国王は、怒りを抑えながら言った。
「お前たちは、貴族だ」
「名誉を重んじるべき存在だ」
「それが、このざまか」
「恥を知れ」
貴族たちは、俯いた。
◆ 私兵の襲撃
その時――
外から、騒ぎが聞こえた。
剣が、ぶつかり合う音。
叫び声。
騎士団長が、飛び出した。
数分後――
戻ってきた。
顔色が、悪い。
「陛下、大変です!!」
「私兵が、王城を襲撃しています!!」
国王、驚愕する。
「何だと!?」
騎士団長「子爵の私兵です!!」
「裁判を、妨害しようとしています!!」
国王は、激怒した。
「……まだ、諦めていないのか……」
子爵は、冷たく笑った。
「……ははは……」
「そうだ、俺の部下たちが来た」
「お前たちを、全員殺す」
「俺は、逃げる」
「これで、終わりだ」
国王「……貴様……」
「まだ、反逆を続けるのか……」
子爵「もう、後戻りはできない」
「だから、全てを壊す」
「お前たちも、康太郎も、全員だ」
外では、激しい戦闘が始まっていた。
子爵の私兵、100人以上。
王国騎士団と、戦っている。
私兵は、訓練されている。
強い。
騎士団も、苦戦している。
観客席の平民たちが、パニックになる。
「逃げろ!!」
「危ない!!」
国王は、命じた。
「騎士団、平民を守れ!!」
「私兵を、鎮圧しろ!!」
騎士団長「了解しました!!」
でも――
私兵の数が、多い。
騎士団だけでは、足りない。
◆ ゴーレムの出動
おっさんは、ゴードンに言った。
「ゴードン、ガーディアンを」
ゴードン「すでに、手配済みだ」
おっさん、驚く。
「……え?」
ゴードンは、微笑んだ。
「こうなると、予想していた」
「だから、ガーディアンを連れてきた」
「王都の外で、待機させている」
おっさんは、感心した。
「……さすがだな」
ゴードンは、信号弾を打ち上げた。
赤い光。
空高く。
それを合図に――
ガーディアンが、動き出した。
10体のガーディアン。
四足歩行の防衛用ゴーレム。
王城に、向かって走る。
速い。
機敏。
私兵たちは、驚いた。
「……何だ、あれは……!」
「鉄の獣……!」
「ゴーレムだ!!」
ガーディアンが、私兵に突撃した。
網を放つ。
私兵たちを、拘束する。
次々と。
電撃を放つ。
私兵たちが、倒れる。
気絶する。
ガーディアンは、容赦ない。
でも――
殺さない。
拘束するだけ。
おっさんの指示通り。
「なるべく、殺すな」
「拘束しろ」
私兵たちは、パニックになった。
「ゴーレムだ!!」
「逃げろ!!」
でも――
ガーディアンの方が、速い。
追いつく。
拘束する。
数分後――
私兵たちは、全員拘束された。
100人以上。
全員。
ガーディアンが、勝利した。
騎士団長は、驚愕していた。
「……すごい……」
「あっという間に……」
おっさんは、微笑んだ。
「……ゴーレムは、優秀だ」
◆ 子爵の絶望
大広間。
子爵は、絶望した。
「……まさか……」
「私兵が、全滅……?」
「ゴーレムに……?」
おっさんは、子爵を見た。
冷たい目。
「あなたの計画は、全て失敗した」
「私兵も、鎮圧された」
「もう、逃げ場はない」
子爵は、震えた。
「……くそ……」
「なぜだ……」
「なぜ、お前は……」
「元平民のくせに……」
おっさんは、冷静に言った。
「俺が平民だから、何だ?」
「功績があれば、評価される」
「それが、正しい世界だ」
「血統だけで、威張るな」
子爵は、崩れ落ちた。
「……負けた……」
「完全に、負けた……」
◆ 有罪判決
国王は、裁判を続けた。
「証拠は、十分だ」
「バーソロミュー子爵、および共謀者たち」
「お前たちの罪は、明白だ」
「殺人未遂、陰謀、反逆」
「そして、私兵による王城襲撃」
「全てを、認める」
被告たちは、黙っている。
もう、何も言えない。
国王は、宣告した。
「よって、バーソロミュー子爵」
「お前を、死刑に処す」
子爵、顔面蒼白。
「……死刑……」
国王は、続けた。
「共謀者たちは、それぞれの関与の度合いに応じて」
「終身刑、または長期の投獄」
「爵位は、全員剥奪」
「財産は、没収」
貴族たちは、絶望した。
「……終わった……」
「全て、失った……」
国王は、厳しい顔で言った。
「これが、正義だ」
「反逆者に、容赦はない」
観客席の平民たちが、歓声を上げた。
「正義が、勝った!!」
「康太郎様!!」
「万歳!!」
おっさんは、静かに微笑んだ。
「……ありがとう、みんな」
◆ 王女の言葉
裁判の後――
王女エリザベスが、おっさんに近づいた。
「康太郎様、おめでとうございます」
おっさんは、頭を下げた。
「ありがとうございます、王女殿下」
エリザベスは、真剣な顔で言った。
「父上も、喜んでいます」
「正義が、勝ちました」
「でも、まだ終わりではありません」
おっさん「……と、言いますと?」
エリザベス「まだ、反対派の貴族がいます」
「彼らも、納得していません」
「これからも、戦いは続くでしょう」
おっさんは、頷いた。
「……分かっています」
「でも、俺は諦めません」
「結果で、示し続けます」
エリザベスは、微笑んだ。
「それが、あなたの強さですね」
「応援しています」
◆ グリーンヘイブンへの帰還
数日後――
おっさんたちは、グリーンヘイブンに帰った。
住民たちが、出迎えた。
「康太郎様!!」
「お帰りなさい!!」
「勝ったんですね!!」
おっさんは、手を振った。
「……ただいま」
「正義が、勝った」
住民たちが、歓声を上げる。
「万歳!!」
「康太郎様、万歳!!」
おっさんは、広場で演説した。
「みんな、ありがとう」
「裁判は、終わった」
「悪は、裁かれた」
「でも、まだ終わりじゃない」
「これからも、多くの人を救い続ける」
「それが、俺たちの使命だ」
住民たちが、拍手する。
大きな拍手。
心からの拍手。
◆ セシリアとの夜
夜。
おっさんとセシリアが、部屋にいる。
赤ちゃん・希望が、眠っている。
セシリアが言った。
「コウタロウさん、本当にお疲れ様でした」
おっさんは、セシリアを抱きしめた。
「……ああ」
「長い戦いだった」
「でも、勝った」
セシリアは、涙を流した。
「……本当に、良かったです……」
「これで、安心できます……」
おっさんは、セシリアの頭を撫でた。
「……でも、まだ油断はできない」
「エリザベス殿下が言っていた」
「まだ、反対派がいると」
セシリア「……でも、コウタロウさんなら大丈夫です……」
「いつも、乗り越えてきましたから……」
おっさんは、微笑んだ。
「……ありがとう」
おっさんは、赤ちゃんを見た。
希望が、静かに眠っている。
おっさんは、赤ちゃんの頭を撫でた。
「……父ちゃん、頑張ったぞ」
「悪い奴らを、やっつけた」
「これで、少しは安全になった」
赤ちゃんが、微笑んだ。
まるで、分かっているかのように。
おっさんも、微笑んだ。
◆ 真理とゴードンの会話
真理とゴードンが、二人で話していた。
工房の前。
夜。
星空。
真理が、ゴードンに言った。
「ゴードンさん、ありがとうございました」
「ガーディアンのおかげで、勝てました」
ゴードンは、首を振った。
「いや、みんなのおかげだ」
「康太郎の判断、お前の戦い」
「みんなが、協力したから勝てた」
真理は、微笑んだ。
「……それでも、ゴードンさんがいなければ……」
ゴードンは、真理の手を握った。
「……真理」
真理、顔を赤くする。
「……はい……」
ゴードン「これから、もっと忙しくなるかもしれない」
「でも、俺は……」
「お前と、一緒にいたい」
真理は、涙を流した。
「……私も、です……」
ゴードンは、真理を抱きしめた。
二人は、静かに抱き合った。
星空の下で。
◆ 新たな時代へ
グリーンヘイブン。
静かな夜。
でも、温かい。
正義が、勝った。
悪は、裁かれた。
でも――
戦いは、まだ続く。
反対派の貴族たち。
彼らも、まだ諦めていない。
おっさんは、それを知っている。
でも――
恐れない。
仲間がいる。
魔道具がある。
ゴーレムがある。
そして――
正義がある。
おっさんは、決意した。
(……どんな敵が来ても)
(俺たちは、負けない)
(必ず、勝つ)
窓の外。
星が、輝いている。
希望の光。
おっさんの物語は、続く。
新たな時代へ。
(次回:第45話「新たな挑戦」に続く)




